編集部では読者アンケート調査「教えて!あなたの家の防災対策」(※現在開催中)を実施して、日頃から行っている災害対策についてのご意見を広く募集しました。たくさんのご回答の中から、皆さまにとって有益で参考になるご意見を毎週ピックアップしてご紹介してまいります。今回は、東京都中野区の JYHM2021 さんのコメントをご紹介します。
■ 教えて!あなたの家の防災対策 アンケート ■
【回答 No.11】JYHM2021 様(50歳代・男性)
【回答 No.11】JYHM2021 様(50歳代・男性)
[回答者名] | |
JYHM2021 様 |
[性別 ・ 年齢 ・ 居住地域 ・ 世帯人数] | |
男性 / 50~59歳代 / 東京都中野区 / 3人暮らし |
[居住環境] | |
[想定している災害] | |
[アンケート回答]
東京都中野区・神田川に近い地域に暮らしています。
以下の物品を、緊急時用品として納戸に格納しています。(一部は日常の使用と兼ねて)
ヘルメット・ゴーグル・軍手(ゴム滑り止め付き)・マスク・非常用トイレ・カセットコンロ(本体+ガス)・給水用ポリタンク・LEDランタン・乾電池・手回し発電式ラジオ・ガムテープ・ナイロン紐・結束バンド
準備した防災用品は概ね上記の通りですが、埃・粉塵対策としてゴーグルを家族の人数分購入しました。
木造住宅密集地のため、首都直下型地震後の大規模火災への不安があります。また、住所が神田川に近いのですが、バックウォーター現象のリスクはこれまで頭にありませんでした。
木造住宅密集地のため、首都直下型地震後の大規模火災への不安があります。また、住所が神田川に近いのですが、バックウォーター現象のリスクはこれまで頭にありませんでした。
木密地区(木造住宅密集地域)といって、東京都ではJR山手線の外側から環七通り沿いに、古い木造住宅が多く、首都地震時の延焼火災が心配されています。また、これらの地域は都市整備が捗らず、狭あいな道路などがあって、火災の際に消防車が入れないなどといった消防活動の支障も懸念されています。そのため、東京都では、石原都知事時代の2012年に、燃えない町を目標(町の燃えにくさ指標「不燃領域率」を70%にすることを目標)に掲げて「木造地域不燃化10年プロジェクト」を立ち上げられ、これらの木造住宅が密集する20区28地域を「整備地域」と指定し、老朽化した住宅の撤去や建て替え費用の助成など住宅の建て替え支援などが進められています。この10年で解消された事例も多々見受けられますが、現時点、市街地の延焼の危険性は完全には解消されていません。…ですが故石原都知事のこの目標と取り組みはたいへん立派です。
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■東京都建設局 > 東京の木造住宅密集地域の現状
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jigyo/road/kensetsu/mokumitsu/index.html
■東京都都市整備局 > 木造住宅密集地域の解消に向けた取組(PDF資料)
https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/diplomacy/multi-lateral-diplomacy/pdf/1207-06-jishin-j.pdf
■乗りものニュース > 環七の渋滞区間が迂回しやすく 足立区の環七北通り&江北橋通り延伸 木密地域も解消(2021/03/14)
https://trafficnews.jp/post/105310
■NHK > 【特集】首都直下地震 東京の対策 10年でどうなった?(2021/03/12)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210312/k10012908771000.html
バックウォーター現象(背水ともいう)は、川の水が行き場を失い水が溜まり逆流し堤防を決壊させたりする現象です。首都圏で記憶に新しいところでは、2019年10月にスーパー台風と言われた台風19号による、神奈川県川崎市(武蔵小杉駅前)の冠水(この時は排水管逆流した「内水氾濫」)が大きな話題となりました。
神田川の荒川水系(流域人口980万人)でバックウォーター現象が騒がれたのは、JYHM2021さんのコメントを読むまで知りませんでした。
調べると、同じく、2019年10月の台風19号の際に、荒川が氾濫危険水域まで増水して、江戸川区で避難勧告が出され1500人が一時避難したようです。
