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小川未明(小説家・童話作家 「日本児童文学の父」)の随筆「驟雨(しゅうう)」から雨の名言 [今週の防災格言669]

time 2020/10/19

小川未明(小説家・童話作家 「日本児童文学の父」)の随筆「驟雨(しゅうう)」から雨の名言 [今週の防災格言669]

『 悠々として、永久不変の姿も自然であれば、匆々そうそうとして、変幻極りなき姿も、また自然であることを知りました。 』

小川未明(1882~1961 / 小説家・童話作家 「日本児童文学の父」)

格言は『驟雨』より。(『常に自然は語る』(日本童話協会 1930年)集録)

驟雨(しゅうう)は、急に降りだした雨のこと。夏のにわか雨、夕立とほぼ同じ意味でも使われる。
匆々(そうそう)は、あわただしい様のこと。

風と雷と大雨で話し声も聞き取れないくらいの“ものすごい夕立”となったが、その後、《狂いに、狂っていた空は、忽ちのうちに、すべてを忘れてしまったように晴れ渡った》というある秋の日の体験につ いて述べたもの。

小川未明(おがわ みめい)は、生涯に千二百点以上の作品を発表し、「日本のアンデルセン」「日本児童文学の父」と称された童話作家。主な代表作に『赤い蝋燭と人魚』(1921年)など。

明治15年(1882年)4月7日、新潟県中頚城(なかくびき)郡高城村(現・上越市幸町)の旧越後高田藩士の家の次男に生まれる。本名は小川健作。父親の小川澄晴は、高田藩主榊原家の家臣として幕末の会津戦争に出征、維新後には上杉謙信の熱心な崇拝者として春日山神社の創建に奔走した人物として知られる。
幼くして長男を病気で亡くした両親は、「捨て子は育つ」という地方の因習により、未明が生まれるとすぐに隣家の丸山家に3歳頃まで里子に出した。岡島小学校(現・大手町小学校)、中頸城尋常中学校(現・県立高田高等学校)を経て、明治34年(1901年)に東京専門学校(今の早稲田大学)に進学。坪内逍遙や島村抱月から指導を受け、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の英文学史の講義を受ける。
在学中の明治37年(1904年)、処女作『漂浪児』を発表、恩師の坪内逍遙から「未明」の雅号を与えられ、卒業直前に発表した『霰に霙(あられにみぞれ)』で小説家としての地位を築いた。明治38年(1905年)23歳で早稲田大学英文科を卒業。卒業後は早稲田文学社に勤務し雑誌『少年文庫』の編集者をしながら、童話も書くようになる。
明治39年(1906年)24歳で妻キチと結婚。明治42年(1909年)27歳のとき全ての勤めをやめ文筆業で立つことを決意し、翌明治43年(1910年)第1童話集『おとぎばなし集 赤い船』を発表。
妻とのあいだに、長女晴代、長男哲文、次女鈴江(後に哲郎、英二、優の3人の子供も誕生)をもうけるが、小説が世に迎えられず、家は貧しく、生活が困窮するなかで、大正3年(1914年)に長男哲文が疫痢により急逝する。
長男を亡くしてからの未明は、“日常生活から病原菌を恐怖することを口にせぬことは少ないくらい”に神経質となる。友人の作家・近松秋江(1876~1944)は、随筆「秋江随筆」(1923年)で――

《 小川君くらい病気を恐れる人はいない。異常なる、寧ろ不思議なる、病的の、微菌(※病原菌)恐怖家 》

――と未明を評している。ペストが流行したと知ると、病原菌の予防のために、夏場でも娘の春代に足袋をはかして小学校に通わせる徹底ぶりだったが、貧しい生活で日常的に栄養失調気味だったこともあって、長女晴代は隣席の同級生から結核がうつり、大正7年(1918年)に亡くなった。二人の子供の相次ぐ死が後の作品に大きく影響し、この大正7年から童話の執筆が本格化することになった。

大正14年(1925年)に早大童話会を立ち上げ、翌年には小説を諦め、童話作家に専念した。昭和21年(1946年)創立された日本児童文学者協会の初代会長となり、昭和26年(1951年)日本芸術院賞を受賞、文化功労者に選定され、昭和28年(1953年)には日本芸術院会員に推挙された。昭和36年(1961年)5月11日、脳出血により東京都杉並区高円寺南の自宅で死去。79歳。没後、小川未明文学賞が創設された。
小川未明 1922年(画:柳敬助)
小川未明 1922年(画:柳敬助)

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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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