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ウルリッヒ・ベック（1944～2015 / ドイツの社会学者「リスク社会論」の第一人者）の著書「変態する世界」の名言 [今週の防災格言566]

time 2018/10/29

『気候変動は、国家が世界の中心ではないことを教えている。』

“Climate risk teaches us that the nation is not the centre of the world.”

ウルリッヒ・ベック（1944～2015 / ドイツの社会学者「リスク社会」を提唱）

格言は著書『The Metamorphosis of the World: How Climate Change is Transforming Our Concept of the World）』より。
（邦題：訳枝廣淳子、中小路佳代子「変態する世界(岩波書店 2017年)」）

ウルリッヒ・ベック（Ulrich Beck）は、ドイツを代表する社会学者。
チェルノブイリ原発事故が起こった1986年に著書「危険社会（リスク社会：もう一つの近現代への途）」を発表したベックは、この本の中で、経済と科学技術が発展し近代化が進んだ現代社会を、富を得ると同時にリスクを生産する「リスク社会」と位置づけた。
天災のように人の営みに関係なく発生する「危険」と、事故のように人が何かをおこなった行為に伴う危険を「リスク」と位置づけ明確に区分した。

1944年5月15日、ポンメルンのシュトルプ（ポーランド領スウプスク）ポメラニアの町に生まれ、ニーダーザクセン州ハノーバーで育った。1966年、ミュンヘン大学で社会政治学を学び、1972年に博士号を取得。卒業後はミュンヘンで社会学者として働き、1979年にミュンヘン大学で社会学教授資格を取得後、同年よりヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学（ミュンスター大学）教授となった。1981年にオットー・フリードリヒ大学バンベルク（バンベルク大学）教授、1992年から亡くなるまでルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン（ミュンヘン大学）教授・社会学研究所所長及びロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学教授を務めた。
1986年に発表した「危険社会」は世界的ベストセラーとなり、以降は「リスク社会論」の第一人者として大きな影響力を持ち、ゲアハルト・シュレーダー元ドイツ連邦首相の相談役的存在となるどなどドイツを中心にヨーロッパ、東アジアで気候変動や原子力の国際的研究で活躍。2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故を受け、脱原発を提言したドイツ政府の諮問機関「倫理委員会」のメンバーも務めた。
2015年1月1日、心筋梗塞により死去。70歳。

Ulrich Beck in May 2012 via wikipedia