首都圏に影響する利根川と荒川水系は、一昨年に完成した八ッ場ダムや、二瀬ダム、滝沢ダム、浦山ダム、合角ダム、朝霞調節池、渡良瀬遊水地などダムと遊水地・調節池の開発という流域治水対策が割と進んでおり、台風19号の際には、これらの貯水による水防が功奏し、都心部となる下流への被害が出なかったようです。かといって、実際には、環状7号線地下広域調節池(神田川)なども台風19号では過去最大の貯水率9割程度まで水が溜まったそうです(氾濫危険水域以内です)ので、災害に絶対大丈夫はないので、昔のカスリーン台風のような巨大被害とはならなくても、水が溢れるリスクががあることを想定して、個人でできることを対策するのは必要かと思います。
木密の火災や、荒川(神田川)の水害についても、一度は、地域の防災訓練に参加されておくのも良いかと思います。
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■NHK首都圏ナビ > 台風や大雨 河川氾濫に備える4つのポイント “川のプロ”に聞く(2021/10/12)
https://www.nhk.or.jp/shutoken/shutobo/20211012.html
■東京都(東京都豪雨対策アクションプラン) > 記録的な豪雨と施設整備の効果 令和元年台風第19号(2020/01公表)
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kiban/gouu_houshin/pdf/action_plan_05.pdf
■荒川下流河川事務所 > 洪水浸水想定区域(ハザードマップ)
https://www.ktr.mlit.go.jp/arage/arage00057.html
●防災用品について
ガムテープ・ナイロン紐・結束バンド
ガムテープ・ナイロン紐・結束バンドの使い方は皆んな違うと思います。
これらの使い方をどうされていらっしゃるのか、ぜひ教えて欲しいです。
※結束バンドのメーカーさんのページを見ると、
・鍵のかわりとして(避難所のテントの鍵、バッグのジッパーの鍵など盗難対策)
・カラビナ代わりとして
などの用途が紹介されていました。なるほど。
※ガムテープは「災害時のために『ガムテープ』はこうして!警視庁が呼びかけ」という記事では、
・ケガをした時に、清潔な布をあててからガムテープを貼ることで、止血できる。
・油性ペンで書くことでメモとして使える。
・骨折時の添え木の固定や、三角巾の代わりとして。
ということが紹介されています。
災害時に自宅を離れ避難所に行く際のメモ(家族は〇〇避難所に避難しています)などのメモでガムテープにマジック書きして玄関に貼っておくというのは被災地ではよくある光景です。
埃・粉塵対策としてゴーグル
地震などで、家や建物が倒壊すると、塵や埃がたくさん出ますので、ゴーグルを用意されているのはとても良いと思います。
関東大震災の震災記や過去の地震災害での文章を読んでいると、地震で大揺れした家々から、黄色い煙(塵やホコリ)が舞い上がる記述が良く出てきます。
また、ゴーグルは、火山噴火の際の降灰・粉塵の備えにもなります。
余談ですが、東日本大震災直後に日本防災士会の現地調査で東北へ伺った際に、被災現場では風でチリ、ホコリが舞い上がって、ゴーグルが無いと目が開けられない様な現場もございました。
・ヘルメット
大地震時の避難の際にヘルメットがあるだけで安心感が違います。一般的に防災ヘルメットは“折りたたみ”できたり、“かさばらず”省スペースに保管できるように設計されていますが、ヘルメットは必ずしも防災専用のものである必要性はありません。例えば山登りをされている方は山用のものを用いても良いでしょう。紹介している商品は、カラーバリエーションも豊富なDICプラスチック社の「防災用折りたたみヘルメット(IZANO)IZANO2」で税込4,730 円
URL:https://amzn.to/3q6AsDj [amazon.co.jp]
・防塵ゴーグル(防塵メガネ)
火山灰や瓦礫がある災害現場などの移動手段に防塵メガネは役立ちます。個人的には、眼鏡をしていても使える少し大きめのゴーグルタイプがおススメです。一例として、トーヨーセフティー(TOYO SAFETY) 防塵メガネ NO.1290は、税込1,650 円
URL:https://amzn.to/3HaeKWB [amazon.co.jp]
・防刃手袋(作業グローブ)
強化繊維などを使った耐切創手袋で、刃物、金属、ガラス、プレス、電動のこぎりなど鋭利な器物から手を守ります。一例として、パナソニックのタングステン耐切創手袋 (手のひらゴムコートあり・耐切創性レベルF(最高レベル)) Lサイズは、税込1,973 円
