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河田恵昭が明治三陸大津波百年追悼式典で残した格言(京都大学教授)[今週の防災格言176]

time 2011/04/25

河田恵昭が明治三陸大津波百年追悼式典で残した格言(京都大学教授)[今週の防災格言176]


『 過去の教訓がそのまま役立つとは限らない。
行政は過去の例にこだわるが、
次の津波が以前の津波を超えないとも限らない。 』

河田恵昭(1946〜 / 関西大学教授 京都大学教授 専門は都市災害)

河田恵昭(かわた よしあき)工学博士は、巨大災害、都市災害の危機管理専門家として、京大防災研究所長、関西大学環境都市工学部教授など歴任。現在は、関西大学社会安全学部長、阪神淡路大震災記念・人と防災未来センター長を兼務。

この格言は、岩手県田老町で1996年に開催された明治29(1896)年の明治三陸大津波「百年追悼式典」での言葉(1996年6月3日 読売新聞)より。

この式典の4ヶ月前の1996(平成8)年2月17日にニューギニア沖地震(M8.2)が起ったとき、北海道、本州、四国、九州、対馬などの太平洋沿岸地域で津波警報が発令された。しかし、三陸沿岸の住人の96%は避難勧告を知っていたにもかかわらず「我が家だけは安全だと思った」という理由で、実際に避難をした住民はわずか19%だけだった。
格言は、高さ10メートルの防波堤があるからといって安心してはいけない、過去に30メートル以上の津波が何度も来襲している、という前提があっての発言内容だった。

東日本大震災後にも 『 大きい防波堤を整備すれば南海地震の “稲むらの火” や三陸沖地震の “津波てんでんこ” にみられるような歴史に刻まれた教訓を忘れ、津波から逃げなくてもいいということにはならない。 』 と警鐘を鳴らす。
年々、巨大化する自然災害のなかで 『 最近 “想定外” という言葉がよく使われる。想定外に絶望しあわてふためく前に、まず “想定内” での防災・減災対策が十分かどうかを見極めることが必要だ。 』 と述べられている。(震災後の発言は2011年4月22日 産経新聞記事より)

■「河田恵昭」氏に関連する防災格言内の記事
今週の防災格言<120> 津波災害史家・山下文男氏(2010.3.1 防災格言)

 

<編集長 拝>

 

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