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真木和泉(久留米藩士・尊皇攘夷派志士)が幽囚中に子孫へ宛て書いた名言 [今週の防災格言256]

time 2012/11/05

真木和泉(久留米藩士・尊皇攘夷派志士)が幽囚中に子孫へ宛て書いた名言 [今週の防災格言256]


『 天もまことにて天たり。地も誠にて地たり。天怒りて雷鳴電迸らいめいでんほうすれば、人も恐怖を起し天喜びて雲淡く風軽ければ、人も安眠を催す。又人楽しみて謳歌する時は、天も五風十雨ごふうじゅうう、気候時にしたがひ従い、人哀みて號泣号泣する時は、天も日月食し、彗星見え、種々の災害を顯はすあらわす。 』

真木和泉(1813~1864 / 幕末期の尊皇攘夷派の志士 天王山で自害)

真木和泉守保臣(まき いずみのかみ やすおみ)は、江戸時代後期の久留米藩士で、幕末に尊皇攘夷派の志士として活躍した人物。江戸幕府大老の井伊直弼(いい なおすけ)による「安政の大獄」により吉田松陰(よしだ しょういん)・橋本左内(はしもと さない)ら指導者を失った尊王攘夷派を牽引した。嘉永5(1852)年、蟄居を命じられて以降11年にわたって幽囚の身となり、文久2(1862)年、薩摩藩の島津久光公が公武合体運動推進のため兵を率い上京した際に、脱藩を画策するが寺田屋事件によって挫折、翌年に長州藩に下った。元治元(1864)年、長州藩が京都へ出兵を決めると、久坂玄瑞(くさか げんずい)、来島又兵衛(きじま またべえ)らと共に諸兵を率いるも禁門の変で敗退、7月21日(1864年8月22日)天王山で自刃した。

格言は、文久元(1861)年秋、幽囚中に子孫へ宛てた教訓「何傷録」より。

以下に「何傷録(文久元年(1861)秋9月)」を抜粋します。

◎「何傷録(文久元年(1861)秋9月)」

天も誠(まこと)にて天たり。地も誠にて地たり。日月・星辰(じつげつせいしん)の運び、四時のうつりかはる(移り換る)も誠なり。

山岳・河海(さんがくかいい)の安然たるも洋乎(ようこ=ひろびろと、のびのびとした様)たるも誠なり。

両間(りょうかん)に生々死々(せいせいしし)するもの皆一つの誠にてする事なり。

草木の華(はな)さき實(実る)るも、鳥獣の走り鳴(なく)も亦(又)誠なり。

人の生(うま)る固(もと)より誠なり。其(その)知覚運動(ちかくうんどう)する、目(め)の物を照(てら)し、耳(みみ)の声(こえ)を聞く、すべて誠なり。

如此(かくのごとく)誠の中(うち)に生活して、誠の中に行立(こうりつ)するもの(者)なれば、君臣(くんしん)となり、父子(ふし)となり、兄弟(けいてい)となり、夫婦となり、朋友(ほうゆう)となる、親・義・別・序・信(しんぎべつじょしん)の道(みち)、いがてか(いかでか)虚(きょ)にて行(おこな)ふべき、かならず(必ず)一筋の誠にて為(な)すべきこと(事)なり。

わづかに其間(そのあいだ)に私欲まじれば、きず付(つ)きて、誠ならず。

誠ならねば虚にて、感動する事なく、親・義・別・序・信もすべて(総て)名のみとなるなり(成る也)。

萬(よろず)の事誠なければならず、よろしき酒も、水を雑(まぜ)ふれば、下戸(げこ)も不酔(よわず)。

あしき酒にても、醇(じゅん)なれば、上戸(じょうご)も酩酊(めいてい)に至(いた)るが如し。

中庸に、誠なければ物なしといへる道理にて、なに事にても誠實(実)の心なければ、たとひ其事なりたりとも、ならざるが如し。固(もと)よりなるべき道理もなし。

さて誠は天地・萬物の差別なく、同じ誠なり。

況んや人は天地人三才とて、天地にさしつづきての人なれば、誠といひても、万物よりは一入醇粹(じゅんすい=純粋)にあるべき道理なり。

されば人の誠は萬物の誠よりも、天地に威通し易し。

孟宗(もうそう=中国故事)が雪中に竹孫を得、某が醴(あまざけ・ライ)泉を得たるなど、彼是と理窟を付けて疑ふ人もあれど、さにあらず。

一筋の誠天地を威動して、自然と竹孫もはえ、泉も湧き出でたるなり。

人は小天地とて、人の誠は天地の誠と同一物にて、糸のつづきたる様に、こなたを引けば、かなたにも動き、かなたより引けば、こなたも動くものなり。

天怒りて雷鳴電迸(でんほう)すれば、人も恐怖を起し天喜びて雲淡く風軽ければ、人も安眠を催す。

又人楽しみて謳歌する時は、天も五風十雨、気候時にしたがひ、人哀みて號泣(号泣)する時は、天も日月食し、彗星見え、種々の災害を顯(あらわす)はす。

是水動けば魚驚く道理とおなじことなり。

されば人たるものは只一片の實心にて實事を行ふべき事なり。家内日用瑣末(さまつ)の事にても、かならず虚偽をおもはず、虚偽をいはず、虚偽をせず。

二六時中の間、始・中・終の事、上につかふるにも、下に交はるにも、只此心得を肝要と思ふべし。

末の世となりては、狡黠(狡猾)なるものもおほく(多く)、實心(実心)なるものを愚昧の様にいひおとし(落し)、或は嘲奔するものあれど、左様の人は必ず天地よりも棄てられし人なれば、得失を論ずるにたらず。

彼是と論ずれば、却て吾の誠に疵付くものなれば、臭きものをよきて通る様に、吾より避くべき事なり。



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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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