アン・タイラー（1941～ / 米国の人気女流作家ピュリッツァー賞受賞）の作品「Celestial Navigation (1974年）」の名言 [今週の防災格言544]

『あなたが皆より賢く行動したとき、人はそれを運と呼びます。』

” People always call it luck when you’ve acted more sensibly than they have. “

アン・タイラー（1941～ / 米国の人気小説家ピュリッツァー賞(1988年)）

格言は5作目の長編小説『Celestial Navigation (1974年日本語版未発売)』より。
ジェレミーの母親の葬儀の準備を進めるなかで、喪服が入っていたスーツケースが誰かに盗まれたと騒ぎたてるアマンダに対してローラがたしなめた言葉から。

アン・タイラー（Anne Tyler）は、1988年の『ブリージング・レッスン（原題：Breathing Lessons）』でピューリッツァー賞を受賞した米国のベストセラー女性作家。現在まで20作品を発表。

1941年10月25日、4人姉弟の長女として米ミネソタ州ミネアポリスに生まれる。父は企業の研究所で働く化学者、母はソーシャル・ワーカーで、両親ともに非暴力の反戦運動活動をする敬虔なクエーカー教徒でもあった。幼少時代のほとんどをクエーカー教徒のコミュニティーで過ごし、家で学ぶ”ホームスクーリング”で育ったため、11歳になるまで学校に通ったことがなかった。特殊な環境のなかで、アンは3歳の頃からお話をつくっては弟に語り聞かせるというようになった。11歳でコミュニティを出て、ノースカロライナ州ローリー都市部の学校へ通い、高校の教師の影響から作家の道へと進むようになった。名門デューク大学へ進学すると、大学の文芸誌に初の短編を発表。大学卒業後はコロンビア大学大学院でロシア文学を学んだ。修了後、デューク大学図書館勤務を経て、1963年にイラン人と結婚し、メリーランド州ボルティモアに住み、後に2人の女児をもうけた。1964年から小説を書き始め、1983年の9作目『ここがホームシック・レストラン（Dinner at the Homesick Restaurant）』は、その年のピュリッツァー賞、ペン/フォークナー賞（The PEN/Faulkner Awards）の最終選考作となった。続く10作目『アクシデンタル・ツーリスト（The Accidental Tourist）』で1985年の全米批評家協会賞を受賞、後にウィリアム・ハート、ジーナ・デービス主演で映画化（邦題「偶然の旅行者」(1988年)）され、この作品はアカデミー賞作品賞、助演女優賞、脚色賞、作曲賞の4部門にノミネートされ、ジーナ・デイヴィスが助演女優賞を受賞した。同年に発表した11作目『ブリージング・レッスン（Breathing Lessons）』はピュリッツァー賞を受賞し、名実共に人気ベストセラー作家の一人として活躍されている。
アン・タイラー