編集部では読者アンケート調査「教えて!あなたの家の防災対策」(※回答募集中)を実施して、日頃から行っている災害対策についてのご意見を広く募集しました。たくさんのご回答の中から、皆さまにとって有益で参考になるご意見を毎週ピックアップしてご紹介してまいります。今回は、大阪府にお住いの ちよこ さんの対策をご紹介します。
■ 教えて!あなたの家の防災対策 アンケート ■
【回答 No.25】ちよこ 様(70歳代・女性)
【回答 No.25】ちよこ 様(70歳代・女性)
[回答者名] | |
ちよこ 様 |
[性別 ・ 年齢 ・ 居住地域 ・ 世帯人数] | |
女性 / 70~79歳代 / 大阪府 / 2人暮らし(介護) |
[居住環境] | |
[想定している災害] | |
[アンケート回答]
夫が家で闘病中です。
大阪の高台に住んでいるので、津波の心配はないと思いますが地震、停電を心配しています。
シュラフ2人分、テント、ポータブル蓄電池、ソーラーパネルをそなえました。
玄関の庭木の横に水、ストッカーに簡易トイレ、ヒートパック、救急道具、ラジオ、ライト、ホカロンなどを入れていますが、夏は暑いので薬品と食料品はげた箱に入れています。
就寝時は布団の近くにヘッドライト、靴、携帯、眼鏡をおいています。
お部屋は食器類はシンクの引き出し、棚は軽いものを置くように変更しました。
冷蔵庫、レンジ、テレビ,たんす等全部ストッパーを付けました。
【ご意見・感想等】
玄関のドアが鉄製のため出られなくなった時の用意に2階のデッキに一応、縄梯子を準備していますが、高齢のため脱出する自信がありません。
ガラス戸が割れにくいタイプではないので地震用に変更しようと思っていますが、今検討中です。
理路整然と、様々な対策を、きちんとやられていらっしゃいます。
●介護と停電
夫が家で闘病中です。
大阪の高台に住んでいるので、津波の心配はないと思いますが地震、停電を心配しています。
病気の内容によりますが、「レスピレーター(人工呼吸器)」や「痰の吸引機」など自宅介護でお使いになる医療機器は、電気が必要なので、停電時のバッテリーの心配をします。
(ちよこさんのご家庭では既に蓄電池を備えられていらっしゃいますが…)このようなケースでは、医療機器に対応(正弦波インバーターを内蔵)した、比較的に大容量なポータブル蓄電池(ポータブル・バッテリー)があると安心です。
少し解説しますと、
医療機器が安定して動作するためには、正弦波(純正弦波などと呼ぶ場合もある)というご家庭のACコンセントから流れる電気と同じ周波数の波形の電気を流す必要があります。
これに対して、蓄電池の種類には、疑似正弦波という疑似的な波形の電気を流すタイプのインバーターが入っているものもあり、医療機器や家電の種類によっては、この疑似正弦波ではきちんと作動しない場合があります。
そのため、蓄電池を購入した際には、利用目的の医療機器がきちんと動くかどうか必ず確認することをおススメします。
※インバーター(直流電流を交流電流に変換する回路)は、バッテリーに溜まった電気を変換する器械のことです。
ポータブル蓄電池、ソーラーパネルをそなえました。
蓄電池+ソーラーパネルをセットで揃えることで、もしもバッテリーの電気が切れたときのために、太陽光からも充電できるように二重の安全策を取られています。
危機管理の基本は、危険を分散させ安全率を高める、ことにありますので、これがきちんと出来ています。素晴らしいですね。
恐らく既に実施済みかと思いますが…
もし介護(医療機器)で電気が必要ならば、予備として蓄電池をもう一台用意するなどの、更なる安全策を取られるとより安心かと思います。
また、ポータブル蓄電池の防災利用について、更なる安全策として考えられることとして、お持ちの蓄電池が、「パススルー充電」に対応しているかどうかです。
ただ、この場合、パススルー充電について絶対に必要かどうかは人それぞれですので、パススルー対応じゃないとダメだという訳ではありません。
