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瀬戸内寂聴(1922~2021 / 作家・天台宗尼僧)「今日を生きるための言葉」から人生の名言 [今週の防災格言725]

time 2021/11/15

瀬戸内寂聴(1922~2021 / 作家・天台宗尼僧)「今日を生きるための言葉」から人生の名言 [今週の防災格言725]

『 大切なのは、好奇心と想像力です。好奇心がないと人生がつまらなくなり、生きている喜びもなくなります。想像力がないと、他人の悲しみや苦しみ、痛みがわかりません。 』

 

瀬戸内寂聴(1922~2021 / 作家・天台宗尼僧 文化勲章(2006年) 本名・晴美)

 

格言は、ニッポン放送 News Online コラム【瀬戸内寂聴「今日を生きるための言葉」第1639回】より。

人生はもともと苦しみと矛盾に満ちているから、他人の苦しみに思いを馳せるためにも想像力が必要だ ―――と、寂聴さんは、自身の数多くの法話や講演では一貫して述べてきた。生きるために想像力が大切と説き、想像力を育むには読書など創造的な文化に触れることが最適だとも述べている。

コラム「互いを思いやる気持ちこそ」(PHP研究所編『幸福論』(PHP研究所 2006年)収録 初出:月刊PHP 2004年10月号)では、

見えるものばかりを追いかけてきた結果、日本人は想像力を無くしてきました。想像力とは相手の気持ちを思いやる心です。相手が言葉に出さなくても、表情を見るだけで気持ちが分かる。愛情とは相手の欲するものを先んじて与えること。かつての日本人にはそういう心がそなわっていました。それが今や、そんなことさえ分からなくなってきた。
…(中略)…
私たちのまわりは納得のいかない不条理で取りまかれている。だからこそ、相手を思いやる想像力を持たなければならないと思います。
…(中略)…
目には見えない人の心に思いを馳せ、互いを思いやる気持ちを忘れないこと。不条理な世の中で温かな幸せを見つけるには、それしか方法がないのです。

と述べてもいる。

… … …

瀬戸内寂聴(せとうち じゃくちょう)は作家で僧侶(天台宗)。古典を題材とした作品から現代文学まで幅広い著作で知られ、生涯に400冊を超える作品を遺した。執筆活動と並行し、51歳で出家し、精力的な法話や講演活動を行ない、また湾岸戦争の救援活動や対テロ報復戦争の停止を求める活動、311震災後の原発再稼働の抗議など社会活動も行った。

1922年(大正11年)5月15日、徳島県徳島市の神仏具商の二女に生まれる。本名は三谷晴美(はるみ)。瀬戸内家と父が養子縁組したため、後に瀬戸内晴美に改姓。東京女子大学在学中の1942年(昭和17年)に20歳で婚約し翌年結婚、一女をもうける。終戦後に夫の教え子の文学青年と不倫し、1948年(昭和23年)夫と三歳の娘を棄てて京都へと出て、勤めながら小説を執筆。1950年(昭和25年)「少女世界」に少女小説が採用され、その稿料が入ると京都を引き払って上京、東京・三鷹下連雀の宿に下宿し少女小説や童話の投稿を続けた。
1956年(昭和31年)処女小説「痛い靴」を発表、1957年(昭和32年)「女子大生・曲愛玲(チュイアイリン)」で新潮社同人雑誌賞受賞。子宮作家と揶揄されるようなポルノ小説で生計を立てながら、1959年(昭和34年)から伝記小説「田村俊子」や長編小説「女の海」を東京新聞等に連載、「かの子撩乱」「美は乱調にあり」など優れた評伝小説を相次いで発表し、1963年(昭和38年)自身の不倫の恋愛体験を描いた「夏の終り」で女流文学賞を受賞し作家としての地位を築いた。1973年(昭和48年)51歳で今春聴(今東光)大僧正を師に中尊寺で得度。出家した後も俗名(瀬戸内晴美)で作品を発表し続けたが、1987年(昭和62年)岩手県二戸市の天台寺住職となったのを契機に法名の寂聴に改め執筆活動を開始した。以降は「源氏物語」に関連する著作を多く執筆し、1988年(昭和63年)の「寂聴 般若心経」は43万部のベストセラーを記録、1992年(平成4年)「花に問え」で谷崎潤一郎賞、2001年(平成13年)「場所」で野間文芸賞受賞。2006年(平成18年)文化勲章受章。2011年(平成23年)の東日本大震災後は東北へと足を運び被災者支援活動を行なった。
2021年(令和3年)11月9日、心不全のため京都市内の病院で死去。99歳没。


写真:Wikipedia









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アメリカ合衆国沿岸警備隊モットー(2012.12.24 防災格言)
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キャヴェンディッシュ一族の家訓(イギリス貴族)(2011.11.21 防災格言)
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落雷のまじない「くわばらくわばら(桑原桑原)」の伝承の由来(2021.07.05 防災格言)
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著者:平井敬也(週刊防災格言編集主幹)

 

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