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神戸市長田区出身のプロゴルファー・古市忠夫（1940～ / 阪神淡路大震災で罹災）の名言 [今週の防災格言602]

time 2019/07/08

『ぼやいたり言い訳したらあきまへん』

古市忠夫（1940～ / プロゴルファー兵庫県神戸市長田区出身）

格言は、日本経済新聞朝刊（1998年8月3日）の連載「明日に伝える震災そして今第7部①：語り部たち」より。
阪神淡路震災から三年半。震災の記憶が薄らぐなか、風化に立ち向かう様々な営みを追った連載記事から。

曰く―――。

一九九五年一月十七日午前五時四十六分。
この時刻は生涯忘れません。
震災で自宅と経営していた写真店が全焼。
失わなかったのは命だけ、だった。
自宅の裏が燃え始め、前の家は将棋倒し。
十メートル以上の火柱が上がり、
死に物狂いで救助にあたった。
隣人たちとの連携で二日間に十一人を救助した。
この体験から、「まず地域でよく遊ぶこと」と日常のつながりの大切さや、水の重要性などを訴えることも忘れない。

… … …

古市忠夫（ふるいちただお）氏は、1940（昭和15）年9月22日、兵庫県神戸市長田区生まれのプロゴルファー。
54歳のとき阪神淡路震災に遭い、自宅と仕事と友人そして全財産を失ったが、その後、60歳でプロゴルファーとなった。
「還暦ルーキー」のゴルフインストラクターとして活動しながら、阪神淡路震災の体験をもとに講演・著述活動を続けている人物。

兵庫県立星陵高等学校を経て、立命館大学経済学部を卒業後、長田区の鷹取商店街で「東洋カメラ店」を経営し、地元消防団の副団長を務めていた。1995（平成7）年の阪神淡路震災では大火災で鷹取地区は全滅、古市の自宅と店舗も全焼する。

震災直後から、自治会や消防団、神戸市区画整理審議委員会の活動を続けながら、趣味のゴルフで身を立てる決意をし、2年後の1997（平成9）年にシニアプロに合格、自宅の再建も果たす。
2000（平成12）年、史上二番目の年長記録となる59歳11ヶ月でプロゴルフ協会（PGA）のプロテストに合格。60歳の誕生日を迎えた直後に、PGA史上最高齢のゴルフインストラクター資格も取得。
数多くのメディアから注目され、平山譲のルポルタージュ小説「還暦ルーキー」で紹介、後に漫画連載された。2006（平成18）年には古市の半生を綴った映画「ありがとう」（監督：万田邦敏、古市役に俳優の赤井英和）が東映系で公開された。

震災から4ヵ月後となる1995（平成7）年5月、大火のあった地域の消防団員として初の講演依頼があり、