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2023年02月の 防災・危機管理ニュース をピックアップしてお届けします。
【 2023年2月1日~2月28日 】

time 2023/02/28

2023年02月の 防災・危機管理ニュース をピックアップしてお届けします。<br />【 2023年2月1日~2月28日 】
2月6日、トルコ南部を二度の大地震が襲った

【2023年2月1日~2月28日】
今月の防災・危機管理ニュース
ピックアップ13選

 


 

【トルコ大地震】
トルコ南部が9時間で2度の大地震に襲われる

2023年2月6日午前4時17分(日本時間同日午前10時17分)、トルコ南部でマグニチュード7.8の大地震が発生しました。その9時間後には最初の地震の震源地のすぐ近くでマグニチュード7.5の2回目の大地震が起きました。二度の大地震によりトルコと隣国シリアでは16万棟以上の建物が全半壊する甚大な被害となりました。2月23日までに死者は5万人を超え(行方不明者数は不明)今世紀最悪級の大震災となっています。

 

【中国気球撃墜事件】
中国の軍事偵察用と思われる気球がアメリカ大陸を横断し撃墜される

2月2日、米国防総省はアメリカ領空に中国の気球が入った事を公表。2月4日、南東部サウスカロライナ州沖にて米軍戦闘機F22が空対空ミサイルにより気球を撃墜され、気球の残骸は2月16日までに全て回収されました。中国は「気象研究用だった」と主張していますが、アメリカ政府は、気球に通信傍受用のアンテナなどが搭載されていたとして軍事偵察用の気球とみて回収した破片の分析を進めています。この結果を受けて、日本政府は、2月中旬、自衛隊の武器使用基準の見直しを進め、民間機の安全に影響がある場合には自衛隊による無人機(気球やドローン)の撃墜が可能となりました。異例ともいえるスピードで法改正がされた背景に台湾有事が念頭にあることも伺えます。

 

【ウクライナ侵攻1年】
2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年

2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから1年が経ちました。未だウクライナ東部などを中心に激しい戦闘が続いており、戦闘終結の道筋は見えない状態が続いています。

 

【北海道根室市で地震(震度5弱)】
網走・釧路・根室で長周期地震動「階級1」観測

2月25日午後10時27分頃、北海道の釧路沖を震源とするマグニチュード6.0の地震があり、北海道根室市や標津町で最大震度5弱を観測したほか、釧路市、浜中町、白糠町、中標津町など12市町村で震度4を観測し、JR花咲線や釧網線で一部の列車が運休となりました。この地震で、北海道から関東にかけての広い範囲で有感となりましたが、大きな被害は報告されていません。今回の地震では高層ビルなどを揺らすことがある、大きくゆっくりとした揺れ、長周期地震動「階級1」が、網走地方、釧路地方北部、釧路地方中南部、根室地方中部で観測されました。「階級1」は、4つある階級のうち最も小さく、「室内にいたほとんどの人が感じる」とされています。
気象庁は、地震発生から1週間ほど最大震度5弱程度の地震に注意を呼びかけています。

 

【地震被害想定、大阪府が見直しへ】
近年の対策効果踏まえ、浸水エリア精査へ

現在、政府では昨年(2022年)11月から「中部圏・近畿圏直下地震」の被害想定の見直しに向けた内閣府の有識者検討会を開いて、2024年度までに建物被害や死者数の想定を修正する予定となっています。
大阪府で発生の恐れのある地震の現在の被害想定は、2006年度に公表された上町断層帯の直下型地震(死者最大1万3千人)、2013年度に公表された南海トラフ巨大地震の死者最大13万3千人とされていますが、公表から時間が経った現在までに、防潮堤強化など津波対策、道路拡幅による住宅密集の解消などが進んでいます。大阪府では、現行の防災計画が2024年度に取り組みの期限を迎えることから、20204年度に建物被害や死者数の想定を修正し、現状に即したより効果的な「府地震防災アクションプラン」の策定につなげるとしています。

 

【災害時における安否不明者の氏名等の公表】
政府(内閣府)自治体向け指針案を公開

2月8日、内閣府は、災害時に所在がつかめない住民の氏名公表に関する自治体向け指針案を公開しました。災害に巻き込まれたか判断できない「安否不明者」は、家族の同意なしで発生72時間以内に迅速に公表することを促すとし、公表により安否に関わる情報を集め、捜索対象者の絞り込みと救助の迅速化を図る狙いがあるという。今後3月1日まで意見を公募し正式に定めるとしている。
2021年7月3日に静岡県熱海市で発生した土石流災害では、自治体が住民基本台帳に基づき、被害を受けた地域に住んでいたとみられる人で所在がわかっていない人について氏名の公表を行いましたが、災害時の安否不明者の氏名を公表するかどうかの判断は、自治体にとっては難しいとされていました。

 

