『 新しい建造物と古いものとの差が歴然としている。
これは大きな教訓だ。
(阪神淡路震災による建物倒壊を見たときの感想) 』
ジェームズ・L・ウィット(1944〜 / 元・米連邦緊急事態管理庁(FEMA)長官)
ジェームズ・ウィット(James Lee Witt)氏はマスコミから「災害の達人」 「危機管理のプロフェッショナル」と称えられた米政府の危機管理対策の中心的人物。
冷戦時代の1979年、自然災害や核戦争への対処を目的に発足した米連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency=FEMA)は、1992年のジョージ・H・W・ブッシュ政権下では「ダメ役人の寄せ集め官庁」「政治のゴミ捨て場」と言われるまで落ちぶれていた。1993年に発足したビル・クリントン政権下、FEMAの新長官に就任したウィット氏は、短期間に「世界各国の危機管理のお手本」となるまでFEMAの組織改革をなし遂げる。
2003年、国際建築基準(IBC)・国際防火基準(IFC)・国際住宅基準(IRC)を制定する国際基準評議会(International Code Council=ICC)のCEO(最高経営責任者)に就任。2005年、ハリケーン・カトリーナ災害でルイジアナ州復興事業に手腕を発揮し、現在、国際危機管理コンサルタントとしてご活躍。
格言は、阪神淡路震災17日後の1995(平成7)年2月2日、FEMA長官として神戸視察した時のもの。「神戸もひどい渋滞だが、ロス地震(1994年のノースリッジ地震)の時も同じ状態だった」と感想を述べた。
阪神淡路大震災では、死者の8割以上が建物倒壊による圧死と窒息死だった。その内、建築基準法が改正された1981(昭和56)年6月1日の新耐震基準前に建てられた古い家屋や建築物(既存不適格の建築物)の倒壊による死者が大部分を占めていたため、耐震化・耐震補強の必要性が叫ばれることになった。
■ジェームズ・ウィット氏に関連する防災格言内の記事
拝啓 ブッシュ大統領様(2005.9.27 コラム)
米国に学ぶ「危機管理」(2002.3.10 コラム)
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