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中井久夫(精神科医 神戸大学名誉教授 甲南大学名誉教授 文化功労者)が阪神淡路大震災の罹災体験を通じて得た防災対策についての名言 [今週の防災格言637]

time 2020/03/09

中井久夫(精神科医 神戸大学名誉教授 甲南大学名誉教授 文化功労者)が阪神淡路大震災の罹災体験を通じて得た防災対策についての名言 [今週の防災格言637]

『 阪神の経験で言えば、四〇~五〇日でやるべきことはやっておかないと、その後は頭が動かなくなる。一週間過ぎたらうまい食事をとらないと、精神的にも苦しくなる。 』

中井久夫(1934~ / 精神科医 神戸大学名誉教授 文化功労者)

格言は、東日本大震災直後の朝日新聞(2011(平成23)年3月15日朝刊)インタビュー『忘却こそ被災者の危機:「誰かいてくれる」」だけで意味』より。

曰く―――。

《 忘れられるのが最大の危機だと思う。阪神大震災の時は、各自治体の救援の車が見えただけでも心の支えになった。それから温かいご飯を、ゆっくりと休める場所。災害直後はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の予防にそれが一番重要になる。

それから阪神の経験で言えば、40~50日でやるべきことはやっておかないと、その後は頭が動かなくなる。第一次世界大戦の時、兵士が戦場に40~50日いると、限界がきて武器を投げ出したくなったという話がある。私も40日過ぎに、丸1日眠り続けた。

食事も大切だった。乾パンと水で持つのは2日、カップ麺で持つのは5日。1週間過ぎたらうまい食事をとらないと、精神的にも苦しくなる。 》

中井久夫(なかい ひさお)氏は、日本の精神病理学を代表する医学者で、心理療法でつかわれる風景構成法を考案し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とそのケアの必要性を日本に広めた人物として知られる。

神戸大学で阪神淡路大震災(1995年)を経験。震災直後、ただちに各大学の精神科医らと連携し被災者のメンタル・ヘルスに尽力し、後に被災者の精神的ケアを行う「兵庫県こころのケアセンター」所長(2004年~2007年)を務めた。

1934(昭和9)年1月16日、奈良県天理市生まれ。兵庫県宝塚市や伊丹市で育つ。1946(昭和21)年、旧制甲南高等学校尋常科に入学。甲南中学3年の14歳のとき、阪神間の畑の中で福井地震(M7.1 死者・行方不明者3,769人)の“結構な揺れ”を体験したという。
甲南高等学校を経て、1952(昭和27)年に京都大学法学部に入学するも結核のため休学。1955(昭和30)年、京都大学医学部医学科に転向し、1959(昭和34)年卒業。同年医師免許。1966(昭和41)年ウイルス研究で京都大学にて医学博士号。京都大学助手、病院勤務などを経て、1975(昭和50)年より名古屋市立大学医学部助教授、1980(昭和55)年神戸大学医学部教授。1997(平成9)年に神戸大学を退官し名誉教授、その後2004(平成16)年まで甲南大学文学部教授(名誉教授)。
文筆家としても著名で、主なエッセイ『記憶の肖像』(1992年)、『家族の深淵』(1995年 毎日出版文化賞)、『アリアドネからの糸』(1997年)。ギリシア詩翻訳『現代ギリシャ詩選』(1985年)、『リッツォス詩集 括弧』(1991年)でギリシャ国文学翻訳賞、『カヴァフィス全詩集』(1988年)では読売文学賞(研究・翻訳賞)受賞。ポール・バレリー著の翻訳『若きパルク 魅惑』(1995年)など著書多数。ほか、芸術療法学会賞(1985年)、文化功労者(2013年)。


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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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