『 よく理解すれば、まさか自分の住む地域で地震が起きるとは思わなかった、という言葉は今後は出ないと思う。 』
津村建四朗(1933~ / 地震学者 元地震調査推進本部地震調査委員会委員長 元気象庁地震火山部長)
格言は、地震調査委員会で2005年(平成17年)3月18日に開催された「確率論的地震動予測地図」公表に向けた事前説明会より。
未知の海底の活断層が大きく揺れた福岡県玄海地震の発生から3日後、2005年(平成17年)3月23日、国の地震調査委員会により確率論的地震動予測地図が初めて公表された。これは、日本全国を1km四方単位で色分けし、それぞれ地震の発生確率や揺れの強さを示したもので、阪神淡路震災を教訓に、1995年7月から始まった文部科学省地震調査研究推進本部の活動の集大成でもあった。地図により初めて、日本のどこにいても震度6弱以上の揺れに襲われる危険性があることを目に見える形で示された。
過去、地震確率評価では、その数値が分かりにくく、発生確率3%未満の地域が「安全・安心な場所」として誤解される懸念があった。その対策として報告書では、発生確率をより分りやすくするための工夫として以下の解説が付記されている。
報告書に曰く―――。
『 30年確率で26%は「交通事故で負傷」、3%は「心疾患で死亡」、0.1%は「強盗に遭う」または「交通事故で死亡」が起こる確率と同等。』
確率論的地震動予測地図⇒ http://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/
津村建四朗(つむら けんしろう)氏は、潮位データによる地殻変動の研究や微小地震観測による深発地震の研究で知られる地震学者。政府の地震調査委員会委員長(第2代)を2000年(平成12年)から3期6年勤めた人物。
「稲むらの火」の舞台である和歌山県広村(現広川町)で生れ育ち、和歌山県立耐久高等学校を卒業後、京都大学理学部に入学。大学卒業後の1959(昭和34)年に旧建設省地理調査所に入所。1964年(昭和39年)に東京大学地震研究所、1983年(昭和58年)より気象庁に移り、気象研究所、福岡管区気象台、地震火山部長など歴任。1994年(平成6年)、山形大学理学部教授に就任。1999年(平成11年)に山形大学を退任され、財団法人日本気象協会顧問。
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