「パススルー充電」というのは、蓄電器本体のバッテリーを充電しながら蓄電器と接続した家電やスマートフォンなどのデバイスにも給電する機能です。
製品によっては「追っかけ充電」などという言葉で説明されることもありますし、「無停電電源」などと言われる場合もあります。
パススルー充電に対応していない蓄電池では充電中にデバイスを接続すると、接続先のデバイスには給電されない場合があります。
これは、蓄電池の方のバッテリーの充電が優先されてしまったりするからです。
なお、JVCケンウッドやJackery(ジャクリ)の蓄電池はパススルー充電も条件付きで可能ですが、正確には、パススルー充電専用の機能が組み込まれていないために、ACコンセント等から本体を充電しながらスマホなどに給電するとバッテリーが消耗することから、メーカー(JVCケンウッド、Jackery(ジャクリ))はパススルー充電については推奨していません。
基本的には、蓄電池を使う医療機器がどのくらいの消費電力(何ワット/時間)で、病気の人への介護のために一日どのくらいの時間を連続運転しなければならないか、といった前提条件によりパススルー機能が必要かどうかが変わってきます…。
大容量の蓄電池を複数台使う、無停電電源装置(パススルー充電の完全対応)として常日頃から使うなど、どう利用するか次第で必要な機能も多少は変わってきますね。
●収納場所の工夫…夏は暑いので薬品と食料品はげた箱に
玄関の庭木の横に水、ストッカーに簡易トイレ、ヒートパック、救急道具、ラジオ、ライト、ホカロンなどを入れていますが、夏は暑いので薬品と食料品はげた箱に入れています。
「ストッカー」は恐らくプラスチック製の簡易収納ボックスや収納棚のようなものでしょうかね。
「夏は暑いので薬品と食料品はげた箱に」は、まさに、その通りですね。
物資の種類によって収納場所を変えるという管理手法を取られています。
ちゃんと管理されており、たいへん素晴らしいです。
解説しますと、
薬やサプリメントや飲食物などの口に入れる食べものの品質の劣化は温度と密接な関係があり、一般的には、温度が10℃上がると化学変化のスピードは2倍になると言われています。
この理論で言えば、例えば、常温(20℃~24℃程度)で25年間保存できる食品を、常に気温34℃の状態でずっと保管してしまった場合には、賞味期限が半分の13年になってしまうということになります。
例えば、庭や公園などの屋外倉庫に、ロープやスコップなどと一緒に非常食や保存水まで保管してしまうというケースが良くありますが、普通に考えればわかるの通り、本来ならば、口に入れる食べ物は別に保管すべきです。
きちんと収納を分けて“管理する”というのは、備蓄方法として望ましいことであると言えます。
ちなみに気象庁のデータによると、沖縄・奄美などだと一年を通した平均気温が20℃を超えますが、東京など本州各地の都市部の年間の平均気温は大体13℃~17℃前後です。
●就寝部屋(布団部屋、ベッドルーム)の備え
就寝時は布団の近くにヘッドライト、靴、携帯、眼鏡をおいています。
布団近くにヘッドライト…というのはなかなか凄いです。
ちゃんと考えてからご自身で備え方を工夫されているからです。
まず、あえて懐中電灯ではなく、ヘッドライト(ヘッドランプ)…というのは、両手を空けられる利点、からの備えですね。
就寝中は、もっとも無防備で、また、布団部屋は1日を通して一番長くいる場所になるので、就寝中の災害に備える、ことから 靴、携帯…を同時に備えています。
そして、視力が悪い人にとっての必需品となる メガネ…を災害直後に手の届くところに置いておく、ということですね。
次の行動をきちんと考え、備えを行なっている、…このようなロジックは、多くの方にたいへん参考になります。
つまり、夜寝ている時は動かないので、災害直後に起床したら停電で真っ暗闇かもしれない、暗い中でガラス片などが散乱しているかもしれない、両手が空いていた方が良いかもしれない…、ではどうする?
