『 地球は壊れている状態にある。 』
“ the state of the planet is broken. ”
アントニオ・グテーレス(1949~ / ポルトガルの政治家 国際連合事務総長(第9代) 元ポルトガル首相(第114代))
格言は、2020年12月2日、米ニューヨークのコロンビア大学で行った地球環境の現状に関する演説より。
曰く―――。
私たちは破壊的なパンデミック、記録的な地球温暖化、記録的な生態系の悪化、より公平かつ包括的で持続可能な開発を目指す世界的目標の新たな後退に直面しています。
We are facing a devastating pandemic, new heights of global heating, new lows of ecological degradation and new setbacks in our work towards global goals for more equitable, inclusive and sustainable development.端的に言うと、この惑星は壊れている状態なのです。
To put it simply, the state of the planet is broken.親愛なる友人たちへ
Dear friends,人類は自然に対して戦争を仕掛けています。
Humanity is waging war on nature.これは自殺行為です。
This is suicidal.自然は常に反撃してきます。そして、それはすでに力と怒りを増しながら始まっているのです。
Nature always strikes back — and it is already doing so with growing force and fury.生物多様性は崩壊しつつあります。100万種が絶滅の危機に瀕しています。
Biodiversity is collapsing. One million species are at risk of extinction.生態系は私たちの目の前で消えつつあります。
Ecosystems are disappearing before our eyes.砂漠が広がりつつあり、
Deserts are spreading.湿地は失われつつあります。
Wetlands are being lost.毎年、1,000万ヘクタールの森林が失われています。
Every year, we lose 10 million hectares of forests.海は乱獲され、プラスチック廃棄物で窒息しています。海が吸収する二酸化炭素は海を酸性化させています。
Oceans are overfished — and choking with plastic waste. The carbon dioxide they absorb is acidifying the seas.サンゴ礁は白化し、死滅しています。
Coral reefs are bleached and dying.大気汚染と水質汚濁では、現在のパンデミックによる犠牲者の六倍以上となる年間900万人が亡くなっています。
Air and water pollution are killing 9 million people annually – more than six times the current toll of the pandemic.また、人や家畜が動物たちの生息地を脅かし、野生空間を破壊しているために、ウイルスなどの病気の原因となる物質が動物から人へと飛び火する可能性があります。
And with people and livestock encroaching further into animal habitats and disrupting wild spaces, we could see more viruses and other disease-causing agents jump from animals to humans.ヒトの新型感染症の75%は動物由来(人獣共通感染症)であることを忘れてはなりません。
Let’s not forget that 75 per cent of new and emerging human infectious diseases are zoonotic.今日、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)より新たに公表された二つの権威ある報告書は、私たちがいかに気候変動による破局にと近づきつつあるかを雄弁に物語るものです。 …(以下省略)…
Today, two new authoritative reports from the World Meteorological Organization and the United Nations Environment Programme spell out how close we are to climate catastrophe.
アントニオ・グテーレス( Antonio Guterres )は、ポルトガルの首都リスボン出身の政治家・外交官。元ポルトガル首相で、現在は潘基文の後任として第9代国際連合事務総長を務める人物。
1949年4月30日、リスボン共和国カスカイス州パレーデに生れる。リスボンのルイス・デ・カモンエス中等学校を経て、リスボン工科大学(インスティトゥト・スペリオール・テクニコ:工科大学)で物理学と電気工学を学び、1971年卒業。当初は電気工学の助教授をしていたが、1974年の社会党入党後に学界を辞め、専業政治家となった。
ポルトガル国会議員(1976年~2002年)、欧州評議会議員総会員(1981年~1983年)、社会党国会議員団長(1988年)、ポルトガル共和国諮問委員会員(1991年~2002年)、社会党書記長(1992年~2002年)、社会主義インターナショナル会長(1999年~2005年)、ポルトガル首相(第114代)(1995年~2002年)を歴任。首相時代には東ティモールでの虐殺を阻止するため国際協力に尽力し、2000年初めには、欧州連合(EU)首脳会議で「リスボン戦略(Lisbon Strategy)」を採択に導き、また欧州理事会議長として第1回EU(欧州連合)・アフリカ首脳会議の共同議長を務めた。国連難民高等弁務官(第10代)事務所長(2005年~2015年)を経て、2017年より国際連合事務総長(第9代)に就任し現職。
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