『 雨畢わりて道を除い、水涸れて梁を成す。 』
” 雨畢而除道、水涸而成梁。”
中国古典『国語』周語中より。先秦時代(紀元前500年前後)
曰く―――。
雨畢わりて道を除い、
水涸れて梁を成す。
草木節解けて蔵に備え、
霜を隕して冬裘を具え、
清風に至りて城郭宮室を修む。
(雨畢而除道、水涸而成梁。草木節解而備藏、隕霜而冬裘具、清風至而修城郭宮室。)
雨の時期が終わって道をきれいにし、水が涸れてから橋をつくる。穀物を取り入れてから備蓄し、冬の初めに冬服の用意をし、危険のないときに城の内外を修繕する。
つまり、万事、物事というのは先の準備を怠らぬようにしなければならない、ことを説いたものである。
『国語(こくご)』は、中国春秋時代の八ヶ国の歴史を国別に記した歴史書。孔子の弟子とも伝えられる魯の太史・左丘明(さきゅうめい)の著とも言われているが未詳で、古くから「春秋左氏伝」の「外伝」とする説がある。
左丘明
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<防災格言編集主幹 平井 拝>
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