―――という考え方のもとで備えを実践できているということです。
素晴らしい。
●食器などの配置
お部屋は食器類はシンクの引き出し、棚は軽いものを置くように変更しました。
変更しました…これも、なかなかに凄いですね。
いつ、何をきっかけに、どういう理由で、食器はシンク内に、棚には軽いものを、という配置に変更をされたのか気になります。
もしよろしければお知らせください。
●転倒防止・ストッパー
冷蔵庫、レンジ、テレビ、たんす等全部ストッパーを付けました。
これも、もしよろしければ、何のストッパーを使われているのか気になりますので、(製品名などを是非)教えて下さい。
転倒防止グッズは、簡易的なものから、壁に穴を開ける固定式のものまで、様々な種類や用途があります。
●玄関のドア(鉄製)
玄関のドアが鉄製のため出られなくなった時の用意に2階のデッキに一応、縄梯子を準備していますが、高齢のため脱出する自信がありません。
自由コメントもありがとうございます。
私からの返信のポイントは2点ございます。
一点目は、縄梯子(吊り梯子)は安定しないので危険かと思います。
縄を使わないアルミ素材の伸縮できる梯子(室内用フックの付いたもの)が代用できないかと思いましたが、知り合いの聞いてみたところ、これもガタガタと安定せずに上り下りが結構怖いみたいです。
何れにせよ危ないと思いました。
二点目は、梯子で避難するのは最終手段として、せめて、今あるドアを歪みにくくするのが良いかと思いました。
御心配事は、地震の際に、家やドアのフレームが歪み、玄関ドアが開かなくなるかもしれない、というリスクですので、玄関扉の「枠」を丈夫なものにリフォームする、といった扉自体の変更をした方が簡単なように思います。
「耐震ドア」製品には余り詳しくはありませんが、ネットで調べたところ…
「たすかるドア」「未来守くん」という耐震ドアを見つけました。
ドアの中にドアがある、というアイデアグッズですね。
ガラス戸が割れにくいタイプではないので地震用に変更しようと思っていますが、今検討中です。
これも専門家ではありませんが、窓枠ごとガラス戸ごと変えるよりかは、今あるガラス面に、専門業者に頼むなどして、ガラス飛散防止フィルムを貼り付けるのが簡単かもしれません。
例えば、大阪の業者を調べると、下記業者などがでてきました。
・寝袋(シュラフ)
アウトドア用の寝袋は一般的に「形と広げた時のサイズ」と「中綿の素材」と「しまい易さ、コンパクトさ(保管にはかさ張らないものが良いが値段相応です)」「洗濯のしやすさ」などで総合的に選びます。形は、冬登山などでポピュラーな「マミー型(一人用)」、ファミリーキャンプで使われる「封筒型(ゆったりしたタイプ)」があり、封筒型は二枚を連結できたりするものもあり、防災用途として考えると封筒型がお奨めです。中綿の素材は、ダウンや化学繊維などがあり、素材や厚みにより就寝時の温度が変わってきます。寝袋の製品ごとに「適正温度帯」が記されていますので利用する季節に合わせて選びます。なお、体育館など屋内で使うことを想定した防災用の寝袋には適正温度は記されていませんが、概ね7℃~10℃くらいの適正温度帯の製品と同スペックのように思います。一例として「スノーピーク(snow peak) セパレートシュラフオフトン ワイド」は税込23,430 円
URL:https://amzn.to/3GMafAw [amazon.co.jp]
・テント
テントは各社から様々な種類が販売されており、形や大きさ(人数)や用途も機能もたくさんあり、価格も様々です。例として、「スノーピーク(snow peak) テント アメニティドーム [3人用~6人用]」は税込33,340円~54,340円。アメニティドームはファミリーキャンプの入門用テントとしては割と定評のあるシリーズです。
URL:https://amzn.to/3rO0gqb [amazon.co.jp]
・ポータブル蓄電池(1500W):Jackery(ジャクリ)
Jackeryポータブル蓄電池1500 PTB152は、バッテリー容量1,534Wh(426,300mAh)で、内蔵のインバーターは、付属のACコンセントから純正弦波の電気を定格1800W(瞬間最大3600W)で出力できます。尚、蓄電池は各社から色々と発売され日々進化していますが、国内でも発火事故も発生しているため、できるだけ信頼できるところから購入するのが良いです。また、ソーラーパネルは、製品保証や安全性などに関わるので、必ず同じメーカーのもので揃えてください。Jackeryポータブル蓄電池1500 PTB152は、税込179,800 円
URL:https://amzn.to/3E1Juqn [amazon.co.jp]
・ポータブル蓄電池(1002W):JVCケンウッド
JVCポータブル電源は、JVCケンウッド社の品質安全基準をクリアした「JVC Powered by Jackery」モデル。信頼の国内メーカー品質でサポートも安心です。1000Wバッテリー搭載モデルのBN-RB10-Cは、AC、USB、シガーソケットポートを搭載し、大きな電源を必要とする家電も安心使用できる正弦波出力1,000W(ピーク2,000W)ハイパワー設計です。なおソーラーパネルは、製品保証や安全性などに関わるので、必ず同じメーカーのもので揃えてください。JVCポータブル電源BN-RB10-Cは税込148,500 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001046/
