『 身体を健康に久しく保持せむとするには必ず養いになる食物を摂取すべきである。 』
松下禎二(1875~1932 / 医学者 京都帝国大学衛生学教室教授 政治家・衆議院議員)
格言は随筆『生物の最大慾は食にあり』(「衛生百話」(1920年))より。
曰く―――。
吾人が食餌を摂るは即ち自己の身体を保持せむが為めである。身体なくして何にかせむ。身体ありてこそ勉強努力もし又功名手柄をなさむとも志すのである。
身体を健康に久しく保持せむとするには必ず養いになる食物を摂取すべきである。故に如何なる食餌が吾人の健康を保つ資となり、又は不健康の因(もと)となるものなるやは熟知し置かねばならぬ。
また、具体的な食事は『 美食よりも良食を摂れ 』と薦める。
食物は即ち身体を養う目的に摂るものである。
美食必ずしも滋養となるものでない、高値の食品必ずしも養素でない。又化学的分析の結果によりて栄養価を云々すべきものでない。分析の結果によれば養価多きも、其の有効成分が木材質や又は他の消化せられざる物質にて包まれ消化液によりて消化せられ且つ腸壁から吸収せられざることがある。例えば卵や肉を鉄の箱に入れ嚥下するも何ら栄養の価値はない、却って其の塊粗大、且つ硬剛(こうごう)なる為め腸胃を害する源(もと)となる。但し分析の結果は唯だ鉄が多数混じ居るだけで蛋白や脂肪等実に申分なき栄養素を含有して居るのである。故に衛生学者は食品の養価を定むるには分析の成績によらずして腸から吸収せらるゝ量即ち活用せらるゝ量の多寡によりて定むるのである。
… … …
松下禎二(まつした ていじ)は、明治から昭和初期に活躍した薩摩出身の医学者(専門は衛生学・細菌学・微生物学・免疫学)。ドイツ私費留学を経てまとめられた論文が話題となり、29歳で京都帝国大学医科大学衛生学教授となった人物。医学博士・理学博士。
1875(明治8)年6月21日、鹿児島県高城郡西方村(現・薩摩川内市)の士族・松下文一の次男に生まれる。
1890(明治23)年、第五高等中学校医学部(現・長崎大学医学部)に入学し、1894(明治27)年卒業。1897(明治30)年、ドイツに私費留学しフライブルク大学・ギーセン大学・ハルレ大学・ブレスラフ大学で医学・衛生学・細菌学・物理学・哲学などを学び、医学博士・理学博士の学位を得て明治35(1902)年に帰国。日本でも、枯草熱(花粉症)や結核等の論文により1903(明治36)年に医学博士の学位を得て、同1903(明治36)年10月、急逝した坪井次郎(1863~1903)の後任として京都帝国大学医科大学教授に就任、衛生学教室(講座)を担当し、衛生学・微生物学を講じた。1907(明治40)年には、国際会議に日本代表として出席し、翌1908(明治41)年に正六位に叙される。1913(大正2)年には、理学博士の学位を得て、1916(大正5)年以降は新設された微生物学教室(講座)の初代担当教授となった。
1920(大正9)年、京都帝国大学教授を辞して、第14回衆議院議員総選挙に鹿児島五区から出馬し当選し代議士となり、1932(昭和7)年6月23日58歳没。
著書に『免疫学及び伝染病論』『結核病論』『免疫学講義』『寄生物診断学』『伝染病各論』『新撰生理衛生』など多数。

松下禎二博士
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