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準備を怠らないように戒めた中国古典『国語:周語中』の名言(先秦時代・紀元前500年前後) [今週の防災格言612]

time 2019/09/16

準備を怠らないように戒めた中国古典『国語:周語中』の名言(先秦時代・紀元前500年前後) [今週の防災格言612]

あめわりてみちはらい、みずれてはしす。 』

” 雨畢而除道、水涸而成梁。”

中国古典『国語』周語中より。先秦時代(紀元前500年前後)

曰く―――。

あめわりてみちはらい、
みずれてはしす。
草木くさきふしけてくらそなえ、
しもおとして冬裘とうきゅう=冬の衣そなえ、
清風せいふういたりて城郭宮室じょうかくきゅうしつおさむ。

(雨畢而除道、水涸而成梁。草木節解而備藏、隕霜而冬裘具、清風至而修城郭宮室。)

雨の時期が終わって道をきれいにし、水が涸れてから橋をつくる。穀物を取り入れてから備蓄し、冬の初めに冬服の用意をし、危険のないときに城の内外を修繕する。

つまり、万事、物事というのは先の準備を怠らぬようにしなければならない、ことを説いたものである。

『国語(こくご)』は、中国春秋時代の八ヶ国の歴史を国別に記した歴史書。孔子の弟子とも伝えられる魯の太史・左丘明(さきゅうめい)の著とも言われているが未詳で、古くから「春秋左氏伝」の「外伝」とする説がある。

左丘明

■「左丘明」「中国古典」「故事成語」に関連する防災格言内の記事
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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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