南海トラフ地震津波への備え、在宅酸素療法中の家族と暮らす海沿いの家 ～ 高知県の m.h さん（40代女性）の災害対策【わたしの防災対策#30】

が、自分自身が特定疾患の持病持ちなので、世間的には要救援者になるのかもしれません。

持病をお持ちであれば、病気を自分事として捉え、もし災害となったときに何でその時に困るのか？、を知ることが必要かと存じます。
とくに、持病の“薬”は、手に入らないかもしれない、と想定することも大切です。
災害時でなくても、日常で、例えば山奥の登山といった、薬が簡単に手に入らない場所へと行く可能性もありますので、命にかかわる持病の薬（例えば高血圧など）がある場合は、薬を持ち歩くなどの対策に必要でしょう。

●災害想定

西日本豪雨の際も我が家は被害はありませんでした。

被害が無かったことを「知っている」というのが大切ですね。

何故自分に被害がなかったか？…というのをある程度知っておくことは、自助防災（自分の身を自分で守る）のために必要です。
例えば、自宅の住居の周りの土地に山や崖や盛り土などがなく、ハザードマップでも大丈夫となっていた、だから（西日本豪雨でも）被害がなかったのだ、といったようなことです。
これを知っておくと、自分の災害想定＝自分はどんな災害に遭う可能性があるのか？ を想定することができます。そうすることで、想定した災害に対する対策も取りやすくなります。

●大手メーカーの鉄骨造

自宅は築35年になりますが特殊基礎・大手メーカーの耐震構造鉄骨造（阪神淡路大震災でも倒壊無しだったそうです）ですし、メーカーの担当の方が定期的に診断に来て下さり、メンテナンスもしています。

自宅が強固で、メンテナンスも保証されていると安心できますね。
ところで、へーベルハウス（旭化成ホームズ）ですか？

アンケート回答では、皆さんハウスメーカーや防災グッズの商品名を明言いただけないのですが、情報シェアが目的のアンケートとなりますので遠慮なくお知らせ頂けると嬉しいです。

余談となりますが、災害に強い家というと、皆さん、どこのハウスメーカーを思い浮かべるのでしょうか、気になります。
前回のコメントではスウェーデンハウスでしたし、最近だと、台風18号に伴う豪雨で、茨城県常総市の鬼怒川が決壊（2015年）した際に、濁流に流されなかったへーベルハウスの一軒家が話題になりましたね。
ご参考までに当方（編集主幹）の自宅は大和ハウスの軽量鉄骨造の中古戸建てだったのですが、このハウスメーカーなので選んだ訳ではなく、耐震等級3（建築基準の1.5倍の構造計算上の強度）以上という選び方で当時は家を探していました。

●要介護と備蓄

在宅酸素療法中の要介護者が居ましたので津波の時でも基本在宅避難になるかと、食糧や水、日用品（非常用トイレ・カセットガスコンロ・医薬品に乾電池等）はローリングストックで普段から多めに用意しています。

御母堂様について詳しくお話いただきまありがとうございます。

「介護が必要だから」「避難は無理だ」「だんだん動けなくなってきたから買い物に行けなくなる」などとして用意していきますので、ストックというものはだんだん増えていくものですよね。

●津波避難タワーへの避難について

自分自身も持病持ちなため、家のすぐ裏手（直線距離的に30ｍくらい）に津波避難タワーがあるのですが、津波がくるような大きな地震の後にどれくらい動けるかもわからないので、在宅避難用の備えも併せて継続していきます。

疾患次第ではありますが“避難訓練”を経験されておかれることが必要かと思います。
訓練の目的は、どれくらい自分が動けるかを知っておく、ということになります。
もし動けないのなら、市役所などに相談（私は津波避難タワーまで行けません…等々）して、誰かに運んでもらうように予め頼んでおくなどの事前対策を取ることが必要となります。

また、南海トラフ巨大地震津波を想定され、海にほど近い一軒家にお住いで「在宅避難」を中心にお考えですが、家に避難できれば、ご自宅に津波が来ない、と言い切れるのかどうかをご心配します。備蓄品の保管は“二階の高いところに”されていらっしゃる様ですが、こちらも含めて、改めてハザードマップ等を確認されておかれるのが良いかと思います。

