『 大地動乱の時代 』
石橋克彦(1944~ / 地震学者 神戸大学名誉教授 専門は地震テクトニクス)
石橋克彦(いしばしかつひこ)先生は日本を代表する地震学者の一人。
東京大学理学部助手だった1976(昭和51)年8月23日開催の第36回地震予知連絡会において「東海地震説(論文:駿河湾を震源とするM8クラスの大地震発生の恐れ)」を史上初めて発表。それまで知られていなかった駿河湾を震源とする東海地震を世界に広め、日本の政治をも動かした。
この論文を端緒に1978(昭和53)年に日本政府は大規模地震対策特別措置法が公布された。
小泉内閣時代の2005(平成17)年2月23日には、国会(衆議院予算委員会公聴会)に公述人として出席し、東海地震の震源の真上に位置する中部電力・浜岡原発について「複雑高度に文明化された国土と社会が、人類史上初めて大地震に直撃される」と原発震災の危険性について警告された。
格言は、東京一極集中の大規模開発に警鐘を鳴らした著書「大地動乱の時代〜地震学者は警告する〜(岩波新書 1994年)」より。
曰く―――「幕末にはじまった首都圏の大地震活動期は、関東大震災(1923年)をもって終わり、その後、東京圏は世界有数の超過密都市に変貌した。
しかし、まもなく再び大地動乱の時代を迎えることは確実である。
関東と東海地方の大地震発生様式にもとづく一つのシナリオによれば、今世紀末から来世紀初めごろに小田原地震、東海地震、首都直下地震が続発し、それ以後首都直下が大地震活動期に入る公算が強い。
これらの地震による首都圏とその周辺の震災は、最悪の場合、従来とは質的に異なる様相を呈し、日本と世界に重大な影響をおよぼすだろう。
そのような震災とその影響はもはや戦術的な対応では軽減しきれないから、思いきった地方分権による分散型国土の創成に今すぐ着手すべきである。」
■「石橋克彦」氏に関連する防災格言内の記事
–国会で異例の警告 「大地動乱の時代」(2005.2.23 編集長コラム)
–東海地震と石橋克彦教授(2005.2.28 編集長コラム)
–東海地震説の謎(2006.3.29 編集長コラム)
–今週の防災格言<5> 浅田 敏氏(地震予知連会長)(2007.12.17 防災格言)
–今週の防災格言<174> 茂木清夫氏(地震予知連会長)(2011.3.14 防災格言)
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