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村岡花子が童話集 お山の雪』に記した格言(『赤毛のアン』訳者)[今週の防災格言333]

time 2014/04/28

村岡花子が童話集 お山の雪』に記した格言(『赤毛のアン』訳者)[今週の防災格言333]


『 ほんとにおかしな船頭さん!!
考え、考え、考えて、なんにもしない船頭さん、
考え過ぎた船頭さん、
頭が痛くなったでしょう
お気の毒な船頭さん! 』

村岡花子(1893〜1968 / 児童文学者・翻訳家 『赤毛のアン』訳者)

格言は『童話集 お山の雪(青蘭社書房 1928年)』収録『考へ過ぎた船頭さん』より。
原典は西洋の詩にあったもので、花子曰く『あんまりおもしろいので、おはなしに書き直してみました』と紹介した物語である。(以下要約)

《 昔々あるところにお爺さんの船頭がいました。 この人はたくさんの事をしたがる人で、始終、あれもしなければ、いや、これもしなければというふうに考えてばかりいました。
ある日、船頭の船が難破して小島に漂着しました。助け船が来るまでのあいだ、幾日も幾日も一人でそこにいなければならなくなりました。
船頭は、まず食料を取るために竿や糸や針が必要だと思って辺りを探しました。すると今度は、陽射しをさける帽子が必要だと思って探しだしました。
しばらくすると、帽子や釣りより、のどがかわいていたので泉を探したいと思いました。
ほかにも、雨がふったら小屋も必要だし、小屋があっても、もし強盗がきたらどうしよう、そうだ錠前も必要だ、などと考えてばかりいました。
このように次々に思い出すので、何から先にしてよいかさっぱり分らない。
しかたなく、たった一枚あった毛布にくるまって一生懸命考えていたら、結局、何もしないまま救助船がくるまで眠りこけてしまいました。 》

というお話。

後年、花子は著書『一年生のための村岡花子童話集(三十書房 1950年)』で自身の童話について以下のように語っている。

曰く―――。

なんでもすべて事実にもとづいた「ほんとうのこと」以外はいっさい聞かないという態度を、幼児の中に作ってしまうことは、かぎりなくのびひろがろうとする空想のつばさを折ることにもなり、また、寓話やたとえばなしの中にひそめられた人生の深い心理をもつかみ得る精神力を、ゆがめることにもなり、まことに惜しいことでもあります。 《 中略 》 童話は子どもの心に喜びをもたらすもの、童話によって子どもの心の窓は広くあけ放たれます。母も教師もその愛情と信念を、子どもの心に伝える手段としても童話を役立たせることができます。

NHK連続テレビ小説『花子とアン』のヒロインとして知られる村岡花子(むらおか はなこ / 本名:安中はな)は、モンゴメリ、エレナ・ポーター、オルコットなどの西洋作家の翻訳家・児童文学者。『赤毛のアン』をはじめ『少女パレアナ』『王子と乞食』『フランダースの犬』『クリスマス・キャロル』などの名作を手がけた。
山梨県甲府の貧しいクリスチャンの家の長女として生まれ、10歳で華族が学ぶミッション・スクール「東洋英和女学校(東京麻布鳥居坂)」に編入学をしてから英語を学び翻訳家となる。関東大震災、大東亜戦争(太平洋戦争)という激動の時代を精一杯生き抜き、敗戦後は東京の自宅(大森新井宿)に家庭図書館「道雄文庫ライブラリー」を設け、児童図書館の先駆けとなる。1968(昭和43)年10月25日、脳血栓により75歳で死去。

■「村岡花子」に関連する防災格言内の記事
作家 林芙美子(2008.04.14 防災格言)
児童文学者 鈴木三重吉(2011.02.21 防災格言)
宮沢賢治(2009.07.06 防災格言)
ボツになったヘレンケラーの格言(2009.09.02 編集長コラム)

 

<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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