『 安居なきに非ず、我に安心なきなり。(比無安居也、我無安心也) 』
墨子(BC470頃~BC390頃 / 中国の思想家 諸子百家「墨家」の始祖)
口語訳「 安心して居られる場所が無いのではなく、心を安らかにする術を知らないから安居できないのだ。」
足財なきにあらざるなり、われに足心なきなり。(非無足財也、我無足心也)
(財産が足り無いのではなく、足るを知るを心得ていないのだ。)
――と続く。格言は『墨子』巻一『親士』より。
中国大陸で秦、韓、趙、魏、楚、燕、斉などが相争った春秋戦国時代に、博愛・非戦・専守防衛を唱えた史上最大の武装思想家集団が墨子(ぼくし)が興した墨家(ぼっか)である。孔子や孟子、韓非子らの儒者が活躍した同時代に儒家と思想界を二分するほどの巨大勢力を誇った墨家集団は、秦の始皇帝による中華統一を境にして、突如として歴史から忽然と消えてしまう。そのため、始祖・墨子についても、魯に生まれ宋に仕えたということ以外、生没年をはじめ、その生涯について不明点が多い。しかし、墨子の思想は、墨家集団消滅から約2,000年の時を経た清朝末期になって再評価されることとなる。
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