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2022年7月の 防災・危機管理ニュース をピックアップしてお届けします。
【 2022年7月1日~7月31日 】

time 2022/08/01

2022年7月の 防災・危機管理ニュース をピックアップしてお届けします。<br />【 2022年7月1日~7月31日 】
表紙画像:桜島噴火 7月24日20時05分の南岳山頂火口の爆発(気象庁・桜島 牛根監視カメラ)

【2022年7月1日~7月31日】
今月の防災・危機管理ニュース
ピックアップ13選

 


 

【桜島が噴火】
一時、噴火警戒レベル3(入山規制)からレベル5(避難)に引き上げ

2022年7月23日夜、桜島で爆発的な噴火が発生し、噴石が火口から2.5キロ離れた居住地域にまで達したと判断し、気象庁は7月24日(日曜日)20時50分、鹿児島の桜島の噴火警戒レベルを、レベル3(入山規制)からレベル5(避難)に引き上げました。噴火警戒レベルが設定されてから、桜島でレベル5になるのは初となります。桜島周辺には、およそ3400人が住み、火口近くの地域33世帯51人に避難指示が出されました。その後、桜島では南岳山頂火口および昭和火口から2キロを超える範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったことから、7月27日(水曜日)20時に気象庁は、噴火警戒レベルを4日ぶりにレベル3(入山規制)に引き下げました。しかし、現在も噴火活動が続いていることから、気象庁は南岳山頂火口および昭和火口からおおむね2キロの範囲内では、噴火に伴い、弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

 

【富士山噴火】
桜島噴火から一夜、富士山ふもとで地震相次ぐ…SNSで噴火の予兆かと心配の声多数

静岡県の富士山と伊豆東部火山群は、マグマ活動に伴う噴火の恐れから気象庁により24時間態勢の監視が続けられている火山です。桜島の噴火(7月23-24日)から一夜明けた7月25日朝、静岡県東部を震源とする地震が相次ぎ発生しました。静岡地方気象台は、「震源地とは距離が離れており富士山との関連はない。活動状況にも変化はない」としています。静岡県東部では、7月25日朝7時17分に富士宮市で最大震度3(M3.4 深さ20km)を観測する地震が発生して以降、翌7月26日正午までに同じ震源地付近で計6回の地震が相次いだ。

 

【サル痘】
世界保健機関(WHO)「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は7月23日、欧米を中心に世界中で感染拡大が続く「サル痘」について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当すると宣言しました。WHOの緊急事態宣言は、2020年1月30日に新型コロナに対して出されて以来となります。現時点で、サル痘の感染拡大におけるはっきりとした原因は判明していないが、一部では男性間同性愛者による性的接触が主要因とされている。日本国内でも7月26日、28日に1例目・2例目の感染者が見つかった。7月25日、米疾病対策センター(CDC)の集計によると、アメリカのニューヨーク市で感染者が1000人を超えていることがわかった。これまで、欧州を中心に感染拡大が進んでいたが、米国においても急速に感染流行が広がっており、米政府は160万回接種分に当たるサル痘ワクチンの準備を進めているという。

 

【過去最速の“梅雨明け”一転、見直しか?】
猛暑過ぎ去り連日の雨


今年6月末頃にかけて日本各地で、記録的に短かった梅雨が明け、猛暑日が目立つようになりました。東京都心では6月25日に過去最も早い猛暑日(35℃)を記録し、それ以降7月3日まで「過去最長 9日連続猛暑日」を記録しました。ところが、7月(7月4日頃)に入ってからは天気が一転し、台風4号(アイレー)の影響もあり各地で雨が続き、7月中旬までには「梅雨が戻ったようだ」と言われるようになりました。気象庁が発表している「梅雨明け」は、あくまでも「速報値」のため、最終的な梅雨明けが「○月○日ごろ」と確定するのは例年9月に入ってからなのだそうです。

 

【安倍元首相、死去】
安倍晋三元首相 銃撃される

7月8日、選挙応援のために奈良市(近鉄大和西大寺駅前)で街頭演説をしていた安倍晋三元総理大臣が手製の散弾銃で撃たれ亡くなりました。容疑者(41)はその場で現行犯逮捕されました。

 

【鬼怒川水害訴訟・水戸地裁】
水害訴訟で異例の住民側勝訴、行政に3900万円支払い命じる判決

2015年9月の豪雨で鬼怒川が氾濫し、茨城県常総市で浸水被害が起きたのは河川管理の不備が原因だとして、住民ら約30人が国に賠償を求めた訴訟の判決が7月22日、水戸地裁で言い渡された。阿部雅彦裁判長は、国が治水安全を維持するための義務を怠ったと認定し、国に対して、原告のうち9人に計約3900万円を支払うよう命じた。水害訴訟で国を含めた行政機関に賠償命令が出されるのは異例だ。河川管理行政の責任を問う過去の裁判では、行政側の責任は限定的とした「大東水害訴訟」の最高裁判決(1984年)以降、住民側が敗訴するケースが大半だった。今回の判決は、堤防が決壊した上三坂地区について、この基準を引用。一方、砂丘林が削られ、明らかに危険な状態となっていた若宮戸地区については、築堤などの整備もしないまま、「河川区域」指定も怠っていた国の瑕疵を認めた。問題の砂丘林は民有地だが、阿部裁判長は、河川法で規制が及ばない土地でも、「重大な被害の発生が予見できる場合、私権の制約に優越する利益があることは明らか」と述べた。

 

