【2023年4月1日~4月30日】
今月の防災・危機管理ニュース
ピックアップ13選
- 【弾道ミサイル・全国瞬時警報システム(Jアラート)】北朝鮮ICBM発射…北海道に「Jアラート」発出も訂正 [2023/04/13]
- 【弾道ミサイル・全国瞬時警報システム(Jアラート)】「解除」の内容を明確に…文言変更へ [2023/04/25]
- 【空間除菌に根拠無し・景表法違反】大幸薬品「クレベリン」課徴金6億円 過去最高額 [2023/04/11]
- 【陸上自衛隊ヘリ事故】捜索続く [2023/04/06-]
- 【国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会年次報告書】北朝鮮サイバー攻撃、暗号資産1320億円以上窃取…過去最高[2023/04/05]
- 【内閣府・安全保障】国境離島のモニタリングに着手、領海の喪失防ぐ [2023/04/25]
- 【新型コロナ】5月8日に「5類移行」正式決定(厚生労働省)[2023/04/27]
- 【スーダン情勢悪化】国軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」の戦闘続く [2023/04/15-]
- 【人口問題研究所】2070年までの日本の将来推計人口を公表 [2023/04/26]
- 【食料安保強化へ・G7農相会合】食料安全保障の強化に向け「持続可能な生産性向上を支援」(宮崎市)[2023/04/23]
- 【努力義務化・自転車ヘルメット】頭部の保護が重要です…ヘルメット着用に比べ死亡率が約2.1倍(警察庁調べ) [2023/04/01]
- 【福島第一原発】放射性物質に汚染の配管 撤去作業が難航 [2023/04/23]
- 【防衛の最前線基地を開設】新たに陸上自衛隊の先島諸島「石垣駐屯地」を開設 [2023.04.02]
【弾道ミサイル・全国瞬時警報システム(Jアラート)】
北朝鮮ICBM発射…北海道に「Jアラート」発出も訂正 [2023/04/13]
2023年4月13日7時22分頃、北朝鮮の平壌付近からICBM級弾道ミサイル1発が高い角度で東方向に向けて発射されました。約1,000km程度飛翔し、日本海の排他的経済水域(EEZ)外に落下したものと推定されます。午前7時55分には北海道周辺に落下する可能性があるなどとしてJアラートが発出されましたが、その後午前8時16分に訂正されています。
読売新聞 > 北ミサイル 朝の北海道 緊張走る…JRなど一時運転停止(2023/04/13)
読売新聞 > 「北海道落下」とJアラート発令の飛翔体、ミサイルから「分離」した部品か…防衛省分析(2023/04/21)
読売新聞 > 北ミサイル発射後のJアラート、初の「領域内に落下」予測…「空振り」リスクより迅速性を優先(2023/04/14)
【弾道ミサイル・全国瞬時警報システム(Jアラート)】
「解除」の内容を明確に…文言変更へ [2023/04/25]
4月25日、政府は、全国瞬時警報システム(Jアラート)の文言を変更したと発表しました。弾道ミサイルの発射後、日本の領域内には落下しないと分かった際、避難の呼びかけを解除するとの内容を明確にし、ミサイルを破壊した際にも情報を出すとしています。これまでの「避難解除」は文字数制限などの理由で、自治体向けの緊急情報ネットワークシステム「エムネット」のみで配信していましたが、4月13日の北朝鮮ミサイル発射を受けて改善を求める声がありました。
【空間除菌に根拠無し・景表法違反】
大幸薬品「クレベリン」課徴金6億円 過去最高額 [2023/04/11]
4月11日、消費者庁は、空気中のウイルスや菌を除去できるとした「クレベリン」の表示や広告には根拠がなく景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、製造・販売する大幸薬品に6億744万円の課徴金納付命令を出しました。同法に基づく課徴金命令額として、2020年6月のフィリップモリスジャパンの5億5274万円を抜き、過去最高額となった。
【陸上自衛隊ヘリ事故】
捜索続く [2023/04/06-]
4月6日、沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊の師団長ら幹部隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶ちました。防衛省は「航空事故」として捜索をしましたが、発見に至るまでに時間がかかったために、ネット上では“攻撃を受け墜落したのでは”といった「根拠の無い憶測」が飛び交いました。
読売新聞 > 陸自ヘリ不明、幹部8人不在に衝撃…1機同乗にはOBら理解示す(2023/04/08)
【国連安全保障理事会北朝鮮制裁委員会年次報告書】
北朝鮮サイバー攻撃、暗号資産1320億円以上窃取…過去最高 [2023/04/05]