参考資料
■高知県 > ハザードマップ
https://bousaimap.pref.kochi.lg.jp/hazmapkochi/hazmap/

■高知県 > 高知県の防災マップ
https://bousaimap.pref.kochi.lg.jp/hazmapkochi/kochike/

●準備

在宅時に被災するとは限らないので…

その通りですね。災害はいつどこで起るか分かりませんので、自宅以外の備えもある程度は必要です。
薬を持ち歩いていらっしゃる点はさすがですね。

防災グッズも、複数（３台）の電池・バッテリー＋ソーラー充電、複数の電灯（明かり）、転倒防止（家具固定）、ガラス飛散防止、とできることをきちんとされていらっしゃいます。素晴らしいですね。

●靴を壁にかけておくというアイデア

寝室の枕元には手提げ袋に入れて靴を壁にかけています。

普通は床に置いておくという人が多い中で、靴をかけておく、というのはとても面白い、良い工夫ですね。

●保存水など飲み物

水はペットボトルで2リットルを4ケースと持って飲むには重いだろうから500ミリリットルを2ケース（計72リットル分）、お茶やジュース等も用意しています。災害時は生の野菜が手に入りにくいでしょうから、乾燥野菜や野菜ジュース・ビタミン剤も用意しています。

72リットル超であれば、必要な水分を一人1日3リットルと仮定して、2人で12日分となりますので、十分ですね。
2リットルと500ミリリットルのペットボトル併用は、自宅避難と屋外避難の両方を考えた備えにもなりますので、とても良いですね。

●乾燥野菜
乾燥野菜は、長期保存が言うほどできません。だいたい1週間～1か月程度の保存期間となります。きちんと包装されたパッケージの製品だと半年～1年ほどでしょうか。

●ビタミン剤も用意
サバイバルフーズ・サプリメントもよろしくお願い致します。

●食糧

サバイバルフーズ小缶と缶詰のパンや水戻りきな粉餅、アルファ化米等非常食は珍しい物を見かけたらつい買ってしまってます。

サバイバルフーズ、ありがとうございます。
“ついつい買ってしまう”…私もそうですが、防災がお好きなんですね。
良い事だと思います。すでにやられていることだと思いますが、備蓄用の食べ物は、必ず試食をされて、自分が食べて美味しいと思うモノを中心に備えて行ってください。

●トイレ

非常用トイレ凝固剤は30個。

30回分はちょっと少ないかな、と思いました。
人はだいたい1日で8回くらいトイレに行きますので、1回分の凝固剤を複数回のトイレ処理に使ったとしても、一人１日数個あった方が安心かなと思います。

●介護用品は災害時にも役立つ

要介護者がいたのでポータブルトイレや消臭袋、大人用のおむつやパッドに身体拭き用ウェットシートもあります。昔ペットもいたのでペットシーツも大量にストックがあります。水のいらないシャンプーや洗口液に歯磨きシート等、介護用品は災害時にも役立つと思います。

災害時に歯磨きができないのは健康を損ないますので、指サックで歯磨きをする介護グッズや、ペーパー歯磨きなど、こういう介護で使われる道具は良いアドバイスです。
セイショップで取り扱っているトイレ処理剤（ほっ！トイレタブレット）も、もともと介護現場で活躍しているものですので、その通りだと思います。

●夏と冬の非常袋の入れ替え

非常持ち出し袋の中身を夏と冬で入れ替えるようにしています。
冬は寒さ対策としてカイロや防寒用の衣類等。夏は冷却剤やウェットシートに着替え用のシャツ等、暑さ対策以外にも衛生対策も必要です。

凄いですね。
夏と冬の防災は違いますし、やっぱり非常用持ち出し袋の中身には無駄が多いものなので、入れ替えすることは割と重要ですね。
また、袋の中身の入れ替えは、防災グッズの点検にもなるという利点もあります。

災害用消臭下着デオエストという銀イオン生地で編まれたユニークな匂わない下着という日本製製品もありますので、衛生対策に是非。

●普段の備え

普段から色々備えていたおかげで、コロナ禍の初期にマスクやアルコール不足だった時も、アルコールもマスクもストックしてあったので助かりました。

共感します。
平和な時には、まさかマスクが手に入らなくなるとは、なんて思うことも考えることもありません。
最初から余分に持っていたら、そんな心配をすることすらありません。
平時からのストックのおかげで緊急時に助かった、というのは、まさに防災・危機管理の理想です。
我が家（編集主幹）もマスクがたくさんストックしてあったので、コロナでも困ることがありませんでした。