・ポータブル太陽光パネル:JVCケンウッド
USBタイプC、USBタイプAの出力が付いていますので、この太陽光パネルだけで、太陽光を利用してスマートフォンの充電、USB機器への給電が可能です。日本メーカーのJVCケンウッド社品質・サービスなのでアフタフォローも安心できる製品です。JVCポータブルソーラーパネルBH-SP100-C(最大出力:100W)は、税込38,500 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001050/
・ポータブル簡易トイレ
介護、アウトドア、災害用などとして様々な種類が市場で売られています。一例として、サンコーの簡易ポータブルトイレ(プラスチックタイプ本体)は税込6,314 円
URL:https://amzn.to/3rZFWks [amazon.co.jp]
・携帯トイレ:トイレの女神(15年保存)
2回分の携帯用トイレが1袋に入っている携帯トイレで、箱用厚紙、半透明ビニール袋、黒色廃棄ビニール袋、凝固剤がワンセットになっているので日頃からカバンの中などに入れておけるのがとても良いですね。この種のもので15年保存を謳っている商品は今のところこの製品だけの様な気がします。使用時には前もって凝固剤を入れておくというのもポイントです。糞便の処理よりかは尿の処理に強い商品のように思いました。「トイレの女神PREMIUM 携帯トイレ(廃棄袋付き)2回分x5袋(10回分セット) 」で税込2,480円
URL:https://amzn.to/3CdQ3qu [amazon.co.jp]
・トイレ処理剤:ほっ!トイレタブレット(5年保存)
水洗トイレが断水したとき、トイレにビニール袋を布き、タブレット状の薬剤を前もって入れ、排便後にビニール袋の口を縛り廃棄するだけ。日本メーカー「エクセルシア」というダイオキシン分解技術(環境修復)で実績のある会社の製品なので処理能力も高く、便中の雑菌の除菌、悪臭成分の分解し、不快な便臭を1年以上も無くします。糞便に後から振りかける製品が多い中、前もって薬剤を入れておけるので、トイレの後処理の不快さや面倒さがないのが大きなポイント。ほっ!トイレタブレット(100袋入り)+処理ビニール袋110枚付きは 税込23,100 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/064000000003/
・モーリアンヒートパック
モーリアンヒートパックは少量の水を触媒にして食材を加熱できる袋で、製造後4年~6年の保管が可能。加熱袋の中に発熱剤と温めたい食材等入れ、水を入れるだけ。高温の蒸気が袋の中に充満し、15分から20分程度で中にあるものを温める。「ハイパワー加熱セットLサイズ」5個セットで税込1,380 円
URL:https://amzn.to/3F0AtPn [amazon.co.jp]
・救急箱(※箱だけです!)
おしゃれな救急箱(ファーストエイドキット)って良いですね。個人的には普段から使うものにはデザイン性も求めたいものです。防災用品では最初から中身がセットになっているものも売られていますが、個人的には中身の薬やバンドエイドやら包帯などは好みがありますので、ご自身で集めた方が良いかと思います。例は「ケーアイジャパン メディコ ブリキ の 救急箱(赤・Mサイズ) 」で税込2,458 円
URL:https://amzn.to/3xakeht [amazon.co.jp]
・ホッカイロ(使用期限は製造2年~5年ほど)
興和さんの「ホッカイロ」衣類に貼るタイプや、靴下に入れるタイプなどあるみたいですね。「レギュラー(衣類に貼るタイプ) 30個入り」で税込637円
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・携帯ラジオ(デジタルチューナー付き)
190グラムと軽くて小さいラジオで、デジタルチューナー付きの携帯ラジオ、「パナソニック製の FM/AM 2バンドレシーバー (シルバー) RF-P55-S」は、税込1,900 円
URL:https://amzn.to/3hEK7xm [amazon.co.jp]
・携帯用ランタン:キャリーザサン
キャリーザサン(CARRY THE SUN)は、太陽光で充電(乾電池不要)できる、軽くて(重さはわずかCD1枚分ほど)、防水(防水・防塵規格IP67準拠)で、使わないときは薄く畳んで、使うときはベルトを引っ張るだけ(超簡単・超便利)、最大72時間点灯する携帯用LEDランタンです。キャリー・ザ・サン(CARRY THE SUN)5種セットは、税込19,030 円
URL:https://www.seishop.jp/shopdetail/000000001038/
・ヘッドライト
スポーツやアウトドア用品として各社から色んな種類が販売されており、価格も性能も、数百円から1万円超の製品まで様々です。個人的には、充電式で、できるだけ軽く、実用点灯時間の長いものが良いかと思います。一例として、重量180グラムで充電式のGENTOS(ジェントス)Gシリーズ「GH-101RG(明るさ450ルーメン/実用点灯:High/6時間、Mid/13時間、Eco/52時間)」は税込7,597 円
URL:https://amzn.to/3Naf2zr [amazon.co.jp]
―――さて、
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