【2023年3月1日~3月31日】
今月の防災・危機管理ニュース
ピックアップ13選
- 【ウクライナ問題】岸田首相がウクライナを電撃訪問し首脳会談へ [2023/03/21]
- 【富士山噴火】静岡・山梨・神奈川3県「富士山火山避難基本計画」まとまる [2023/03/29]
- 【KDDIとソフトバンク】通信障害時に双方の回線が使える「副回線サービス」開始 [2023/03/27]
- 【新型コロナワクチンの接種指針改定】健康な成人「追加接種推奨しない」WHO [2023/03/28]
- 【北朝鮮 弾道ミサイル発射(今年6回目)】米韓軍事演習「自由の盾」に対抗か? [2023/03/27]
- 【災害ゴミ】日本・千島海溝“巨大地震”で「最大2700万トン」発生(環境省) [2023/03/24]
- 【集中豪雨】線状降水帯、スパコン刷新で予報高度化…昨年の的中率は23%(気象庁)[2023/03/01]
- 【マスク着用】3月13日から“個人の判断に”(新型コロナ) [2023/03/13]
- 【世界防災フォーラム(仙台で開催)】災害リスク議論の政府間会合設置を提言[2023/03/10-12]
- 【京都市、20年ぶり被害想定「見直し」】花折断層地震で最大死者4100人、全壊焼失12万1千棟、避難者20万人 [2023/03/24]
- 【東日本大震災と心のケア】震災で別地域の学校に通う児童生徒は4907人 [2023/03/29]
- 【パキスタンとアフガニスタンでM6.5の地震】少なくとも12人死亡 [2023/03/22]
- 【京都「保津川下り」事故】座礁“乗員乗客29人全員が川に落ちる”船頭1人死亡、1人不明 [2023/03/28]
【ウクライナ問題】
岸田首相がウクライナを電撃訪問し首脳会談へ
2023年3月21日、岸田首相はウクライナの首都キーウを電撃訪問しゼレンスキー大統領と首脳会談を行いました。先進7か国(G7)が結束し、ウクライナ支援と対露制裁を継続する意向を伝えました。
読売新聞 > 岸田首相キーウ訪問、1時間前に伝達…「外務省なんかいらねえ」計画公表論にいらだち(2023/03/27)
読売新聞 > [論点スペシャル]首相キーウ訪問 評価と成果(2023/03/23)
読売新聞 > 10階建てビルのがれきの山、主婦「違法建築か」「人命軽視だ」…トルコ地震に人災の声(2023/02/16)
BBC > トルコ、地震での建物倒壊めぐり180人超を逮捕 死者は計5万人超す(2023/02/27)
週プレNEWS > トルコM7.8クラスの直下型大地震は日本でも起きる? 火山学、地質学の権威・鎌田浩毅先生に聞く!(2023/02/27)
【富士山噴火】
静岡・山梨・神奈川3県「富士山火山避難基本計画」まとまる
3月29日、静岡、山梨、神奈川の3県などでつくる富士山火山防災対策協議会で、富士山噴火に備えた「富士山火山避難基本計画」をまとめました。火山灰が広く降る場合は、車での移動が困難になるとして自宅や鉄筋コンクリートの建物など屋内避難を原則とし、地元自治体が今後策定する避難計画に反映させるとしています。
協議会では、一昨年(2021年3月)に「富士山ハザードマップ」を17年ぶりに改定、影響するエリアが広がったことを受け、基本計画を見直すことになりました。昨年(2022年3月)の中間報告では、溶岩流が到達する可能性のある地域の人は、渋滞抑制のため高齢者や障害者らを除き、車でなく徒歩での避難を要請しました。
今回の計画では物流が滞った場合に備え、食料などを1週間程度備蓄することを求めたほか、降灰対策などを新たに明記し、灰で視界が遮られることから屋内避難を原則とし、溶岩流が迫り外に逃げる際にヘルメットやゴーグル、マスクなどを備えるよう推奨しました。
産経新聞 > 富士山噴火 原則「徒歩避難」 高齢者らは車で 広域避難計画策定(2023/03/29)
日経新聞 > 富士山噴火したら… 溶岩流・降灰どこまで?経済損失は(2023/03/29)
静岡新聞 > 富士山火山対策協 新基本計画を策定 溶岩流避難、自市町内が原則(2023/03/30)
静岡新聞 > 富士山火山基本計画で対策追加 教育、福祉の現場に戸惑い 「逃げ遅れゼロ」へ入所者輸送、避難先確保(2023/03/30)
【KDDIとソフトバンク】
通信障害時に双方の回線が使える「副回線サービス」開始 [2023/03/27]
3月27日、KDDIとソフトバンクで通信障害が起きた場合でも利用者が通話などを行えるよう、1台のスマートフォンで双方の会社の通信回線が使えるサービス「副回線サービス」を発表しました。通常のプランとは別に新たな契約が必要で、個人向けのサービスの基本料金は月額429円となっています。
