編集部では読者アンケート調査「教えて!あなたの家の防災対策」(※現在開催中)を実施して、日頃から行っている災害対策についてのご意見を広く募集しました。たくさんのご回答の中から、皆さまにとって有益で参考になるご意見を毎週ピックアップしてご紹介してまいります。本日は、都心(東京都23区内)の二世帯住宅にお住いの匿名さんの災害対策をご紹介します。
■ 教えて!あなたの家の防災対策 アンケート ■
【回答 No.06】東京都23区 匿名 様(60歳代・男性)
【回答 No.06】東京都23区 匿名 様(60歳代・男性)
[回答者名] | |
匿名希望 様 |
[性別 ・ 年齢 ・ 居住地域 ・ 世帯人数] | |
男性 / 60~69歳代 / 関東地方 / 5人暮らし(2世帯住宅) |
[居住環境] | |
[想定している災害] | |
(火山灰が降る等のケースはあまり考えてこなかった) |
[アンケート回答]
・首都圏(東京都23区)の住宅街高台3階建て2世帯住宅に家族4人(もう一方の世帯は1人)で住んでいます。
・家屋の基礎(1階)部分は5階建て仕様なので耐震性はあると考えますが、その上の構造は若干心配。
・水害については、浸水想定区域ではないため自宅避難を中心に備えを想定しています。
・家族は全員健常者。
・主に地震を想定し非常食・保存水などを中心に家族で1か月分(1人90食)を備えています。
・停電を考慮して大容量バッテリを備蓄
・携帯用コンロなどは買い求めたが燃料的には長期間は持たない。
・課題は、発災時に家族が自宅にいるとは限らないという点と、備蓄した食料などの期限管理(買い替えをつい忘れる)
・食糧はサバイバルフーズ(大缶8ケース=480食、家族5人30日分)を中心に買い置きしています。
・水は保存水(約96リットル)備蓄。
・トイレ処理剤
・携帯用バーナー、バイオライト、安全マッチ、レトルト加熱用の水を沸かす薬剤
・非常用電池(エイターナス)、太陽光発電パネル
・携帯用ランタン、懐中電灯
・マスク(不織布およびN95合わせて400枚程度)
●お住いを“高台”にして“浸水想定区域で無い”ことから“自宅避難を中心に(水害の想定は無い)備えをしている”という点がポイントで素晴らしいです。
この様なロジックは、今後住むところを選ぶ人への良いアドバイスになります。
解説になりますが、防災上は、災害が発生する恐れのある危険な場所を選ばない、ということが大切です。住居は、家族が一番長い時間すごす場所で、災害の多くは自宅にいる時間に被災する可能性が高いことになるからです。
また、BCP(災害時の事業継続)の基本は、まず初めにBIA(ビジネスインパクト分析)という「何に備えるか?」を分析することから始まります。自分で分析してそれに備える、ということは今からでも遅くありませんので、考え方として多くの人も参考にしましょう。
2世帯住宅に家族4人(もう一方の世帯は1人)で住んでいます
家族は全員健常者
もう一方の世帯はお一人でお住いとのことですが、ご両親のどちらかが居住されているということでしょうか。
そうすると年齢的には、親の介護についても考えていかないといかないのかもしれません。
家屋の基礎(1階)部分は5階建て仕様なので耐震性はあると考えますが、その上の構造は若干心配
「基礎を五階建て仕様にする」とは、どのような建物構造なのか分かりませんでした。あくまでも私の想像ですが、家の基礎工事を、地盤や構造計算などから五階建て相当の建物でも相応の耐震性能を求めて特別な発注をされたのでしょうか…。家を建てる際に、そのようなことが出来るんですね。
たいへん感心しました。
余談ですが“その上の構造が若干心配”とありましたが、日本の建築基準における耐震強度の指数(1.0)はたいへん厳格に設定されているらしいので、あくまでも個人的な見解ですが、そう心配するようなことはない気がしました。
●非常食・保存水
家族で1か月分(1人90食)を備えています。
かつて1978年当時、弊社では“1人90食分(1か月)”の食料備蓄を推奨していました。現在でも一般的な防災では“最低3日分(1人9食)”で良いとされているところ、1ヶ月分を想定されているのはたいへん素晴らしいですね。
●バッテリー(蓄電池など)
停電を考慮して大容量バッテリを備蓄
過去にご紹介した方々も含め、皆さん“電気”の確保をきちんと考えていらっしゃいます。
今では、携帯通信(スマートフォン等)は生活にかかせない道具となり、災害時の情報・通信の手段としても重要度の高い道具となっています。そのため停電時にこれらの電源をいかに確保すべきかは死活問題と言えそうです。蓄電池や予備バッテリー等により、少なくともスマホ数日分の電源は備えておきたいものですね。
携帯用コンロなどは買い求めたが燃料的には長期間は持たない。
カセットこんろのガスを調理にだけ使用すると考えた場合、カセット1本で、最大約1時間(3.5Kw 3000K)持ちます。また熱伝導効率の良い素材でできた鍋とかクッカーを使えば、ガスの消費を更に抑えられます。
イワタニさんのページのシミュレーションで調べると、大人2人で調理に使うだけならば、1日1本(1日3食2人分で0.6本~0.7本くらいの消費となる)で十分のようです。
カセットボンベの使用期限は「7年以内(40℃以下)」なので、もう少し本数を余分に備蓄しても良いかもしれませんね。
5人家族で30日分と考えた場合はガスカートリッジ60本くらいでしょうか。確かに、これだと備蓄には本数が多すぎると感じるかもしれませんので、7日分くらいから考えても良いかもしれません。
■Iwatani(岩谷産業) > カセットボンベとカセットこんろの備蓄について