【新型コロナウイルス・第7波】
国内の1日の新規感染者20万人超え…各地で過去最多更新

7月23日、新型コロナウイルスの1日の感染確認数が初めて20万人を超え、28日には23万超え、連日のように各地の新規感染者が過去最多を更新しています。日本では感染力が強いオミクロン株の新系統「BA・5」により感染者が急増し、流行の「第7波」を迎えています。世界保健機関(WHO)は7月27日、日本の新型コロナウイルスの新規感染者数が7月24日までの1週間で約97万人に上り、世界で最多だったと発表しました。国別では、ここ一週間の新規患者数が最も多かった日本(969,068例、+73%)に次いで、米国(860,097件、-3%)、ドイツ(565,518件、-16%)、イタリア(531,327件、-26%)の順となっています。

 

【中国の脅威・台湾進攻問題】
防衛相「2022年版防衛白書」を公表…中国の台湾侵攻「現実の脅威」と位置付け

7月22日、防衛省は「2022年版防衛白書」を公表しました。このなかで中国とロシアの軍事動向への警戒レベルが引き上げられ、特に台湾情勢をめぐる記述が去年から倍増し、中国による台湾侵攻を「現実の脅威」と位置付け「安全保障上の強い懸念」と指摘しています。日本の経済界にも「脱中国」の決断が迫られていると指摘する識者もおり、今後の動向が注目されます。

 

【伊豆沖「大室ダシ」海底活火山】
7000年~1万年前に噴火した可能性…国内112個目の活火山か?

伊豆大島の南にある「大室ダシ」と呼ばれる海底火山がおよそ7000年~1万年前に噴火した可能性があることが海洋研究開発機構と国立科学博物館などのチームの調査で判明しました。気象庁の火山噴火予知連絡会では、およそ1万年以内に噴火した火山を「活火山」と認定しており、日本国内には現在111火山があります。大室ダシを巡っては、これまで予知連で活火山かどうか議論されてきましたが、今回の研究成果を基に活火山かどうかを検討する方針としています。現在、伊豆大島には約7000人、利島には約300人が暮らしており、新たな活火山と認定された場合、気象庁や東京都は観測機器の設置や噴火対策などを検討する必要があります。

 

【電力の安定供給へ】
電気料金“値上げ”今後も“値上がり”続く見通しも…

内閣府の原子力委員会は7月28日、2021年度版の「原子力白書」を公表しました。脱炭素化やウクライナ危機に伴うエネルギー供給不安を受け、原子力発電活用の是非を検討。電力安定供給に利点がある半面、放射性廃棄物などの課題を抱えており、今後のエネルギーの在り方について、国民が「じぶんごと」として議論する必要性を訴えました。今年6月には東京電力管内で「電力需給ひっ迫注意報」が出され、大手電力4社は8月に電気料金を値上げすると発表しています。

 

【KDDI・大規模通信障害】
auの携帯電話 大規模通信障害 が発生…延べ3091万人以上に影響

7月2日、通信大手のKDDIが展開するauの携帯電話サービスなどで過去最大規模となる大規模通信障害が発生し、発生から復旧までにおよそ86時間(7月5日まで4日間)を要し、警察や消防への緊急通報も不通になるなど、深刻な影響が出ました。障害はauのほか、同じ回線を使っているUQモバイルとpovoのサービス。この影響により、気温や雨量などを観測する気象庁の「アメダス」のデータ受信トラブルが発生し、全国およそ1300の観測点のうち、897の観測点が影響を受けました。KDDIは7月28日、再発防止策などを盛り込んだ報告書を総務省に提出し、原因は、保守・点検作業の際に機器の設定を誤ったことだと明らかにしました。

 

【マイクロソフトTeams・サービス障害発生】
世界規模でメッセージなど送信できず

7月21日、米マイクロソフト(MS)のオンライン会議や通話、メッセージのやり取りを行う業務ソフト「Microsoft Teams」や「Microsoft 365」をはじめ、Microsoftの各種サービスが利用できなくなる障害が世界規模で発生しました。このサービス障害は米国時間7月20日夕方に始まり、21日の朝まで続きました。マイクロソフトは公式サイトを立ち上げ、原因については内部のストレージ(記憶装置)への接続に支障が出たためと公表しています。

 

【中国の宇宙ゴミ】
中国の大型ロケット残骸(20トン)、来週初めに地球に落下…米軍予測「具体的な落下地点は不明」

米CNNは7月26日、米軍の予測として、中国が7月24日に打ち上げた大型ロケット「長征5号B」の残骸(約20トン)が8月前半に地球へ落下する可能性があると報じました。通常であれば落下による被害を防ぐため、海洋の遠く離れた場所に制御して落とすが、制御されていない状態で落下するとみられており、また具体的な落下地点も不明としている。同様の事例として、昨年に中国が打ち上げた大型ロケットの残骸が、無制御とみられる状態で、インド洋の島国モルディブ付近の海域に落下したことがあった。古い衛星などの宇宙ゴミは毎日地球の大気圏に再突入するが、地表に落ちる前に燃え尽きるため、そのほとんどは気付くことはなく、リスクは非常に小さいという。ただ、現在、宇宙軌道上には大量の宇宙ゴミなどが存在しており、科学誌Nature Astronomyに7月11日に掲載された論文では、10年間に制御不能な宇宙ゴミなどの落下で犠牲者が出る確率は10%あると警告されている。中国の宇宙ごみ管理に対し、国際的な批判が出そうだ。

 

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2022年1月の 防災・危機管理ニュース をピックアップしてお届けします。【 2022年1月1日~1月31日 】

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