URL:https://amzn.to/3r8hHBn [amazon.co.jp]
・カセットコンロ:イワタニ(Iwatani)
イワタニの「タフまる」というカセットコンロは、普通の卓上カセットコンロをアウトドア用に改良したモデルで、空気は通すが風は通さない特許「ダブル風防ユニット」搭載で、風に強く野外でも強い加熱性能が得られるベストセラー商品です。「タフまる CB-ODX-1(ブラック)」は税込7,480 円
URL:https://amzn.to/3KwM38l [amazon.co.jp]
・カセットガス:イワタニ(Iwatani)使用期限7年
カセットガスの使用期限は「7年以内(40℃以下)」です。PL法などの補償がありますので、必ず、お使いのカセットコンロが推奨するガスを揃えましょう。基本的に同じメーカーの物であれば良いと思います。「イワタニ カセットガス 専用ボックス入り 12本組 CB-250-OR-12BOX」は税込2,949 円
URL:https://amzn.to/3tU75I8 [amazon.co.jp]
・トイレ処理剤:ほっ!トイレタブレット(5年保存)
水洗トイレが断水したとき、トイレにビニール袋を布き、タブレット状の薬剤を前もって入れ、排便後にビニール袋の口を縛り廃棄するだけ。日本メーカー「エクセルシア」というダイオキシン分解技術(環境修復)で実績のある会社の製品なので処理能力も高く、便中の雑菌の除菌、悪臭成分の分解し、不快な便臭を1年以上も無くします。糞便に後から振りかける製品が多い中、前もって薬剤を入れておけるので、トイレの後処理の不快さや面倒さがないのが大きなポイント。ほっ!トイレタブレット(100袋入り)+処理ビニール袋110枚付きは 税込23,100 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/064000000003/
・給水袋
一例として、「キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) 抗菌伸縮ウォータージャグ(10L)M-9531」は税込 927 円
URL:https://amzn.to/3uOjihK[amazon.co.jp]
・携帯用ランタン:キャリーザサン
キャリーザサン(CARRY THE SUN)は、太陽光で充電(乾電池不要)できる、軽くて(重さはわずかCD1枚分ほど)、防水(防水・防塵規格IP67準拠)で、使わないときは薄く畳んで、使うときはベルトを引っ張るだけ(超簡単・超便利)、最大72時間点灯する携帯用LEDランタンです。キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN)5種セットは、税込19,030 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001038/
・多機能な防災ラジオ(ライト・バッテリー搭載)
各社からたくさんの種類が発売されています。例で紹介している製品は、AM/FMラジオ、LEDライト、スマホ充電機能(USB出力)、リチウムイオンバッテリー(4000mAh)、ソーラー充電、手回し充電、単4乾電池という、乾電池以外にも本体充電方法が複数あります。この「Geum多機能防災ラジオ」は、税込5,380 円
URL:https://amzn.to/3ojFqMX [amazon.co.jp]
・ガムテープ(布)
一例として「ニチバン 布テープ(50mm×25m 121-502P 2巻パック)」は税込896 円
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・ナイロンロープ
一例として、「【M.walk】 ナイロン ロープ 太さ 6mm 長さ10m 赤 黄 青」は、10メートルで税込1,500円程度、20メートルで税込3,000円ほど。例で紹介している商品はクライミング用ではありません。
URL:https://amzn.to/3BUW7UM [amazon.co.jp]
・結束バンド
一例として「ナイロン製 結束バンド(9mm×650mm 引張強度80kg 黒40パック)」は、税込1,400 円
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―――さて、
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