http://www.i-cg.jp/topics/campaign_bousai/
●家族が自宅にいる時とは限らない…
課題は、発災時に家族が自宅にいるとは限らないという点
“家族が自宅にいる時とは限らない”という視点は重要ですね。
これは簡単なようで実は難しい、見習うべき防災センスです。
少し解説すると…
防災が難しいのは、自然現象である災害には「前提条件がない」からです。
水が出ないかもしれません、し、道路が寸断されるかもしれない、などリスク対策の前提条件が一定ではないのです。
この匿名さんの考え方は、普段の生活の中で災害が起こると考え、しかも想定通りに災害は起らないかもしれないと思っていらっしゃることです。
そういう心構えが重要であると思います。
●火山灰について
火山灰が降る等のケースはあまり考えてこなかった
今までの国の防災では、火山灰の被害はあまり考えられて来られておりません。個人的には降灰による二次被害は割と深刻ではないかと考えています。
特に停電ですが、過去、2016年の阿蘇山の噴火では、一ノ宮町でたった1ミリ~2ミリの降灰により、送電線の障害(停電)が起り2700世帯が停電しています。
電気施設への降灰の深刻な影響の一つに、電柱の碍子部分に灰が付着した場合、これが雨などで濡れると電気を通すので漏洩してしまい停電することが知られています。
●食糧の備蓄
食糧はサバイバルフーズ(大缶8ケース=480食、家族5人30日分)を中心に買い置きしています。
ありがとうございます。
5人家族30日分だと必要量は450食(5人×1日3食×30日=450食)となりますが、実際には480食と約30食+買い置きの余剰分を備蓄されています。
これは無駄ではなく、ストック(備蓄)に余剰分(バッファ)があるということで、言わば保険となります。
素晴らしいですね。
●保存水
水は保存水(約96リットル)備蓄。
すこし少ないかもしれないと思いました。恐らく他の方法と併用して備えらえていらっしゃるのだろうと思いますが…。
一人1日、2リットル~3リットル×30日と考えた場合には5人だとおおよそ300リットル~450リットルが理想となります。
ただ、ペットボトル保存水だけで備蓄すると保管場所と重量がかさ張りますので、飲料水の備えの場合では、事前に水を貯めたり(貯水)、水を作ったり(浄水器による濾過)、給水(井戸など)することなどを併用できるかもしれません。
●レトルト加熱用の水を沸かす薬剤…
恐らく「モーリアンヒートパック」という製品ではないかと思います。
●マスク
マスク(不織布およびN95合わせて400枚程度)
400枚…一見多いように見えましたが、確かに、我が家(5人家族)も数えるとそのくらいありそうです。
マスクは感染症予防、降灰やら粉塵やら家の片づけにも使えるので防災上の必需品となりますが…増えますよね。
予備知識として、一般的にきちんとしたマスクの有効期限は「通常の保管状態で製造から5年程度」とされています。
(確か何かのマスク規格(米国ASTM規格かな?)で5年程度とされていたと思うので、多くのメーカーも5年を目安としているようです)
特殊な素材が使われておらず、ゴム紐などが劣化しない限り、きちんと保管しさえすればずっと長く保存可能とは思いますけどね。
・サバイバルフーズ:25年保存できる備蓄食糧
主食のクラッカーと、副食のチキンシチュー、野菜シチュー、洋風とり雑炊、洋風えび雑炊の5種類。お奨めは、60食相当量(家族2人で20日分)のバラエティセット(大缶)[6缶セット]で44,280円
URL:https://www.seishop.jp/survivalfoods/sf/
・サバイバルフーズ サプリメント:5年保存の栄養機能食品
サバイバルフーズ®サプリメントは、非常時の健康を考える長期保存のサプリメントで、非常時の食事に不足しがちな栄養素に配慮したサプリメント。マルチビタミン&ミネラル、ビタミンC、それぞれ一人3粒30日分(90粒入り)、2種セットで税込7,560 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000833/
・カムイワッカ麗水15年保存水(2リットル×6本)
国内最長の15年保存水。北海道の羊蹄山が生んだ高水質、真狩村の湧水をボトリング。2リットル6本入り箱で税込4,860 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000833/
・トイレ処理剤:ほっ!トイレタブレット(5年保存)
水洗トイレが断水したとき、トイレにビニール袋を布き、タブレット状の薬剤を前もって入れ、排便後にビニール袋の口を縛り廃棄するだけ。日本メーカー「エクセルシア」というダイオキシン分解技術(環境修復)で実績のある会社の製品なので処理能力も高く、便中の雑菌の除菌、悪臭成分の分解し、不快な便臭を1年以上も無くします。糞便に後から振りかける製品が多い中、前もって薬剤を入れておけるので、トイレの後処理の不快さや面倒さがないのが大きなポイント。ほっ!トイレタブレット(100袋入り)+処理ビニール袋110枚付きは 税込23,100 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/064000000003/
・カセットコンロ:イワタニ(Iwatani)
イワタニの「タフまる」というカセットコンロは、普通の卓上カセットコンロをアウトドア用に改良したモデルで、空気は通すが風は通さない特許「ダブル風防ユニット」搭載で、風に強く野外でも強い加熱性能が得られるベストセラー商品です。「タフまる CB-ODX-1(ブラック)」は税込7,480 円
URL:https://amzn.to/3KwM38l [amazon.co.jp]
