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アルフレッド・W・クロスビー(アメリカの歴史学者)の新型インフルエンザ「スペイン風邪」パンデミックについて述べた著書『史上最悪のインフルエンザ』の名言 [今週の防災格言346]

time 2014/07/28

アルフレッド・W・クロスビー(アメリカの歴史学者)の新型インフルエンザ「スペイン風邪」パンデミックについて述べた著書『史上最悪のインフルエンザ』の名言 [今週の防災格言346]


『 今日では毎日何万人、年にして何百万人もが、肺に腸に手に髪に、病原性を持つものも含め多種多様の微生物を宿しながら音速とそう違わないスピードで海を渡っている。

いわば我々はみな航空機の座席で、空港のソファーで、世界の病気と互いの肘がつくような距離で隣り合わせに座っているといえる。 』

アルフレッド・W・クロスビー(1931~2018 / 歴史学者 テキサス大学名誉教授)

格言は1918年〜1919年にかけて世界中で5,000万人以上が亡くなったと推定される新型インフルエンザ「スペイン風邪」パンデミックについて述べた著書『史上最悪のインフルエンザ(西村秀一翻訳 みすず書房 2004年)』の「日本語版への序文」から。

尚、スペイン風邪は、日本では25万人以上(38万5000人とも)が命を落とし、アメリカでも50万人が亡くなっており、これらは人口比に換算すればほぼ同じといえる。

曰く―――。

1918年のころは、大海原を最も速く渡る手段は蒸気船だったが、それでもこの年のインフルエンザはたった数か月で世界中を駆け巡り、1年もしないうちにそれ以前にあったパンデミックや戦争での犠牲者の数をはるかに越える人々の命を奪っている。2003年の今日では毎日何万人、年にして何百万人もが、肺に腸に手に髪に、病原性を持つものも含め多種多様の微生物を宿しながら音速とそう違わないスピードで海を渡っている。いわば我々はみな航空機の座席で、空港のソファーで、世界の病気と互いの肘がつくような距離で隣り合わせに座っているといえる。つい最近登場してきたばかりで、一般の人にはSARS(重症急性呼吸器症候群)といった略語で窺い知るしかないウイルス性の感染症新型肺炎もそれらのひとつである。
《中略》
新型肺炎(SARS)の出現は、地球規模の感染症というものが、1918年にインフルエンザが出現したころとあいもかわらず人類にとって大きな脅威であることを示す結果となった。だが我々はこれに効果的に対応するためのさまざまな手段を持っている―――科学的、組織的、政治的そして財政的手段である。我々は1918年当時よりずっと多くの情報を手に入れつつもヒステリックにならずにこれを迎え撃つ準備を整えなければならない。この難問の解決はけっして容易なものではない。

アルフレッド・クロスビー(Alfred W. Crosby)は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン生まれの歴史学者。1952年、ハーバード大学を卒業後、米軍隊入りし1952年から1955年までパナマに駐留。1961年にボストン大学にて博士号を取得。ワシントン州立大学、テキサス大学をはじめ、イェール大学、ハワイ大学、フィンランドのヘルシンキ大学などで教鞭を執りつつ、研究に従事。1999年にテキサス大学を退任後、現在も精力的に研究・執筆活動を続けている。専門はアメリカ史、地政学、生態学的歴史学。アメリカ芸術科学アカデミー(AAAS)、米国哲学協会、フィンランド・アカデミーに所属。
2018年3月14日、米国のマサチューセッツ州ナンタケットにて死去。享年87。

Alfred W. Crosby (1931-2018)

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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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