編集部では読者アンケート調査「教えて!あなたの家の防災対策」(※回答募集中)を実施して、日頃から行っている災害対策についてのご意見を広く募集しました。たくさんのご回答の中から、皆さまにとって有益で参考になるご意見を毎週ピックアップしてご紹介してまいります。今週は、東海地方にお住いの R さんのコメントをご紹介します。
■ 教えて!あなたの家の防災対策 アンケート ■
【回答 No.46】R 様(50歳代・女性)
【回答 No.46】R 様(50歳代・女性)
[回答者名] | |
R 様 |
[性別 ・ 年齢 ・ 居住地域 ・ 世帯人数] | |
女性 / 50~59歳代 / 東海地方(静岡、愛知、岐阜、三重) / 2人暮らし |
[居住環境] | |
[想定している災害] | |
[アンケート回答]
地震と液状化現象、豪雨時の浸水も怖い。
尾張平野で土地が低く平らだが、その中でも2000年の東海豪雨時に浸水しなかった所を選び、地盤に杭を打って家を建てた。
水は買い置き3ケースの他に、毎日カラの2リットルペットボトル×6本に汲んで順番に使っている。
他に洗い物用水の20リットルタンクにも水を入れ時々交換している。
食品は缶詰・乾麺・乾物・菓子を中心にローリングストック。
100円均一のLED懐中電灯を家のあちこちに置き、乾電池・マスクは大量ストック。
LED懐中電灯は懐中電灯と蛍光灯みたいなので切り替えが出来て、その蛍光灯がかなり明るくて良い。
子供が受験生の時に町内で停電が起きたが、それで勉強が出来た。
コメントを読んでいて、Rさんは、過去の災害などのご経験を踏まえて、非常に細やかな対策を色々とやられていらっしゃる様に思われました。
様々な防災の工夫やアイデアをお持ちのようにも感じましたので、もっとお話を伺いたいと思いました。
他にも思いつかれたこと、実践されている防災がありましたら、ぜひ、再度のアンケートにてコメントをお寄せください。
●防災の基本を押さえた対策を…
尾張平野(木曽川左岸)にお住いとのことで、恐らく、愛知県(尾張)北西部の名古屋の近隣にお住いなのだと思いますが、2000年の東海豪雨で浸水しなかった土地を選び(豪雨対策)、地盤に杭を打って(地震対策)、自宅を建てられています。
過去の災害教訓から学んで対策をされるという「備えの基本」がしっかりできています。
これは、考え方として、皆さんも是非真似てやるべきことです。
また、防災の基本として、災害にどのくらい遭うのかというリスクで考えた場合、防災用品を選ぶよりも、まず初めに、どの土地を選び住むのかが優先事項となります。
こちらも、きちんと基本を踏まえ、自分たちで土地を考えてから、家を建てられていらっしゃいます。凄いですね。
ただ、こういう過去の教訓などを基にするのは、分っていてもやらない人が多い、という難しい事柄です。
例えば、外から見えない家の基礎に杭を打つ、にもコストがかかります。ですから徹底も難しいのですね。
…余談になりますが、2000年の東海豪雨の際に、庄内川と新川に挟まれた西枇杷島町に伺いましたが、町の庁舎の2階・3階くらいまで浸水した様子をみてただ驚いたことを覚えています。
この当時、まだ「ハザードマップ」が無かった時代でした。
この東海豪雨などを契機に、その後、厚労省がたいへん頑張り、2001年の改正水防法(15条3項)で洪水ハザードマップの作成が義務づけられました。
これまでは土地という個人の財産(ハザードマップでリスクの高い土地の価値が下がるなどの問題)に関わるとして洪水ハザードマップの公表に及び腰だった行政も、「命の問題」と認識して「土地のリスク」を国民に知らせるべきだと考え方へと大きく舵が切られる契機になりました。
政府(厚労省)の英断ですね。
●水の備え
水は買い置き3ケースの他に、毎日カラの2リットルペットボトル×6本に汲んで順番に使っている。
他に洗い物用水の20リットルタンクにも水を入れ時々交換している。
水についての備えがとても充実しています。恐らく、東海豪雨の水害で飲料水などに難儀されたご経験があるのではないかと推察します。