・カセットガス:イワタニ(Iwatani)使用期限7年
カセットガスの使用期限は「7年以内(40℃以下)」です。PL法などの補償がありますので、必ず、お使いのカセットコンロが推奨するガスを揃えましょう。基本的に同じメーカーの物であれば良いと思います。「イワタニ カセットガス 専用ボックス入り 12本組 CB-250-OR-12BOX」は税込2,949 円
URL:https://amzn.to/3tU75I8 [amazon.co.jp]
・携帯バーナー:EVERNEWアルコールストーブ
災害時の熱源は、なるべくシンプルな構造が望ましいです。様々な熱源の中でアルコールバーナーの魅力は、絶対に壊れないシンプル構造、静かな青い炎、軽くコンパクトなこと。数年保存できる「燃料アルコール」は薬局などで購入できます。エバニュー(EVERNEW)チタンアルコールストーブ + チタンポット500(RED)セットは税込13,750 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000631/
・火力発電機:BioLite(バイオライト)
“BioLite”(バイオライト)は持ち運べる世界最小の火力発電機で、焚火の熱を電気に変換し内蔵バッテリーから携帯端末をUSB充電できるコンロ。BioLite(バイオライト)キャンプストーブ2 PLUS《フルセット》は税込31,900 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000611/
・安全マッチ:ナカムラのスライド缶入り 安全マッチ
湿気なければ100年でも保存できるという安全マッチは、災害備蓄用の「種火」として考えると、保存安定性の悪いガスライターなどに比べてたいへん優秀な製品です。神戸の老舗マッチメーカー「ナカムラ」のスライド缶入り 安全マッチ (防水防湿PPパック完封 / 1個入り)は税込418 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/086000000001/
・モーリアンヒートパック
モーリアンヒートパックは少量の水を触媒にして食材を加熱できる袋で、製造後4年~6年の保管が可能。加熱袋の中に発熱剤と温めたい食材等入れ、水を入れるだけ。高温の蒸気が袋の中に充満し、15分から20分程度で中にあるものを温める。「ハイパワー加熱セットLサイズ」5個セットで税込1,380 円
URL:https://amzn.to/3F0AtPn [amazon.co.jp]
・非常用一次電池:エイターナス(10年保存)
エイターナスは、空気に触れると化学変化により発電する一次電池(使い切りの電池)で、10年保存が可能、1個で540Whの電気を作り出すことができ、家電に使う時は、付属の150Wの変換器(正弦波インバータ)を使います。エイターナス(災害・非常用電池)+変換器(正弦波インバータ)+シガーコード(車載用)のセットは税込98,780 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000000887/
・ポータブル太陽光パネル:JVCケンウッド
USBタイプC、USBタイプAの出力が付いていますので、この太陽光パネルだけで、太陽光を利用してスマートフォンの充電、USB機器への給電が可能です。日本メーカーのJVCケンウッド社品質・サービスなのでアフタフォローも安心できる製品です。JVCポータブルソーラーパネルBH-SP100-C(最大出力:100W)は、税込38,500 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001050/
・携帯用ランタン:キャリーザサン
キャリーザサン(CARRY THE SUN)は、太陽光で充電(乾電池不要)できる、軽くて(重さはわずかCD1枚分ほど)、防水(防水・防塵規格IP67準拠)で、使わないときは薄く畳んで、使うときはベルトを引っ張るだけ(超簡単・超便利)、最大72時間点灯する携帯用LEDランタンです。キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN)5種セットは、税込19,030 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001038/
・タクティカルライト:SUREFIRE(シュアファイア)
世界中の軍隊や警察に納入されている最も有名なタクティカル系フラッシュライトのメーカーがアメリカのSUREFIRE社です。生活防水・防爆仕様で生涯保証付き。なかでも30年以上にわたる人気モデルが「6PXプロ」で 税込16,940 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/059000000001/
・3M N95マスク(医療用)Aura 1870+
火山噴火災害での粉塵対策や、パンデミック時の抗ウイルス対策などで使用される微粒子ろ過性能が高い使い捨てマスクが、アメリカNIOSH規格によるN95防護マスクです。なかでも3M社の製品は世界的に最も有名です。3M N95マスク(医療用)Aura 1870+ [20枚入 / 個包装](微粒子用マスク・防塵防護マスク)は税込4,950 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/065000000002/
―――さて、
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