『 不安は心からである。心の真底に安んじて居る処あれば不安は不安であっても慰藉と伴って居る。 』
三宅雪嶺(1860〜1945 / 哲学者・評論家・ジャーナリスト 文化勲章受章)
格言は『世の中』(大正3年)より。
「慰藉(慰謝)」は、同情し、なぐさめることの意。
曰く―――。
《 不安は心からである。心の真底に安んじて居る処(ところ)あれば不安は不安であっても慰藉(いしゃ)と伴って居る。船の幅の狭いのは動揺が甚(はなは)だしいが、中心の宜(よろ)しきを得て居るのは如何なる波濤(はとう)をも切り抜けて行く。 何でも心からが大切である。 》
三宅雪嶺(みやけ せつれい)は、鹿鳴館に象徴される欧化主義に対して、東洋や日本の固有の価値を正当に評価する「国粋主義」を主張し、陸羯南や徳富蘇峰らとともに明治の近代日本を代表する言論人として知られた。
父は加賀藩家老のお抱え医師・三宅恒、母は蘭学医・黒川良安の妹の滝井の三男として加賀国金沢新竪町(現石川県金沢市)生まれる。本名は雄二郎。
幼少から漢学、英語、フランス語を学ぶ。名古屋の愛知英学校を経て、明治9(1876)年、東京開成学校(翌年に東京大学に改称)に入学。明治16(1883)年、東京大学文学部哲学科(後の帝国大学文科大学)を卒業し、23歳で東京大学準助教授として東京大学編輯所(へんしゅうじょ)に勤め、日本仏教史の編集に従事。後に文部省編輯局勤務をするが、これを辞し、明治21(1888)年28歳の時に井上円了、志賀重昂、杉浦重剛らと「政教社」を創立させ、雑誌『日本人』を発行した。国粋主義に基づく社会批判を行なう一方で、哲学的な著述でも名をあらわし、雑誌「中央公論」などへ多彩な論説を発表した。明治25(1892)年、32歳で元老院議員の田辺太一の長女で小説家・随筆家の龍子(※三宅花圃(みやけ かほ / 1869〜1943))と結婚。のちに5人の子供をもうけ、娘の多美子は衆議院議員・中野正剛の妻となった。
大正12(1923)年以降(昭和20年まで)は政教社を離れ、中野正剛と共同で『我観』を創刊し、67歳のときから同紙に「同時代観(同時代史)」を20年にわたって連載した。昭和20(1945)年11月26日、85歳で死去。
帝国芸術院会員(昭和12年)、文化勲章受章(昭和18年)。
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