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開高健が『ALL WAYS 上』に記した格言(小説家)[今週の防災格言205]

time 2011/11/14

開高健が『ALL WAYS 上』に記した格言(小説家)[今週の防災格言205]


『 人間、かしこくなれるのは昨日に対してだけである。
今日と明日については永遠の迷子である。 』

開高 健(1930〜1989 / 小説家・エッセイスト 代表作『裸の王様』『オーパ!』)

この格言は没後に発売された著作集『ALL WAYS 上(角川書店 平成2(1990)年)』収蔵のエッセイ『旅行、上等の女、自然―ペンへの栄養分(初出「五十期生」24号 昭和57年11月23日)』より。

神奈川新聞紙上に連載された『シリーズ裸の都市:迫る東海地震 昭和54(1979)年5月)』内のインタビューでは、東海地震予知について、当時 “焼け跡派” と称された開高氏の防災観とともに、日頃からこの格言を好んだことが伺える。

曰く――

(地震予知)空振り、大いに結構、備えあっても憂いある時代なんだから、警報が外れたらもうけもの、と思わなくてはいけない。警報段階のパニックを心配する人もいるようだが、私は、そんなパニックだったら大賛成。大地震に襲われてからのパニックに比べれば、タカが知れている。免疫注射と同じで、微量の”毒”を入れることで、巨大な毒に対抗するわけだ。
人間が賢くなれるのは昨日に対してだけで、今日、明日に対しては愚かである、という言葉がある。ぴったりではないか。

(書籍『迫る東海地震 続・裸の都市(編著:神奈川新聞社 昭和54(1979)年11月)』から「開き直りの勧め―逃げる前に備える」より)

開高 健(かいこう たけし)氏は、熱心な釣師として「キャッチ・アンド・リリース(釣った魚を戻す)」という釣りの思想を広め、食通としても知られた大阪出身の作家。大阪市立大学時代に谷沢永一主宰の同人「えんぴつ」へ参加。大学卒業後の1954(昭和29)年、壽屋(サントリーの前身)宣伝部に勤め、ウイスキーのキャッチコピー “「人間」らしくやりたいナ” などを手がけた。1957(昭和32)年、『裸の王様』で第38回芥川賞を受賞したのを機に作家業に専念。1964(昭和39)年、朝日新聞社臨時特派員として戦時下のベトナムへ赴き、南ベトナム政府軍に従軍し、最前線で部隊のほとんどの者が戦死する反政府ゲリラとの激しい戦闘に巻き込まれた。この時の体験をもとにした小説『輝ける闇(闇三部作の一作目 1968年)』で毎日出版文化賞を受賞。帰国後、一時、小田実らの「ベ平連」に加わり反戦活動を行ったが、内部の反米左派に強く反発し脱退。1974(昭和49)年に、東京杉並から神奈川県茅ヶ崎市東海岸南へと移り住み、1989(平成元)年に食道癌で58歳で亡くなるまで16年間を茅ヶ崎で過ごした。代表作に「日本三文オペラ」「輝ける闇」「夏の闇」「オーパ!」など多数。

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<編集長 拝>

 

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