【日本版GPS衛星「みちびき」】
サービス拡大に向け民間実証事業を政府が全額財政支援

内閣府は2023年度から、高精度の測位ができる日本版の全地球測位システム(GPS)衛星「みちびき」のサービス拡大に向け、みちびきを使った民間企業の実証事業について、費用の全額負担に乗り出すという。政府が直接、みちびきの実証事業を財政支援するのは初めてで、今年度中にも公募を開始する。新サービスとして、位置情報の受信機をライフジャケットに装着して海難救助に役立てたり、宅配代行業者の自転車に受信機を搭載して走行距離を計測し、労務管理の効率化を図ったりするシステムなどが期待されている。

 

【原発60年超可能に、法案閣議決定】
福島第一原発事故を教訓にできた「原則40年、最長60年」規制を変更へ

2月28日、福島第一原発事故の後最長60年としてきた原発の運転期間を、実質60年を超えて運転できるようにする法案が閣議決定されました。法案では「原則40年、最長60年」とする原発の運転期間は維持されますが規制委員会の審査などに伴って運転を停止した期間の分を延長できるようにする規定を新たに盛り込み実質、60年を超える運転を可能にします。政府は、原発60年超運転を可能にする関連法の改正案を、電気事業法や原子炉等規制法、原子力基本法など5本の法律の改正案を束ねた「グリーントランスフォーメーション(GX)脱炭素電源法案」を今国会に提出する方針です。

 

【阪神淡路大震災の災害援護資金の保証人返済を免除】大阪市

大阪市は2月9日、28年前の阪神淡路大震災(1995年)で被災者に貸し付けた「災害援護資金(災害義援金)」で未返済となっている約5300万円(52件)のうち、連帯保証人への債権約2600万円(25件)を放棄し、返済を免除する方針を決めました。大阪市では震災で計約10億5000万円(641件)を貸し付けましたが、今年(2023年)中に返済期限を迎えるもので、震災から28年が経過し、債権を抱える連帯保証人は生活困窮などで返済が困難になっている例が多く、大阪市では回収のめどが立たないと判断しました。
災害援護資金は、災害弔慰金法に基づき、全半壊世帯などに最大350万円を低金利で貸し付ける公的支援制度のひとつで、原資は国が3分の2を担い、残りを都道府県や政令市が負担し、市町村が貸し付けと回収業務を行うもの。阪神淡路大震災(1995年)では計1326億円が貸し付けられ、約525億円が貸し付けられた東日本大震災(2011年)でも約4割の世帯が滞納しているといい、早急な免除を求める声も上がっているといいます。

 

【運輸安全委・航空事故調査報告書】
岩泉の散水事故「ヘリと消防隊連携不十分」

2022年4月3日、岩手県下閉伊郡岩泉町で発生した林野火災の消火活動中に、上空からヘリで散水した水が地上の消防団員1名に直撃し胸椎と腰椎を骨折する重傷を負った事故がありました。運輸安全委員会は2月16日、「ヘリと地上消防隊の連携が不十分だった」とする調査報告書を公表しました。

 

【高知県室戸市庁舎の移転問題(住民投票)】
住民提案の補強が移転・建て替えの倍以上、市検討委と「逆の結果」に

南海トラフ地震の被害想定で津波浸水区域内にあり、震度6強以上の揺れで倒壊の恐れがあるとされた高知県室戸市の市庁舎の「移転・建て替え」か「耐震補強」かを問う住民投票が2月19日投開票され、住民提案の「耐震補強」への支持が市の検討委員会が推し進める「移転・建て替え」を倍以上の差で上回りました。投票率は46.43%で、「耐震補強(68.8%)」「移転・建て替え(29.8%)」「無効(1.4%)」との開票結果です。移転・建て替えには30億円前後の費用が見込まれ、市の財政を案じる声も多く、今回の住民投票結果は、市庁舎を今後も耐震補強で使い続けることを市民が支持した形となります。読売新聞の解説では「(防災への)関心は高そうなものだが、矛盾するような投票率だった」と述べている。

 

【謎の爆発音騒ぎ】
滋賀県南部の1月19日の爆発音、原因特定できず…火球の可能性

全国で発生する「謎の爆発音騒ぎ」。2023年1月19日に滋賀県南部で発生した爆発音では被害こそなかったが、一時通報が相次ぎ、草津市や守山市や警察・消防が確認に向かったが原因の特定はできなかった。近年では2021年4月に札幌市、2019年3月に長崎県、2016年3月に高知県で同様の“事件”が報じられたという。原因として 隕石や火球、戦闘機が音速を超えた際の衝撃波であるソニックブーム現象などが挙がったが真相はいずれも不明だという。

 

【H3ロケット】
打ち上げ中止

2月17日、次期主力ロケット「H3」の打ち上げが予定されていましたが「中断」されました。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月22日、打ち上げ中止の原因などの調査状況を文部科学省の「宇宙開発利用に係る調査・安全有識者会合」に報告しました。

 

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