防災意識を育てるWEBマガジン「思則有備(しそくゆうび)」

《新型インフルエンザ書評【12冊目】》外岡立人 著「豚インフルエンザの真実―人間とパンデミックの果てなき戦い (幻冬舎新書)」(幻冬舎 2009年)

time 2009/08/20

《新型インフルエンザ書評【12冊目】》外岡立人 著「豚インフルエンザの真実―人間とパンデミックの果てなき戦い (幻冬舎新書)」(幻冬舎 2009年)

自分の身は自分で守る、防災の基本を改めて考え直させる新型インフルエンザ・パンデミック評論。

豚インフルエンザの発生から現在のパンデミック宣言までを、自らが主催するWEBサイト「鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集」でのコメントを追うことで振り返る。



豚インフルエンザの真実
―人間とパンデミックの果て
なき戦い (幻冬舎新書)


おススメ度:★★★☆☆

そして、歴史上のパンデミックをひも解きながら、鳥インフルエンザ(H5N1)の不気味な予兆についても警鐘を鳴らす。新型インフルエンザ対策は、大きく薬学的対策と非薬学的対策とに別れ、我々がとれる対策は後者の社会的隔離対策(感染者が周辺にウィルスを感染させないための学校の休校等)である。
2009年春の豚インフルエンザ対策に、それまで考えられていた対策が全く機能しなかったことは記憶に新しい。今後は、危険度別対策と個人レベルまでの問題の共有化が必要であると筆者は言う。
後書きに、「主体的に自分達の住む社会を守ろうという意識は、日本ではいまだに芽生えていないように、筆者は思う」とある。市民社会が成熟している欧米での対策は、咳エチケットと感染者が外出を控えるための家庭での備蓄が中心のもの、地域をパンデミックから守るための主体的な対策が取られている。
自分の身は自分で守る、防災の基本を改めて考え直させる新型インフルエンザ・パンデミック評論です。

初出:2009年08月20日

          


















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