買い置きの3ケースの水は「36リットル」です。
それ以外に、空のペットボトル容器6本「12リットル」に毎日水を汲んで使うという生活習慣にされています。
そのため、飲料水は合計で「最低48リットル」が毎日確保されていることになります。
たいへん素晴らしいですね。
解説すると、災害のための物資の備え方には、主に3つの方法があります。
①備蓄する、②物資を切らさないようにする(物資を余分に貯めておく、ローリングストック法など)、③自分で作る、の3つです。
買い置きの飲料水は①備蓄した水で、空のペットボトル容器に毎日水を汲んで使うは②ローリングストックの飲料水ということになります。災害時に断水する可能性がある水道を直接使わずに、常にいったん貯めてから飲料水を利用するという工夫を日常生活でされています。こうすることで、災害対策を意識せずに、自然と毎日一定の飲料水が確保されることになるのですね。
そして、備えとして、①②の両方をやられているのが、とても凄いことです。
危険を分散させるという危機管理の基本で、どちらか一方がダメになっても、もう一方が無事ならば最低限の水の確保が可能という考え方です。
尚、飲料水の場合の③は何かというと、浄水器などで自分で水を作る、井戸を掘る、などの方法のことです。
Rさんがさらに凄いのが、飲料水と分けて、生活用水用(洗いもの用)として20リットルの水を別に貯水している点ですね。別に用意する…対策として完璧ですね。
どんなタンクをお使いなのか少し気になりますが、恐らく、普通の20リットル・ポリタンクだと思います。
●食料の備え
食品は缶詰・乾麺・乾物・菓子を中心にローリングストック。
老婆心ながら、ローリングストックだけだと長期間続く災害に対しては脆弱(ストックが続かない)ですので、飲料水のときと同じように、食料についても備蓄とローリングストックを両立すると良いかとは思いました。
●100均防災
100円均一のLED懐中電灯を家のあちこちに置き、乾電池・マスクは大量ストック。
LED懐中電灯は懐中電灯と蛍光灯みたいなので切り替えが出来て、その蛍光灯がかなり明るくて良い。
懐中電灯を自宅の各部屋に置いている、という点がとても良いですね。
各部屋に備えることにより、必要なときに、必要な分だけ道具が行き渡って、そして直ぐに使えるという点で素晴らしいです。
ぜひ参考にしたい備え方だと思います。
こちらも多少の老婆心となりますが、100円均一の製品がどこまで持つか(保存性能・耐久性)という不安もありますので、信頼できる製品を1本だけでも備えておかれると良いかもしれません。
また、乾電池(電気)は時間の経過とともに容量が減っていきます。値段が高い10年保存電池であっても、10年後には新品時から70%程度まで容量は減っていると考えた方が良いです。電池は長期保存に適さないことを認識して、常に新しくするように管理されると良いかと思いました。
●停電の経験
子供が受験生の時に町内で停電が起きたが、それで勉強が出来た。
良いご経験ですね。
そういう時に使えることが、災害時にも使える、という証明にもなりますね。
・給水用のポリタンク:5L~20L程度
ポリタンクに水を汲んだ場合、20リットルなら20kgという具合に、タンク容量がそのまま重量となります。災害時に持ち運べる工夫(キャリーカートを用意したり等)も併せて考えましょう。参考例として、アウトドアメーカーのキャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)製ポリタンク「ボルディー ウォータータンク 抗菌タイプ M-9542(10リットル)」は税込1,273円
URL:https://amzn.to/3qw5oP5 [amazon.co.jp]
―――さて、
アンケートは引き続き回答を募集しております。
皆様のご協力をお願いいたします。
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