4月5日(ニューヨーク現地時間)、対北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する国連安保理事会(UNITED NATIONS SECURITY COUNCIL)北朝鮮制裁委員会(1718 Sanctions Committee)の専門家パネルによる2022年最終報告書(年次報告書)を公表されました。
北朝鮮が2022年にサイバー攻撃で窃取した暗号資産(仮想通貨)は最大10億ドル(約1320億円)を超え、過去最高額だったと指摘し、2021年から2倍以上に膨れ上がったという。より巧妙な技術が使われるようになっていると指摘している。
また、報告書によると、「核・弾道ミサイル計画」は継続しており、2022年には、弾道ミサイルなど少なくとも73発が発射された。「海洋関連」では、北朝鮮EEZ内での石油精製品の違法な「瀬取り」、北朝鮮領海内での貨物の違法な「瀬取り」、北朝鮮籍船舶による中国領海内での石炭の輸出などが継続されており、制裁違反・回避活動に中国企業等の強い関与の疑いが明らかにされているという。
外務省 > 国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネル2022最終報告書の概要(2023/04/06発表)
ロイター > 北朝鮮が「高度な」サイバー攻撃、22年は過去最高の暗号資産1320億円以上窃取(2023/04/06)
読売新聞 > 北朝鮮が「高度な」サイバー攻撃、22年は過去最高の暗号資産1320億円以上窃取(2023/04/06)
朝日新聞 > 北朝鮮、盗んだ暗号資産は1300億円超か 「最高額」国連が報告書(2023/04/07)
読売新聞 > 対北制裁違反、たばこ世界大手BATに米司法省が罰金840億円…「ケント」など展開(2023/04/26)
JETRO > 国連安保理の北朝鮮専門家パネル、最終報告書を公表(韓国、北朝鮮、日本、米国)(2023/04/07)
国連 > 1718 Sanctions Committee (DPRK)Panel of ExpertsReports(2023/03/07)
【内閣府・安全保障】
国境離島のモニタリングに着手、領海の喪失防ぐ [2023/04/25]
日本の領海や排他的経済水域(EEZ)の範囲に影響を与える島や低潮高地を「国境離島」として国が保全・管理しており、2022年度までの調査で確認されている日本の国境離島は473島あるという。この国境離島の土地の所有・利用をめぐっては、かねてから、安全保障上の懸念が示されていた。また、国境離島が波の浸食などで消失した場合、日本の領海の基点となる領海範囲に影響する恐れがあるため、政府は海洋権益の確保や国土保全を目的に確認作業を進めている。しかし、本土から遠く離れた国境離島は日常的に状態を確認することが難しい。そこで、政府はこれらの島々をデータベース化し管理体制を強化し、外国資本からの買収などに備え、国境離島内の土地売買の規制強化などを盛り込んだ新法「重要土地等調査法」(2021年6月23日公布。2022年9月20日施行)を盛り込んできた。日経クロステックの記事では、内閣府では「国境離島」の消失を防ぐため、継続的なモニタリングに着手するとしており、2023年度は、重点的に状況を把握する対象を決め、今後のモニタリング結果を見て、対策工事が必要かどうかを判断するという。
日経クロステック > 内閣府が国境離島のモニタリングに着手、領海の喪失防ぐ(2023/04/25)
読売新聞 > 【独自】国境の2離島が消失か、存在を確認できず…領海に影響する恐れ(2021/02/19)
【新型コロナ】
5月8日に「5類移行」正式決定(厚生労働省)[2023/04/27]
4月27日、厚生労働省は、専門家による部会で現在の感染状況や変異株の状況などを踏まえ、新型コロナの感染症法上の位置づけについて、5月8日に季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行することを正式に決定し、加藤厚生労働大臣が会見で5類への移行を正式に公表しました。
【スーダン情勢悪化】
日本政府、スーダン在留邦人らの退避オペレーションを敢行 [2023/04/15-]
長く政情不安を抱えている北アフリカのスーダンで、民政移管をめぐって国軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」が対立を深め、4月15日には戦闘が始まった。激しい戦闘が続くスーダンの首都ハルツームで4月18日に予定されていた24時間の人道的停戦も守られず、戦闘が続いていることで、住民の食料や水が不足しているという。4月24日(現地時間)、日本政府は、在留邦人の保護のため、防衛省・自衛隊、関係省庁と各国・国際機関が緊密に連携し一連の退避オペレーションを実行し、在留邦人とその配偶者及び子、合計45名を、航空自衛隊のC-2輸送機にてスーダン東部のポートスーダンからジブチに退避させました。また、別途、フランスや赤十字国際委員会の協力を受け、合計4名の邦人が既にスーダンからジブチやエチオピアに退避しています。