2022年7月にはKDDIで2日半超にわたる大規模な通信障害が発生し、安定した通信環境の提供が大きな課題となっていますが、KDDIとソフトバンクでは、通信障害や災害などが起きた際に双方の通信回線をバックアップ用の副回線として利用できる新たな有料サービスを提供するとしています。副回線用には電話番号が新たに付与され、KDDIは29日から、ソフトバンクは来月12日からサービスが導入されます。
【新型コロナワクチンの接種指針改定】
健康な成人「追加接種推奨しない」WHO
3月28日、WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルスワクチンの接種指針を改定し、健康な成人や子どもには定期的な追加接種を「推奨しない」としました。WHOの新たな指針では、新型コロナワクチンの対象者を接種の必要な優先順に3つのグループに分類しました。
最も接種を優先すべき対象に「高齢者・重い併存疾患がある成人・免疫不全の人・妊婦・医療従事者」を挙げ「6か月~12か月ごとの定期接種を推奨する」としました。
2番目のグループは「健康な成人」で、1回の追加接種は推奨するものの、2回目以降は、公衆衛生上の効果が比較的低いとして「推奨しない」としました。
3番目のグループは「生後6か月~17歳の健康な子ども」で、ワクチンは安全で効果はあるものの、感染したとしても負担が軽いことから、接種は費用対効果などにより国ごとに判断するよう勧めています。
TBS > WHO 新型コロナワクチンの接種指針改定 健康な成人「追加接種を推奨しない」(2023/03/29)
WHO > SAGE updates COVID-19 vaccination guidance(2023/03/28)
【北朝鮮 弾道ミサイル発射(今年6回目)】
米韓軍事演習「自由の盾」に対抗か? [2023/03/27]
3月27日、北朝鮮が2発の短距離弾道ミサイルを発射しました。落下したのはいずれも朝鮮半島東岸付近の我が国の排他的経済水域(EEZ)外と推定されます。防衛省によると、2発とも最高高度が約50km、飛行距離は約350kmとみられ、いずれも迎撃が困難とされる変則軌道で飛行した可能性があるとしています。
北朝鮮では、米韓で3月13日~23日に約5年ぶりに開催された図上演習中心の大規模合同軍事演習「フリーダム・シールド(自由の盾)」の期間中に相次いで弾道ミサイルや巡航ミサイルを発射しています。また3月27日までの3日間には、水中戦略兵器の実験を行ったとされており、北朝鮮による軍事行動が連日のように続いています。今後も軍事挑発を繰り返す可能性が高く、日米韓は警戒を強めています。
読売新聞 > 北朝鮮が短距離弾道ミサイル2発、いずれも変則軌道の可能性…米韓の上陸訓練に対抗か(2023/03/27)
読売新聞 > 米韓軍事演習「自由の盾」に対抗か、北朝鮮がミサイル発射…半島上空に米戦略爆撃機B1B(2023/03/19)
NHK > 北朝鮮 弾道ミサイル発射 日韓首脳会談をけん制か(2023/03/16)
【災害ゴミ】
日本・千島海溝“巨大地震”で「最大2700万トン」発生(環境省)
3月24日、環境省の災害ごみに関する有識者検討会「技術・システム検討ワーキンググループ」が開催され、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震(マグニチュード9級)では、住宅瓦礫などの災害ゴミは最大で2,717万トンに達すると推計されました。処理完了に3年かかった東日本大震災の約2千万トンを上回り、処理が滞れば被災者の生活や復興に影響します。処理計画の策定を終えたのは関係市町村の50%にとどまっていることから、環境省は関係自治体に処理計画の策定を促すとともに、被害の少ない地域で引き受けてもらう広域連携も含め、迅速な対応を目指すとしています。
【集中豪雨】
線状降水帯、スパコン刷新で予報高度化…昨年の的中率は23%(気象庁)
3月1日、気象庁で「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」が稼動開始しました。気象庁による2月24日の報道発表によると、集中豪雨をもたらす「線状降水帯」の発生を事前に予測するための新たなスーパーコンピューター(スパコン)は、現行のスパコンに比べて約2倍の計算能力があり、予測精度の向上を目指すとしています。気象庁が2022年度に出した13回の予報のうち、実際に線状降水帯が発生したのは3回(23%)にとどまり的中率の低さが課題でした。新スパコンは富士通製で、気象庁の群馬県館林市の設置で3月1日から稼働しています。
