『 当人がどれだけ注意していても災難の大半はむこうからやってくる。交通事故と同じだ。 』
伊集院静(1950〜 / 作家・作詞家 CMディレクター 代表作『乳房』)
格言はエッセイ『大人の流儀(講談社 2011年)』の「春」より。
作家の伊集院 静(いじゅういん しずか)氏は、山口県防府市の裕福な在日韓国人の家庭に生まれ、のちに日本に帰化。立教大学文学部を卒業後、広告代理店勤務を経て、テレビCMディレクターとなる。1981(昭和56)年に短編小説『皐月』で作家デビューし、1991(平成3)年『乳房』で吉川英治文学新人賞、翌1992(平成4)年『受け月』で直木賞、1994(平成6)年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002(平成14)年『ごろごろ』で吉川英治文学賞を受賞。
作詞家としても歌手の近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』など大ヒット曲を手がけている。
たいへん美女にモテる男性としても知られ、広告代理店時代に最初の夫人(女優・西山繭子の母)と結婚し数年後に離婚。1984(昭和59)年に女優・夏目雅子と再婚し、神奈川県鎌倉市由比ガ浜で過ごすが、翌年に急性白血病により死別。1992(平成4)年に宮城県仙台市出身の女優・篠ひろ子と再婚した。
2011(平成23)年3月11日の東日本大震災の発生時には仙台市の自宅にいたという。
その様子を夕刊フジ(2011年3月28日)紙面で語っている。
曰く―――
被災から5、6日目、多くの遺体が見つかっているというニュースをラジオで聞いた。周りは死者ばかりなんだ・・・自分は生きているが、本当に生きているのか?なんでこんな切ないんだという悲しみが来た。男の私でそうだから、お年寄りや女性、子どもはもっとだ。ケアしないとその人の一生にかかわる。被災者の近くの人はなるべく声を掛けてほしい。
寒さと余震に震えた。東北の救援が大事なのに、東京からのニュースは原発ばかりで、怒りが込み上げた。人々を生きて救い出してほしいと願った。
被災した側だから言う。東京人は本当に買い占めをする必要があるのか、自らに問い返すべきだ。道徳や規律がなければ“街”ではない。東京人はコミュニティーのない「仮住まい」にいるのだろうか。不道徳の連鎖は卑しい。未来のあるものを優先しなければならない。
■「伊集院静」氏に関連する防災格言内の主な記事
藤本義一 (小説家・放送作家)(2011.01.17 防災格言)
作家 立松和平(2010.02.15 防災格言)
ニュースキャスター 筑紫哲也(2009.09.21 防災格言)
■「東日本大震災」に関連する防災格言内の記事
政府の中央防災会議「災害時の避難に関する専門調査会報告書(2012年3月)」より(2018.02.26 防災格言)
国土交通省東北地方整備局「災害初動期指揮心得(2013年3月)」(2015.03.09 防災格言)
高知県黒潮町「南海トラフ地震・津波の防災計画基本理念(2012年)」(2016.03.07 防災格言)
「津波避難のたすとひく」静岡県警の津波避難啓発標語(2014.11.10 防災格言)
三陸地震大津波(1896年・1933年)の石碑「大海嘯記念碑(岩手県上閉伊郡大槌町)」(2011.11.07 防災格言)
明治三陸地震(1896年)と昭和三陸地震(1933年)の石碑「大津浪記念碑」(岩手県宮古市重茂・姉吉集落)(2021.07.12 防災格言)
南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループ報告書(2013年5月)(2013.06.24 防災格言)
日野原重明(1911~2017 / 医師 聖路加国際病院理事長・名誉院長)(2017.07.24 防災格言)
柴田トヨ(1911~2013 / 詩人 代表作「くじけないで」(2010年))(2019.03.25 防災格言)
やなせたかし(1919~2013 / 漫画家 代表作「アンパンマン」)(2017.03.13 防災格言)
