思則有備(しそくゆうび)思えばすなわち備えあり

防災意識を育てるWEBマガジン

ジョン・ルース(元駐日アメリカ合衆国大使)が東日本大震災の体験を経て述べた言葉より[今週の防災格言536]

time 2018/04/02

ジョン・ルース(元駐日アメリカ合衆国大使)が東日本大震災の体験を経て述べた言葉より[今週の防災格言536]


『 私は法律家として、
 問題をきちんと把握し分析した上で
 どう動くかを決めるという所作が身についていた。
 この人生経験が本当に大事な場面で活かされた。 』

ジョン・V・ルース(1955~ / 弁護士 駐日アメリカ合衆国大使(第28代))

格言は東日本大震災について述べたもの。
出典は読売新聞「証言 震災5年」(2016(平成28)年1月28日朝刊)より。

曰く―――。

《 自然の脅威は、人間の財産も、命までも奪ってしまうことがある。だけど、人間が生きようとする精神までも奪うことなど、できない。人生で、何かに対して完璧に準備して対応できることなどありえません。何かが起きた時は、本能や人生経験に基づいて動くことになります。そして、私は弁護士です。プロの法律家として、問題をきちんと把握して、分析した上でどう動くかを決めるという所作が身についていました。これまでの人生経験が本当に大事な場面で活かされたと思います。》

ジョン・ルース(John Victor Roos)は、オバマ大統領時代の2009年から2013年の4年間、駐日アメリカ合衆国大使を務めた人物。
在任中に東日本大震災を経験し、米国による日本支援の中心人物として活躍されたことで知られる。

米国カリフォルニア州サンフランシスコ生まれ。1977年、米スタンフォード大学卒業、1980年に同大学法科大学院を修了し法務博士号を取得。その後、弁護士として活動。シリコンバレーの法律事務所の最高経営責任者(CEO)を務め、カリフォルニア州教育委員会委員(1991~1999年)、スタンフォード大学教育学部長諮問委員会と法科大学院学部長諮問委員会メンバーなどを歴任した。
2008年の大統領選挙では民主党候補のバラク・オバマ氏の陣営に参加し、同氏の大統領就任に貢献。2009年、オバマ大統領の指名を受け駐日米大使に就任し、2013年まで4年間を務めた。在任中には、日本の47都道府県のすべてを訪れ、被爆地の広島・長崎の式典にも出席。2011年には東日本大震災も経験した。

震災当時の様子を以下のように述懐する。

《 東京・赤坂の米国大使館から外の駐車場に避難した後、私が最初にしたことは、ワシントンへの連絡でした。

9階の自室で感じた激しい揺れは、地震が多いサンフランシスコで生まれ育ち、地震に慣れたつもりでいた私の想像をはるかに越えていました。
米国は真夜中でしたが、オバマ大統領とクリントン国務長官は私の説明を真剣に聞いたうえで、こう言いました。

「 危機に直面している日本人を助けるため、必要なすべてのことをしてください 」と。

その直後、太平洋岸を大津波が襲い、福島県の原子力発電所が危険な状態にあるという情報が届きました。

短時間のうちに恐ろしい出来事が次々と起きていく中、私は一本の電話を入れました。相手は在日米軍の司令官です。

米軍を動員して、日本人と日本政府を支援することが最良の方法と考えました。これが「トモダチ作戦」です。

作戦は米政府の了承のもと、すぐに展開され、兵士ら約2万4000人が被災地での救助・捜索活動などを行い、原発事故にも対応しました。

日本の米大使としてはもちろん、在留米国人約15万人と日本で勤務する兵士ら約5万人の安否確認が最優先の業務でした。ですが、米国の最も重要な、深い絆で結ばれた日本のことを後回しにはできませんでした。 》

2011年10月、大震災での卓越したリーダーシップにより、合衆国政府から模範的外交官に与えられる「スー・M・コブ賞」が授与された。また、震災を機に公益財団法人・米日カウンシルと在日米国大使館が主導する官民パートナーシップ「TOMODACHIイニシアチブ」の創設では指導力を発揮。この功績により、2012年には広報分野での優れた業績に対して与えられる合衆国国務省「特別金賞」(Special Gold Standard Award for Public Affairs Excellence)を受賞している。
ルース元駐日アメリカ合衆国大使
■「ルース駐日大使」「東日本大震災」に関連する防災格言内の記事
チャールズ・カスト (元米原子力規制委員会地域センター長)(2017.2.6 防災格言)
ハリー・ハリス提督 (アメリカ太平洋軍司令官)(2017.11.06 防災格言)
番匠幸一郎 (元自衛隊陸将・西部方面総監(第35代))(2017.04.03 防災格言)
君塚栄治 (陸上幕僚長 東日本大震災時の東北方面総監)(2016.03.14 防災格言)
志方俊之 (元自衛隊陸将・北部方面総監)(2010.11.01 防災格言)
村井嘉浩 (元陸上自衛隊東北方面航空隊パイロット 宮城県知事)(2013.10.14 防災格言)
野間寅美 (元海上保安庁首席監察官 元第十管区本部長)(2010.07.05 防災格言)
日野原重明 (医師 聖路加国際病院理事長・名誉院長)(2017.07.24 防災格言)
廣井悠 (都市工学者)(2012.03.12 防災格言)
国土交通省東北地方整備局「災害初動期指揮心得(2013年3月)」(2015.03.09 防災格言)
高知県黒潮町「南海トラフ地震・津波の防災計画基本理念(2012年)」(2016.03.07 防災格言)
「津波避難のたすとひく」静岡県警の津波避難啓発標語(2014.11.10 防災格言)
昭和八年三月三日 大海嘯記念碑(大槌町 昭和9年建立)(2011.11.07 防災格言)
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書(2013年5月)(2013.06.24 防災格言)
イタリア トーレ・デル・グレコ市モットー(Torre del Greco’s motto)(2013.03.11 防災格言)
坂 茂 (建築家 プリツカー賞受賞(2014年))(2016.03.21 防災格言)
李登輝 (元・台湾総統)(2015.07.13 防災格言)
ケリー・シー (アメリカの地震学者)(2015.02.02 防災格言)
本間博彰 (児童精神科医・宮城県子ども総合センター所長)(2014.10.06 防災格言)
石原信雄 (官僚 元内閣官房副長官)(2013.10.21 防災格言)
丸茂湛祥 (日蓮宗僧侶)(2013.08.05 防災格言)
ワンガリ・マータイ (ケニアの環境保護活動家 ノーベル平和賞)(2013.04.22 防災格言)
谷川浩司 (将棋棋士 永世名人)(2013.03.04 防災格言)
堤清二(作家 辻井喬 元セゾングループ代表)(2013.12.02 防災格言)
伊集院静 (作家)(2012.02.27 防災格言)
都司嘉宣(地震学者)(2013.03.25 防災格言)
漫画家 やなせたかし(2017.03.13 防災格言)
脚本家 市川森一(2017.03.20 防災格言)
政府の中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会報告書(2012年3月)」より(2018.02.26 防災格言)
江崎玲於奈(1925~ / 横浜薬科大学学長 ノーベル物理学賞(1973年))(2018.03.19 防災格言)

 

<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

[このブログのキーワード]
防災格言,格言集,名言集,格言,名言,諺,哲学,思想,人生,癒し,豆知識,防災,災害,火事,震災,地震,危機管理
メルマガ登録バナー
E-mail
お名前
※メールアドレスと名前を入力し読者登録ボタンで購読

アーカイブ