『 大事の思案は軽くすべし。 』
鍋島直茂(1538~1618 / 戦国武将・肥前佐賀藩祖)
格言は、山本常朝(やまもと じょうちょう / 1659〜1719)著『葉隠(享保元(1716)年)』聞書一より。
大事なことは数が少なく予想できるので、常日頃から詮議しておき、イザという時には軽く分別するべき、の意。 佐賀藩祖・鍋島直茂の教訓(御壁書)として『葉隠聞書』で紹介された言葉である。
曰く―――。
直茂公の御壁書に「大事の思案は輕くすべし」とあり。一鼎の註には「小事の思案は重くすべし」と致され候。凡そ大事と云ふは、二三箇條ならではあるまじく候。これは平生に詮議して見れば知れてゐることなり。これを前以て思案し置きて、大事の時取出して輕くする事と思はるゝなり。兼ては不覺悟にして、其の場に臨んで輕く分別する事も成り難く、圖に當る事不定なり。然れば兼て地盤を堅固に据ゑて置くが「大事の思案は輕くすべし。」と仰せられ候箇條の基と思はるゝ事なり。
鍋島直茂(なべしま なおしげ)は、重臣筆頭・軍師として肥前の戦国大名の龍造寺隆信(1529〜1584)に仕えた武将。天正12(1584)年「沖田畷(おきたなわて)の戦い(島津氏・有馬氏連合軍との島原半島での戦い)」で主君隆信が討ち死にすると、その遺児・政家の補佐役となった。豊臣秀吉の九州征伐を助け、その功により肥前佐賀藩の実権を握った。文禄・慶長の役では朝鮮に出陣、関ヶ原の合戦では徳川家康に与し立花宗茂を攻略、龍造寺本家断絶の後、直茂の嫡男・勝茂に龍造寺家の家督を引き継がせ名実共に佐賀藩35万7千石の藩祖となった。鍋島家佐賀藩は幕末明治維新を乗り切り、明治4(1871)年の廃藩置県により佐賀県となる。元和4(1618)年6月3日に81歳で病没。
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