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水上武が著書『地震と火山 私たちの理科教室』に記した名言(1909〜1985 / 火山物理学者)[今週の防災格言357]

time 2014/10/13

水上武が著書『地震と火山 私たちの理科教室』に記した名言(1909〜1985 / 火山物理学者)[今週の防災格言357]

『 地震や噴火の災害をあらゆる手段をつくして予防防止することが、私たちにとってもっとも重要なことがらの一つである。 そのためには、まず第一に地震や噴火について一般的な常識をもつことが必要である。 』

 

水上 武(1909〜1985 / 火山物理学者・理学博士 東京大学名誉教授)

 

水上 武(みずかみ たけし)は、浅間山の噴火予知の業績で世界的に知られる火山物理学者。
高岡信用金庫理事長だった水上良作の長男として富山県高岡市(高岡古城公園三之丸)に生まれる。旧制高岡中学校(現高岡高校)、開成中学校(東京)、第一高等学校(旧制)を経て、東京帝国大学に入学。1934(昭和9)年、東京帝国大学理学部地震科を卒業後、地震研究所に助手として入所すると、当時発足したばかりの浅間山支所(浅間火山観測所)に1934(昭和9)年〜1942(昭和17)年まで勤務した。ここで、火山性地震の分類や噴火の定量的予測で大きな成果をあげ、東京大学教授となり、東大地震研究所所長などを務め、1970(昭和45)年に定年退官。
1956(昭和31)年「火山に関する地球物理学的研究」で第46回日本学士院賞を授与。ライフワークとなる浅間山の研究をはじめ、多くの火山地震の観測と研究に心血を注ぎ、火山活動の仕組みを解明するなど、日本の火山噴火予知や災害対策に大きく貢献し、1981(昭和56)年に勲二等瑞宝章を受章。1985(昭和60)年9月8日に心筋梗塞により76歳で逝去。

格言は子供たちに向けた著書『地震と火山 私たちの理科教室』(国民図書刊行会 1948年)の「まえがき」より。

曰く―――。

わが国の地震の歴史によると、平均して1年半に1回のわりあいで、家が倒れ、死人がでる程度の地震や火山の噴火が、せまいわが国の本土のどこかにおこっている。これからも、このわりあいでおこると考えても、大きなまちがいはないだろう。

古来日本民族が地震や噴火のためにどんなに大きな損害をうけてきたか、そのためにわが民族の文化の発達がどれだけさまたげられたであろうか。そう考えると、地震や噴火の災害をあらゆる手段をつくして予防防止することが、私たちにとってもっとも重要なことがらの一つである。そのためには、まず第一に地震や噴火について一般的な常識をもつことが必要である。

大きな地震や噴火があると、いつもきまって、地震や噴火の原因や、あるいはこれらを予知することができるかどうかということが問題にされる。これはもっともなことである。しかしながら、これは非常にこみいった難問題であって、簡単に解決することはできない。学問上でもまだよく解決されないことがらが多いのである。それよりも、地震や噴火とはいったいどのようなものであるか、地震や噴火がおこるとどのようなことがおこるか、そして、現在地震や火山をどのやうな方法で研究しているかということを知るのは、いっそうたいせつなことがらである。それによって、上にのべた難問題もある程度まで了解されると考えられるからである。








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著者:平井敬也(週刊防災格言編集主幹)
[主な著書]「天災人災格言集―災害はあなたにもやってくる!(興山舎 2012年)

 

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