新型インフルは大したことないとタカをくくった我々の間違いを正しこれから始まる本当の脅威を話す。
元WHO西太平洋地域事務局、現東北大学教授のパンデミック専門家の押谷仁氏とNHKスペシャル「最強ウィルス」製作者の虫明英樹氏が対談、新型インフルエンザは大したこと無いとタカをくくった我々の間違いを正し、これから始まる本当の脅威を話す。
おススメ度:★★★★☆ |
2009年5月の流行は、パンデミックの全貌から見れば、第一波とよべるほどの規模では無かった。季節性インフルエンザがそうであるように、散発的な流行が各所で始まり、重傷者は後から増えてくる。
これから迎える秋・冬が本当の第一波であり正念場だ。慢性疾患のある人や老人ばかりでなく、健常者からも一定の確率で(細菌性で無く)ウィルス性肺炎による死者が出てくる。
押谷氏は、この騒ぎの最初から、感染者の数(母数)を気に掛けていた。
致死率は、スペインインフルエンザ(2%)ほど無くとも、母数が多く、そして20代から50代と言う、季節性インフルエンザとは明らかに違う年齢層への感染と致死は、無視できない問題だ。
CDC(米国疾病センター)は、現在の新型インフルエンザの致死率を、0.1~0.5で見積もっており、米国国家安全保障会議は、ある程度の犠牲者を許容しても社会機能を維持しようとしている。一方で、日本の厚生労働大臣の「季節性と同じ」との認識は、リスクセンスに欠けている。季節性インフルエンザは凌げても、それを越える想定が日本ではされていない。