『 禍に臨みて憂を忘るれば、憂必ず之に及ばん。 』
( 臨禍忘憂、憂必及之 )
左丘明(生没年不詳 紀元前480年頃 / 中国故事の春秋左氏伝の著者)
《 災難に直面していながら、やがてくる憂いを危惧しないでいると、きっとその憂いが現実のものとなる 》の意味。
孔子の著書「春秋」の注釈書「春秋左氏伝」の荘公二十年(紀元前674年)の項より。
紀元前677年、父王が崩御し後を継いだ恵王(周朝の第17代王)は、国人の不満を引き起こしたため叛乱が起り国を追われ、鄭(現・禹州市)へと出奔した。鄭伯(ていはく)と虢公(かくこう)は恵王を支持し、首都奪回の準備を進めるなか、虢公(かくこう)が述べた言葉。

虢宣公
■「春秋左氏伝」等の中国故事に関連する防災格言内の記事
安きにありて危うきを思う(居安思危)備えあれば憂いなし(有備無患)(2008.11.10 防災格言)
事予めすれば則ち立ち、予めせざれば則ち廃す(事予則立、不予則廃)(2016.09.26 防災格言)
禍に臨みて憂を忘るれば、憂必ず之に及ばん。(臨禍忘憂、憂必及之)(2016.6.6 防災格言)
易経 繋辞下伝「安くして危うきを忘れず(安而不忘危)」(2009.11.9 防災格言)
孔子:「人、遠慮なければ、必ず近憂あり(無遠慮、必有近憂)」(2009.1.12 防災格言)
孔子:苛政猛於虎也(苛政は虎より猛なり)(2005.4.13 店長コラム)
天下の禍は、多くは隠れて成りて卒に至り~(呂新吾『呻吟語』より)(2013.04.15 防災格言)
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禍至って後懼るるは、是れ誠に知らず(禍至後懼、是誠不知)(柳宗元『誡懼箴』より)(2015.12.28 防災格言)
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荀子「福は禍の無きより長なるは莫し。」(福莫長於無禍)(2018.05.14 防災格言)
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積善の家には必ず余慶あり(積善之家必有餘慶)、積不善の家には必ず余殃あり(積不善之家必有餘殃)。『易経』坤・文言伝より(2018.10.22 防災格言)
孟子・公孫丑篇上「飢える者は食をなし易く、渇する者は飲をなし易し(飢者易為食、渇者易為飲)」(2019.02.04 防災格言)
洪応明「菜根譚」より「天の機緘は測られず。抑えては伸べ、伸べては抑え、皆是れ英雄を播弄し、豪傑を顛倒する処なり。君子は只是れ、逆に来たらば順に受け、安きに居りて危うきを思うのみ。天も亦其の伎倆を用うる所無し。」(2019.07.01 防災格言)
<防災格言編集主幹 平井 拝>
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