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額田晋(医師・医学者 東邦大学創立者)の「肺結核の予防及治療法」(1923年)の名言 [今週の防災格言672]

time 2020/11/09

額田晋(医師・医学者 東邦大学創立者)の「肺結核の予防及治療法」(1923年)の名言 [今週の防災格言672]

『 予防の第一義は身体の抵抗力を強くするということに帰着する。 』

額田 晋(1886~1964 / 医師・医学者 東邦大学と額田医学生物学研究所の創立者)

格言は著書『肺結核の予防及治療法』(1923年)より。

曰く――――。

《 結核予防の第一義は身体の抵抗力を強くするということに帰着する。それには生活を規則正しくし、皮膚を強くして風邪に罹らぬようにし、身体の栄養を良くし、また出来得るならば成るべく塵埃の少ない清潔なる空気の中で生活すること、そうして総ての生活状態をよくして、肉体的並びに精神的過労を避けると云うことが、之が結核に対する何より必要な予防法である。 ・・・(中略)・・・ 肉体的又は精神的の過労、並びに栄養の不足と云うことが進行性結核の誘発に非常に大なる関係があると云うことは今回の世界大戦以来の独逸の現状を見ても頗(すこぶ)る明かなることである。 》

額田 晋(ぬかだ すすむ)は、大正・昭和期の医師・医学者で「東邦大学(東京都大田区大森西)」の前身である「帝国女子医学専門学校(旧制)」と「帝国女子医学専門学校付属病院」や「額田医学生物学研究所(千葉県稲毛)」を創立した人物。医学博士・理学博士。
妻・かつらが、森鴎外の親友・賀古鶴所(かこ つるど / 医師・済生会病院の発起人)の姪だったことから、結核を隠すために一切の医師の診察を拒んでいた晩年の森鷗外の唯一の主治医となった人物として特に著名。
実兄の医師・額田 豊(1878~1972)は、東邦大学の共同創立者で、日本大学医学部医学科の初代医学科長を歴任した。

1886(明治19)年12月22日、代々医家を勤める家系の次男として岡山県邑久郡長船町飯井村(現在の瀬戸内市長船町)に生まれる。曽祖父の額田太仲(1809~1870)、祖父一中(1834~1898)、父篤太(1857~1901)はともに備前国赤坂郡(岡山県)で重きをなした医師であった。
幼少期から虚弱体質だった晋は、独逸学協会学校(旧制・現在の獨協中学高等学校)への入のため上京すると、兄・豊のもとに身を寄せ、兄の指導により規則正しい生活を送るようになり、次第に健康になったという。兄の影響で、中学から大学までボート部に所属し、高校時代には水泳部に入った、という。
独逸学協会学校を卒業すると第一高等学校に進学し、1912(明治45)年に東京帝国大学医科大学を卒業。優等卒業生として恩賜の銀時計を授与された。東京帝国大学医科大学校内科学の青山胤通(1859~1917)、薬理学教室の林 春雄(1874~1952)に師事し、1917(大正6)年から翌年までアメリカのハーバード大学に私費留学し、帰朝後、医学博士の学位授与。順天堂医院の研究所所長、東京帝国大学医学部の講師を経て、中国の北京協和医学校に赴任。帰国後の1925(大正14)年に兄豊と共に帝国女子医学専門学校を創設すると、兄は理事長として経営に努め、弟の晋は初代校長(後に東邦大学学長)として後進の指導に努めた。1926(大正15)年には理学博士の学位を得て、神田に額田内科病院、千葉県稲毛に額田医学生物学研究所を設立。
幼年期より多くの近親者の死を体験し、また医者として多くの患者を看て、主治医として敬愛する森鴎外の死生観(1922年)に接し、そして関東大震災(1923年)の体験などから、学校教育では「心の教育(修身教育)」に重きを置いた。昭和初期には“人間も生物であり全ては大自然の法則に従って流れてゆくものである”との自身の哲学から、自然科学的な知識に基づく死生観・人生観(「科学的人生観」と呼ぶ)の必要性を提唱し、その道徳的な教えを説いた。
1964(昭和39)年9月29日、千葉県で死去。77歳。
額田 晋(1886~1964 / 医師・医学者 東邦大学創立者)

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<防災格言編集主幹 平井 拝>

 

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