
現代の人にも社会にも必要な力として「災害弾力性」を説明する。
著者は災害心理学者、正常性バイアス–災害時に人はパニックを起こさない–事を紹介した著者の書「人はなぜ逃げおくれるのか」は有名。
災害防衛論 (集英社新書) おススメ度:★★★☆☆ |
そんな著者が、現代の人にも社会にも必要な力として、災害弾力性を説明する。
災害そのものをコントロールしようとしてきた姿勢を能動的安全とよび、反対に防ぐことのできない災害に対して、その発生を前提とした受動的安全が重要だという。起こる災害に対して、抵抗力を高め、そして災害後の回復力をつける。こうして災害弾力性が高まれば、現代の災害事情に対応できるはずだ。
現代の災害事情を代表する新型インフルエンザ・パンデミックによる予想される大きな災害が、著者が本書を記すことになった大きなキッカケであることは間違いない。