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濱田政則が読売新聞の記事に残した格言(地震工学者)[今週の防災格言286]

time 2013/06/03

濱田政則が読売新聞の記事に残した格言(地震工学者)[今週の防災格言286]


『 家を買う時は昔はどういう地形だったかに注意すべきだ。また自治体によっては液状化地図を作っているので、積極的に利用してほしい。』

濱田政則(1943〜 / 地震工学者 早稲田大学教授 工学博士 土木学会会長)

濱田政則(はまだ まさのり)氏は、地震防災工学や地盤工学の専門家。主に土木工学の分野から地震による液状化被害と耐震設計・補強法についての研究で知られる。東京大学大学院を修了後、1968(昭和43)年に大成建設株式会社に入社、1986(昭和61)年、東海大学海洋学部教授を歴任し、1994(平成6)年より早稲田大学理工学部教授として現職。2002(平成14)年〜2004(平成16)年まで日本地震工学会(JAEE)副会長、2006(平成18)年より公益社団法人 土木学会会長を前任。原子力委員会委員、内閣府中央防災会議の専門調査会委員など多くの政府専門委員も歴任されている。

本格言は読売新聞夕刊(1994(平成6)年10月22日)の記事から。

釧路沖地震(1993(平成5)年)、北海道東方沖地震(1994(平成6)年)と相次ぐ震度6烈震に見舞われた釧路市。釧路市から北東約25kmほどの場所にあるシラルトロ沼湖畔の別荘地では液状化による被害が多発した。道路を隔てて、谷側と山側を比べると、被害が谷側の家に集中。山側の平地は山を切り崩し出来た土地で、谷側は土を人間が盛って固めてあった場所。人工的に施工された盛り土の弱さが露呈した形となる。

曰く―――

『 住宅地の開発が進む昨今、実はこのような土地は珍しくない。東京周辺でも山を崩して平地にした大規模開発地などはいたるところにある。造成してしまえば分からないが、もとは谷だった地域に土盛りした場所は当然ながら弱い。<中略> これからは、費用がかかるが、実物大の大規模な実験装置を使い、災害を先取りして事前に積極的に被害を防ぐ方向に転換する必要がある 』

と述べられている。
また、濱田氏は、2011(平成23)年の東日本大震災で液状化被害が見られた千葉県浦安市など東京湾北部の地盤の脆弱性と再度の液状化の可能性も指摘されており、家の周囲に杭を打つなどの方法で被害を防止することを推奨されている。

■「濱田政則」氏に関連する防災格言内の記事
千葉県浦安市の液状化について(2011.04.06 編集長コラム)
首都直下 ホントは浅かった 佐藤比呂志教授と関東大震災(2005.10.26 編集長コラム)

 

<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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