明日来るかもしれないWHENに備えるための必読書だと言えそうです。
恐ろしいタイトルの本なので、恐怖を煽るだけ煽って中身のないトンデモ本の類かも知れないと思って手に取りましたが、中身は国立感染症研究所の研究員によるきちんとした新型インフルエンザ対策本でした。まず、はじめにで、以下のように断言するところから始まります。
新型インフルエンザ・ 恐怖のXデー (PHP Paperbacks) おススメ度:★★★☆☆ |
「この新型インフルエンザの発生する時をXデーとすると、Xデーはいつとは明言できませんが、必ずやって来ます。そして、そのXデーは、WHO(世界保健機構)では、IFではなく、WHENの問題とされているのです」
第一章では、いわゆる普通のインフルエンザが、もともとは弱毒型の鳥インフルエンザから発生したものであることや、すでにヒト-ヒト感染が実際に起こったと思われる可能性があること、など新型インフルエンザについての事実と予測が語られます。
第二章では、もし新型インフルエンザが発生したら、家に2か月籠城せよ!とし、そのために、食料品、水と飲料、などを2ヶ月分備蓄すべしと述べています。
第三章は特に役に立つ情報が満載で、自分と家族を守る7つの対策をまとめてあります。1. インフルエンザの理解、2. 医療サービスを確認する・・・新型インフルエンザが疑われる場合の受診先、3. 正しい手洗いを習得する、4. 適切にマスクをつける、5. 咳エチケットを身につける、6. 過労を避け、バランスのよい栄養をとる、7. 季節のインフルエンザワクチン接種を受ける となっていて、新型インフルエンザに対して具体的にどのように対策をすればよいかが語られています。
この本は、「新型インフルエンザってすごい!」という驚きで始まります。そして途中からは、「自分はどうなりそうか、家族はどうなるのか」、と考えさせられ、最後には「具体的に何を備えておけばよいのか、発生したらどこに行けばよいのか」というアクションをイメージするところで終ります。明日来るかもしれないWHENに備えるための必読書だと言えそうです。