外務省 > スーダン共和国からの邦人等の退避について(2023/04/25公表)
外務省 > 在スーダン日本国大使館の一時閉館とジブチにおける臨時事務所の設置について(2023/04/25公表)
NHK > スーダン 邦人を陸路で移動後 自衛隊機で退避の計画など検討(2023/04/23)
読売新聞 > スーダン在留邦人と家族、首都からの退避完了…うち45人は陸路670キロを複数ルートで移動(2023/04/25)
読売新聞 > [深層NEWS]スーダン邦人退避「関係国としっかり調整、成功だった」…元海自司令官の香田氏(2023/04/25)
読売新聞 > スーダン情勢悪化、国連安保理が緊急会合…国軍側代表「内政問題だ」(2023/04/26)
読売新聞 > スーダンで「公衆衛生研究所占拠」、病原体の流出懸念…停戦合意後も戦闘続く(2023/04/26)
BBC > スーダン、24時間の停戦守られず 死者200人近くに(2023/04/19)
BBC > スーダン国軍、英米仏中の外交官らの国外退避支援に同意 「脱出作戦実施した」と米大統領(2023/04/23)
【人口問題研究所】
2070年までの日本の将来推計人口を公表 [2023/04/26]
4月26日、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が、2070年までの日本の将来推計人口を公表しました。総人口は、2020年の1億2615万人から2070年には約3割減少し、8700万人となり、このうち外国人が1割を占めると推計。出生数は2070年に50万人となるなど、人口減少の流れは変わらず。65歳以上の高齢者人口は2043年に3953万人でピークを迎え、「高齢化率」は、2020年の28.6%から2070年には38.7%に上昇し、社会保障費が膨れ上がると推計した。
【食料安保強化へ・G7農相会合】
食料安全保障の強化に向け「持続可能な生産性向上を支援」(宮崎市)[2023/04/23]
4月23日、宮崎県宮崎市で開かれた先進7か国(G7)農相会合で閣僚声明がまとめられました。食料安全保障の強化に向けて「持続可能な生産性の向上を支援する政策の促進にコミット(関与)する」と明記され、ロシアのウクライナ侵略や気候変動による食料供給の不安定化を背景に、既存の国内資源を有効活用して生産拡大を進める方針が盛り込まれました。
NHK > G7農相会合が閉幕 ウクライナ農業支援など閣僚声明を採択(2023/04/23)
読売新聞 > G7農相「宮崎アクション」採択…「食料安全保障の議論に一石」(2023/04/24)
読売新聞 > G7農相、食料安保強化へ「持続可能な生産性向上を支援」…閣僚声明に明記(2023/04/23)
読売新聞 > G7が食料の安定供給で結束へ、農相会合と労働雇用相会合始まる…「人への投資」など議論も(2023/04/22)
【努力義務化・自転車ヘルメット】
頭部の保護が重要です…ヘルメット着用に比べ死亡率が約2.1倍(警察庁調べ) [2023/04/01]
4月1日から道路交通法の改正により自転車に乗る全ての人のヘルメット着用が努力義務化がされましたが、4月27日の警察庁がまとめたサイト情報によると、2018年から2022年までの5年間に、自転車事故が原因で死亡した人は2005人で、そのうち半数以上の1116人が頭部に致命傷を負い死亡し、このうちヘルメットを着用していたのは43人だけで、96%(1071人)はヘルメットをかぶっていなかったことが分りました。
警察庁 > 頭部の保護が重要です~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~
読売新聞 > 自転車死亡事故の半数は「頭に致命傷」、うち96%はヘルメットかぶらず(2023/04/27)
読売新聞 > 自転車ヘルメット着用率2割どまり、持ち運びの煩雑さや購入費用がネック(2023/04/01)
【福島第一原発】
放射性物質に汚染の配管 撤去作業が難航 [2023/04/23]
4月23日のNHKニュースより。東京電力福島第一原子力発電所では、事故の際に高い濃度の放射性物質に汚染されたSGTS配管を撤去する作業が去年3月から行われていますが、相次ぐトラブルで、当初の予定を1年以上過ぎても終わらず、廃炉作業の難しさが改めて浮き彫りになっています。
【防衛の最前線基地を開設】
新たに陸上自衛隊の先島諸島「石垣駐屯地」を開設 [2023.04.02]
4月2日、政府が「防衛の最前線」と位置付ける先島諸島の石垣島に新たに陸上自衛隊の駐屯地が開設され、その開設記念式典が行われました。