ドナルド・キーン(1922~2019 / アメリカ出身の日本文学・日本文化研究者)(2019.04.22 防災格言)
李登輝(1923~2020 / 台湾の政治家・農業経済学者 元中華民国(台湾)総統)(2015.07.13 防災格言)
江崎玲於奈(1925~ / 横浜薬科大学学長 ノーベル物理学賞(1973年))(2018.03.19 防災格言)
石原信雄(1926~ / 官僚 元内閣官房副長官 元自治事務次官)(2013.10.21 防災格言)
緒方貞子(1927~2019 / 国際政治学者・元国連難民高等弁務官 元国際協力機構(JICA)理事長)(2019.11.18 防災格言)
堤清二(辻井喬)(1927~2013 / 実業家・詩人・作家 元セゾングループ代表)(2013.12.02 防災格言)
亀井利明(1930~2016 / 関西大学名誉教授 日本リスクマネジメント学会創設者)(2019.03.04 防災格言)
明仁上皇陛下(1933~ / 第125代天皇 在位:平成(1989~2019年))(2019.05.06 防災格言)
柳田邦男[2](1936~ / ノンフィクション作家 元NHK記者・解説委員)(2019.03.18 防災格言)
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田部井淳子(1939~2016 / 登山家 女性初のエベレスト・七大陸最高峰登頂者)(2019.12.23 防災格言)
渡辺利夫(1939~ / 経済学者 拓殖大学総長(第18代)・学長 東京工業大学名誉教授)(2020.12.07 防災格言)
ワンガリ・マータイ(1940~2011 / ケニアの環境保護活動家 ナイロビ大教授)(2013.04.22 防災格言)
丸茂湛祥(1940~2020 / 僧侶・日本画家・宗教心理学者 日蓮宗本蔵寺住職)(2013.08.05 防災格言)
江田五月(1941~2021 / 弁護士・裁判官・政治家 東日本大震災時の法務大臣(第86代)・環境大臣(第16代))(2021.08.09 防災格言)
市川森一(1941~2011 / 脚本家・劇作家・小説家)(2017.03.20 防災格言)
サー・ジョン・ベディントン(1945~ / 元英国政府首席科学顧問 オックスフォード大学マーティンスクール上級顧問・教授)(2021.03.22 防災格言)
都司嘉宣(1947~ / 地震学者 理学博士 元東京大学地震研究所准教授)(2013.03.25 防災格言)
津島佑子(1947~2016 / 作家 太宰治の次女 代表作『火の山―山猿記』)(2021.03.29 防災格言)
舩橋晴俊(1948~2014 / 社会学者・専門は環境社会学 法政大学社会学部教授)(2021.12.06 防災格言)
伊集院静(1950~ / 作家・作詞家 CMディレクター 代表作『乳房』)(2012.02.27 防災格言)
本間博彰(1950~ / 児童精神科医・医学博士 元宮城県子ども総合センター所長)(2014.10.06 防災格言)
ケリー・シー(1950~ / アメリカの地震学・地質学者 専門は古地震学)(2015.02.02 防災格言)
君塚栄治(1952~2015 / 陸上幕僚長 東日本大震災時の東北方面総監)(2016.03.14 防災格言)
ジョン・V・ルース(1955~ / 弁護士 駐日アメリカ合衆国大使(第28代))(2018.04.02 防災格言)
チャールズ・カスト(1955~ / 元米原子力規制委員会地域センター長)(2017.2.6 防災格言)
坂茂 (1957~ / 建築家 京都造形芸術大学教授 プリツカー賞受賞(2014年))(2016.03.21 防災格言)
村井嘉浩(1960~ / 宮城県知事 元陸上自衛隊東北方面航空隊パイロット)(2013.10.14 防災格言)
谷川浩司(1962~ / 将棋棋士 永世名人 日本将棋連盟会長)(2013.03.04 防災格言)
廣井悠(1978~ / 都市工学者 東京大学大学院准教授)(2012.03.12 防災格言)
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