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自助と共助(地域コミュニティ)の防災の必要性を説いた消防庁冊子「自主防災組織の手引」(2017年3月)の名言 [今週の防災格言775]

time 2022/12/05

自助と共助(地域コミュニティ)の防災の必要性を説いた消防庁冊子「自主防災組織の手引」(2017年3月)の名言 [今週の防災格言775]

『 普段から支え合う関係が、大規模災害における犠牲を最小限に食い止めるために大きな役割を果たしている。 』

 

消防庁「自主防災組織の手引 ―コミュニティと安心・安全なまちづくり―」(平成29年3月改定版)より

 

大昔の日本には、家族団体や氏族制度がありました。その後、五保の制といわれ、武家戦国の時代には町屋上下向三軒両隣(向こう三軒両隣)という言葉ができ、江戸時代には五人組制度ができあがりました。

善きにつけ悪しきにつけ、これらは共同の責任を持ち、またお互いに助け合うという「共助」の風がありました。

しかし、現代社会では、かつての「向こう三軒両隣」という親密な人間関係が崩壊し、「隣は何をする人ぞ」といった言葉に象徴されるように、地域社会とのつながり、近隣住民との結びつきが希薄になりつつあります。

昨今、頻発する自然災害や犯罪などによる地域生活への不安が高まるなかで、住民たちの地域・近隣とのつながり、結びつきの必要性が再認識されるようになり、地域コミュニティのなかで「自主防災組織」に代表される自発的な取組みが進められるようになってきています。

とくに神戸を襲った阪神淡路大震災(1995年)や東日本大震災(2011年)の貴重な教訓から、地域の防災活動の重要性が活発に議論されるようになり、自主防災組織の組織率も約43%(1995年)から84%(2021年)に広がっています。ただ、全国的には活動が活発な地域がある一方で、停滞気味の地域もあるなど地域差も大きいようです。

… … …

大規模災害の被害の防止や軽減、そのための諸政策などの災害対応といった災害への備え、いわゆる“防災”には、自ら対応する「自助(自分と家族の命は自分で守る)」、ご近所などの地域コミュニティといった周囲の人たちが助け合う「共助(協働)」、市町村や消防、都道府県や警察、国や自衛隊といった公的機関の救助・援助「公助(公的な助け)」の三つに分けることができます。

ひとたび大規模な災害が発生したときに、被害の拡大を防ぐためには、国や都道府県、市町村の対応「公助」だけでは限界があることから、「自助」とともに、普段から顔を合わせている地域や近隣の人々が集まって、互いに協力し合いながら、防災活動に組織的に取り組む「共助(協働)」が必要とされています。そして「自助」「共助(協働)」「公助」の三つが有機的につながることにより防災は機能します。

一般的に、大規模な地震による犠牲者の多くは、発災直後の建物倒壊や家具等の転倒によるものとされていますが、東日本大震災(2011年)では犠牲者の死因のうち約9割が大津波によるもので、阪神淡路大震災(1995年)では建物倒壊による圧死者が約8割にのぼり、関東大震災(1923年)では地震直後の大火災で約9割が焼死しました。

こうした地震直後の刻々と変化する状況下で、命を守るために最も必要となるのは、自らを守る「自助」と、近隣で助け合う「共助」となります。

阪神淡路大震災の時に、神戸の知り合いのお母様がろっ骨を骨折し病院に行きましたが、軽傷(すぐに命の危険はない)のため治療を受けられず、かなりの長い時間、寒い病院の廊下で待機した(ご本人は放置と仰っていました)そうです。
平時には考えられないことですが、あまりにも被害に遭われた人がたくさんいたために、医者や看護師の人手が足りなかったのです。

このように大規模災害の直後には公的な機関の「公助」だけでは救助・援助する側の人手が到底足りなくなります。

例えば、がれきの下敷きになった人は一刻も早く助け出す必要がありますし、津波のときには声をかけあってできるだけ早く高台に避難することが大切です。そして、これらの事例を行なうのは、周囲の人たちの助け合いという「共助(協働)」なのです。

消防庁の冊子「自主防災組織の手引 ―コミュニティと安心・安全なまちづくり―」(平成29年3月改定版)には、以下のように書かれています。

曰く―――。

多くの犠牲者を出した平成7年1月の阪神・淡路大震災では、普段からの近隣や地域社会とのつながり、結びつきがきわめて重要であることが再認識されることとなった。阪神・淡路大震災では、瓦礫の下から救出された人のうち約8割が家族や近所の住民らなどによって救出されたという報告がある(図1)。
また、特定の地域では自力又は家族や近所の住民によって救出された割合が9割を超えるという調査結果もある(図2)。

また、発災後の活動では、震源地に近く全半壊の建物が8割と甚大な被害を受けたにも関わらず、普段からの見守りネットワーク活動が機能し、さらには近隣同士の助け合い、消防団の活躍により、発災当日の午後3時すぎには全員の安否確認が終了した旧北淡町富島地区(現淡路市)の例や、地区ぐるみでのバケツリレーによって火災の拡大を食い止めた神戸市長田区真野地区での活動にみられるように、普段から支え合う関係が、大規模災害における犠牲を最小限に食い止めるために大きな役割を果たしている。
こうした例からも、普段から支え合う関係をつくり、地域社会とのつながりを持つことの重要性がみてとれる。

… … …

消防庁では、大災害のうち特に地震対策の立場から住民による自主的な防災活動を助長するため、地域住民や施設の関係者が防災活動を行うにあたって、どのような組織づくりを行い、また、どのように行動することが望ましいかを解説した「自主防災組織の手引」を昭和48年(1973年)に初めて作成し、以降、何回かの改訂が行われてきました。

消防庁「自主防災組織の手引」(PDF)


消防庁「自主防災組織の手引」より








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著者:平井敬也(週刊防災格言編集主幹)

 

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