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志賀直哉の昭和12年の小説『青臭帖(あおくさちょう)』に書かれた幸福論から。[今週の防災格言567]

time 2018/11/05

志賀直哉の昭和12年の小説『青臭帖(あおくさちょう)』に書かれた幸福論から。[今週の防災格言567]

『 五つの幸福があっても、一つの不幸の為めにその五つはゼロになる。幸福は弱く、不幸は強い。 』

志賀直哉(1883~1971 / 小説家 雑誌「白樺」を創刊 代表作『暗夜行路』)

格言は『青臭帖(昭和12(1937)年)』より。

志賀直哉(しが なおや)は、明治から昭和にかけ活躍した白樺派を代表する作家で小説の神様ともいわれ当時の文壇に強い影響を与えた。

明治16(1883)年2月20日、第一銀行石巻支店行員だった父・志賀直温(なおはる)と亀山藩士の娘・銀の間に次男として宮城県牡鹿郡石巻町にて生まれる。父親の直温は、厳格な陸奥相馬中村藩士の家の出身で、銀行員、文部省役人を経て後、総武鉄道、帝国生命保険、武蔵電気鉄道、相模水力電気など複数の会社の役員を勤める明治の財界で知られる人物だった。長男が2歳で早世したため実質的には長男として祖父母に溺愛されて育った、という。
2歳のとき一家は東京・内幸町へと引っ越した。明治22(1889)年、6歳で学習院予備科に入学。初等科を経て中等科時代の明治28(1895)年に実母・銀が病死、同年父が再婚する。
中等科の学友・有島生馬、田村寛貞、黒木三次、三条公輝らとともに明治29(1896)年に文芸サークル「睦友会」を結成し、初の文筆活動を行い、この頃、内村鑑三の演説を聴き、感銘を受けて内村に師事した。当時、足尾銅山鉱毒事件を批判した内村に感化され現地視察を試みるが、志賀家の祖父が足尾銅山の経営者だったことから父親がこれに反対し衝突。長年にわたる父親との不和の原因の一つとされる。
学校での品行が悪く中等科を2回落第し、2年遅れで学習院高等科へと進み、明治39(1906)年、東京帝国大学英文科へ入学。在学中に志賀家の女中と深い仲となるが結婚を反対した父親との関係が悪化。次第に大学からも足が遠のき明治43(1910)年に大学を退学。同年、武者小路実篤、有島武郎らと「白樺」を創刊し、以降は白樺派の中心作家として活躍。
小説を書く自分を不満に思う父親との対立から実家を離れ、広島県尾道、東京大井町(現大田区)、島根県松江、京都、鎌倉雪ノ下、群馬県赤城山、千葉県我孫子、奈良県幸町など転居を繰り返しながら、敬愛する恩師・夏目漱石の死や、父との和解などを経て、数々の作品を発表。その無駄のない文章は、大正・昭和にかけ多くの文学者に多大な影響を与え「小説の神様」との異名で称えられた。唯一の長編小説「暗夜行路(1921(大正10)~1937(昭和12)年)」は近代日本文学の代表作の一つとされる。
昭和24(1949)年、谷崎潤一郎と共に文化勲章受章(第8回)。
生涯に26回の転居を繰り返すが、昭和30(1955)年に渋谷常盤松に移住して以降はここで晩年を過ごし、昭和46(1971)年10月21日に88歳で天寿を全うした。
志賀直哉 画像出典:国立国会図書館

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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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