『 われわれの間では財産を失い、また家を焼くことに、大きな悲しみを表す。日本人はこれらすべてのことに、表面はきわめて軽く過ごす。』
ルイス・フロイス(1532〜1597 / ポルトガル出身 イエズス会宣教師)
格言は著書『ヨーロッパ文化と日本文化(岡田章雄訳注 岩波文庫 1991年 ※原著”EUROPA E ESTA PROVINCIA DE JAPAO”は1585年出版)』より。
訳者で歴史学者の岡田章雄(1908〜1982 / 東京大学史料編纂所教授)氏は―――『 災害に対して悲痛を色に現わさないという日本人の性格は、よく外国人の記録に指摘されている。わが国は地震などの災害が多いために、そうした国民性が培われたとも考えられるが、同時にそこには多分に封建道徳の影響があるように思われる 』と注記されている。
ルイス・フロイス(Luis Frois)はイエズス会宣教師として長崎で生涯を終えるまでの35年間、日本での布教に努めた人物。16歳の時にイエズス会に入り、インドのゴアに渡り聖パウロ学院に入学、日本人パウロ・ヤジロー(フランシスコ・ザビエルの通訳者・薩摩武士)やフランシスコ・ザビエル(Francisco de Xavier / 1506-1552)と出会い日本への伝道を熱望する。永禄5(1562)年、パードレとして来日すると、はじめ北九州の伝道に当たり、命を受け京にのぼり永禄12(1569)に織田信長に謁し、その信任と保護を受けて畿内での布教活動に大きな成果を収めた。その後、豊後(九州)で活躍、天正9(1581)年、イエズス会巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの来日に際し通訳として安土城で信長に再び拝謁。信長亡き後は、天正14(1586)年に各地を巡り、大阪城で豊臣秀吉に謁し、歓待を受けたこともあったが翌天正15(1587)年に九州征伐、続いて伴天連追放令が発せられると畿内を去って加津佐を経て長崎に在住した。極めて筆まめな宣教師として多くの長文の報告書を残し、戦国時代研究の貴重な資料となる『日本史』を著わしたことでも知られる。
織田信長とルイス・フロイス via Wiki
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