ITmedia > 気象庁が新スパコン導入、性能は現行機2倍 「線状降水帯」の予測精度向上に(2023/02/24)
impress > 気象庁、線状降水帯の発生を予測するスパコンが2023年3月に稼働、「富岳」の技術を活用 性能は約31.1PFLOPSで世界50位内、国内5位に相当(2023/02/27)
東京新聞 > 降水帯予測のスパコン公開 気象庁、精度向上に活用(2023/03/23)
【マスク着用】
3月13日から“個人の判断に”(新型コロナ)
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2023年5月8日に「5類」に移行するのを前に、政府は3月13日からマスクの着用を個人の判断に委ねました。一方で、高齢者などへの感染を防ぐため、医療機関を受診する際などは着用を推奨するとしていて、政府は混乱が生じないように、SNSやテレビCMなども活用して丁寧に周知していく方針としています。
NHK > マスク着用 きょうから個人の判断に 街の変化は?【詳しく】(2023/03/13)
NHK > 裁判所でのマスク着用 あすから原則として個人の判断に(2023/03/12)
読売新聞 > 学校でマスク着用求めず、文科省が4月以降の方針示す…入学式・運動会の縮小も不要(2023/03/18)
【世界防災フォーラム(仙台で開催)】
災害リスク議論の政府間会合設置を提言
2023年3月10日から12日まで、防災の専門家らが集う国際会議「世界防災フォーラム(第3回)」が、仙台市で4年ぶりに開催されました。世界の災害リスクについて定期的に議論する政府間会合の設置などを求める提言がまとめられ、提言は5月の国連会議で会合の設置が必要か検討されます。
【京都市、20年ぶり被害想定「見直し」】
花折断層地震で最大死者4100人、全壊焼失12万1千棟、避難者20万人
京都市では、昨年(2022年)6月に、阪神淡路大震災を機に2003年に作成した従来の地震被害想定を見直すため専門家らを交え防災会議地震部会を開き、年度内に新たな地震被害想定を策定すると発表していました。2023年3月23日、京都市防災会議への最終報告(京都市第4次地震被害想定)が提出され、京都市で20年ぶりとなる地震被害想定を見直しが行われました。現時点(2023/03/30現在)でWEBページ上への公表がされておらず詳細は不明ですが、新想定では、最大の被害は花折断層の地震が冬の16時に発生した場合で最大死者4100人、全壊焼失12万1千棟、避難者20万人とされています。今回の想定では、この20年間での建物の耐震化率向上により前回想定より死者数や全壊棟数が減ったほか、停電や断水など新たにライフラインの被害想定や橋梁、文化財の状況も盛り込まれました。京都市では、今回の最終報告を受けて新年度(2023年4月以降)内に地震ハザードマップを改定するとしています
京都市 > 京都市第4次地震被害想定(最終報告)について(2023/03/14)
京都市 > 花折断層で地震が起きたら(2018/11/01)
京都市 > 京都市第3次地震被害想定(2003年10月策定)結果総括表(2014/06/17)
京都新聞 > 京都市、20年ぶり地震被害想定「見直し」 花折断層で地震が起きたら?新たな想定の内容とは(2023/03/24)
【東日本大震災と心のケア】
震災で別地域の学校に通う児童生徒は4907人 [2023/03/29]
3月29日、文部科学省は、東日本大震災の罹災3県(岩手県、宮城県、福島県)の児童生徒が震災前とは別の居住地の学校に通っているケースを調査し、令和3年5月1日現在の結果を公表しました。
調査では、東日本大震災の影響で岩手、宮城、福島の3県で被災し別の地域の学校に通っている子どもは、少なくとも15の都道県でおよそ4900人に上り、文部科学省は心のケアなど支援を呼びかけています。
【パキスタンとアフガニスタンでM6.5の地震】
少なくとも12人死亡
パキスタンとアフガニスタンの広い範囲で3月21日夜、強い地震があり、少なくとも12人が死亡、200人以上が負傷しました。この地域は、ユーラシアプレートとインドプレートの接合部に位置するため、地震が発生しやすく、昨年2022年6月にはアフガニスタン・パクティカ州でM5.9の地震が発生し1000人以上が死亡しています。
【京都「保津川下り」事故】
座礁“乗員乗客29人全員が川に落ちる”船頭2人死亡
3月28日午前11時半頃、京都府亀岡市の保津川で観光用の船が転覆し、船頭2人が死亡しました。事故が起きたのは上流から嵐山まで下る「保津川下り」と呼ばれる人気の観光スポットでした。船にはこども3人を含む25人の乗客と船頭4人が乗っていました。