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阿久 悠が阪神淡路大震災の時に遺した格言(作家)[今週の防災格言288]

time 2013/06/17

阿久 悠が阪神淡路大震災の時に遺した格言(作家)[今週の防災格言288]


『 復旧も復興も、あの都市の崩壊の姿を見たら当然の主題であるが、復活も忘れてはならないだろう。 「活」である。「活」をよみがえらせること、特に、子供たちの心の復活について、すべての大人が考えてみなければならないと思う。 』

阿久 悠(1937〜2007 / 作家・作詞家 代表作「瀬戸内少年野球団」)

格言は阪神淡路震災直後に産経新聞(1995年3月14日夕刊)に寄稿した「傷ついた心の復活を」より。

曰く―――。

家や都市が壊れたと同じように、子供の心も壊れたに違いないのである。そして、それは、落ち着けば元に戻るとか、時間が経過すれば癒されるといった種類のものでないことは、ある世代から上の人たちは、あの第二次大戦下の空襲その他、また、その後の人生に於ける予期せぬ衝撃で、実感しているはずなのである。

地震自体に対する衝撃や恐怖、あるいは、生と死の実に酷薄なほどに単純な分岐、日常という居心地のいい環境の崩壊、どれをとっても、平常であることを条件に健やかであった子供の心は傷つく。また、自然にも怯える。自然は果てしないエネルギーを備えているものだ、それに比べて人間はと、一瞬にして知らされるのであるから、これも恐ろしいことになる。自然に対して謙虚というのは大人の思想であって、子供にとっては、もしかしたら、無力感だけが残るかもしれないのである。

それらに対してのケアは、いつの時点からか、かなり優先してやらなければならないかもしれない。心の復活はそのくらいに重大である。それは、やさしさだけでも、忘れさせるだけでもなく、自然との共存の中での人間の尊厳という、現代人がとうの昔に忘れ去った原点で闘わなければならないことであると、伝えつづけなければならないだろう。

阿久 悠(あく ゆう)氏は、兵庫県淡路島(洲本市)出身の作家。兵庫県立洲本高等学校卒業、明治大学文学部卒。広告代理店勤務を経て、放送作家として独立。1968(昭和43)年から作詞を始め、生涯に5,000曲以上を手がけ、尾崎紀世彦「また逢う日まで」、都はるみ「北の宿から」、沢田研二「勝手にしやがれ」、ピンク・レディー「UFO」、八代亜紀「雨の慕情」」など数々のヒット曲を送り出した。1978(昭和53)年『ゴリラの首の懸賞金』で作家デビュー。翌年の『瀬戸内少年野球団』が直木賞候補となる。1982(昭和57)年の『殺人狂時代 ユリエ』で第2回横溝正史ミステリ大賞受賞。1997(平成9)年、作詞家生活30周年を迎えるにあたり第45回菊池寛賞受賞。1999(平成11)年、紫綬褒章授与。2001(平成13)年から腎臓癌を患い、2007(平成19)年8月1日に尿管癌のため東京慈恵会医科大学附属病院で70歳で死去。死後に旭日小綬章。

■「阿久悠」氏に関連する防災格言内の記事
作家・伊集院静(2012.02.27 防災格言)
作家・藤本義一(2011.01.17 防災格言)

 

<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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