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岡本行夫（1945～2020 / 外交評論家元外務省安全保障課長）の日本の危機管理システムの問題点についての名言 [今週の防災格言556]

time 2018/08/20

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岡本行夫（1945～2020 / 外交評論家元外務省安全保障課長）の日本の危機管理システムの問題点についての名言 [今週の防災格言556]

『大災害には通常の警察、消防では対応できず、軍の支援が必要だ。これは各国共通の常識だ。』

岡本行夫（1945～2020 / 外交評論家・実業家元外務省安全保障課長）

格言は阪神淡路震災直後の読売新聞「危機管理体制の危機<下>」（1995(平成7)年1月23日朝刊）記事より。

当時の社会党・久保亘（1929～2003年）書記長が、1995（平成7）年1月20日の記者会見で、日本の危機管理システムの問題点について「反省すべき点は直ちに改めておくことが大事だ」と力説したことを受け述べられた識者コメントから。

曰く―――。

《米国ではどんな種類、規模の災害にも対応する仕組みがあり、緊急管理庁の数千人の職員はふだんから計画作成や調整を行っている。

今回のような大災害には通常の警察、消防では対応できず、軍の支援が必要だ。これは各国共通の常識だ。

軍は緊急時の資器材を持っているし、国の外だけでなく、中の危機からも国民を守るためにある。ところが、日本では自衛隊は日陰者で、前面に出さない仕組みになっている。

また、緊急時には一日単位でなく、一分単位で対応すべきだ。日本の首相官邸には当直がないが、他の先進国の大統領府や首相官邸には、判断力を持ったスタッフが二十四時間、危機に備えている。

災害対策のオペレーションは手足のない国土庁では無理で、現行体制を直すべきだ。

非常時の国民の権利の制限も必要だ。自衛隊へのアレルギーも払拭しないといけない。》

岡本行夫（おかもとゆきお）氏は、元外交官で国際情勢や日本経済を専門とする外交評論家（元外務省安全保障課長）。コンサルタント会社「岡本アソシエイツ」代表。内閣総理大臣補佐官、内閣官房参与等を経て、2012年よりマサチューセッツ工科大学CISシニアフェロー。政府関係機関、企業への助言活動の他、講演、新聞、雑誌、TVなど幅広く活動されている。

1945（昭和20）年11月23日、農林省職員だった父のもと神奈川県に生まれる。藤沢市立鵠沼中学校、神奈川県立湘南高等学校を経て、1968（昭和43）年に一橋大学経済学部を卒業。同年、外務省入省。在エジプト日本国大使館一等書記官、在アメリカ合衆国日本国大使館参事官、北米局安全保障課長、北米第一課長などを歴任し、1991（平成3）年外務省を退官。その後、コンサルタントとして独立し、橋本内閣で内閣総理大臣補佐官（1996～1998年）、小渕内閣で科学技術庁参与（1998～2000年）、小泉内閣で内閣官房参与（2001～2003年）、内閣総理大臣補佐官（2003～2004年）、内閣総理大臣外交顧問（2004年）など政府要職を務め、福田康夫内閣の外交政策勉強会メンバー、東日本大震災後の復興庁復興推進委員会委員、安倍内閣の21世紀構想懇談会委員なども歴任した。
実業家としては2000（平成12）年にシリコンバレーにITベンチャーファンド会社「パシフィカ・ネオ・ベンチャーズ」を立ち上げ共同代表に就任したほか、アサヒビール取締役、三菱自動車監査役、三菱マテリアル取締役、日本郵船取締役、NTTデータ取締役などを歴任。他にも、立命館大学客員教授、東北大学特任教授、青山学院大学特別招聘教授、マサチューセッツ工科大学国際研究センターシニアフェローとして後進の指導にもあたっている。
新型コロナウイルスに感染し、2020（令和2）年4月24日に死去。74歳。