自宅が浸水すると、どのようになってしまうのでしょうか。
この記事では浸水被害についての以下のことが分かります。
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● 浸水の定義
● 浸水するとどうなる
● 復旧作業について
● 復旧作業の注意点
● 支援の申請手順
床下浸水・床上浸水の定義
国土交通省のホームページによると、50cm未満の浸水深さを床下浸水。50cm以上の浸水深さを床上浸水と定義されています。
大まかな浸水深さの目安は以下の通りです。
浸水深 | 浸水程度の目安 |
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0~0.5m | 床下浸水(大人の膝までつかる) |
0.5~1.0m | 床上浸水(大人の腰までつかる) |
1.0~2.0m | 1階の軒下まで浸水する |
2.0~5.0m | 2階の軒下まで浸水する |
5.0m~ | 2階の屋根以上が浸水する |
※引用:浸水深と避難行動について – 国土交通省 川の防災情報
床下浸水すると家の中はどうなる?
床下浸水(50cm未満の浸水深さ)が発生した場合、自宅はどのようになってしまうのでしょうか。
一軒家とマンションのそれぞれの状況を紹介いたします。
● 戸建ての場合
戸建ての建物で床下浸水が発生した場合、一見すると何ともなく、「ギリギリでセーフだった!」と感じるかもしれませんが、実は違います!
床下はかなりの被害を受けています。
それは、排水できない汚水と泥です。
汚水をそのままにしておくと、家の建具を痛めてしまいます。
床下の泥を放置すれば、バクテリアが発生し、悪臭や感染症の原因になります。
● マンションの場合
床下浸水程度では、マンションには影響はなさそうに感じますが、これも間違いです。
マンションの2階以上には浸水はありませんが、水をくみ上げているポンプの電気設備が1階に設置されていれば、電気設備がショートし、水道が使えなくなります。
駐車場が地下にあれば、車やバイクも水没することになります。
※参考:家庭での被災想定 – 国土交通省
床上浸水すると家の中はどうなる?
次に床上浸水(50cm以上の浸水深さ)が発生した場合を見ていきましょう。自宅はどのようになってしまうのでしょうか。
一軒家とマンションのそれぞれの状況を紹介いたします。
● 戸建ての場合
戸建ての住宅で床上浸水が発生した場合、想像している通り、家の中にある家財はすべて水没することになります。
家具や電化製品など全てが使えなくなるので被害額は相当な額になります。また床下浸水とは比較にならないほど、家屋の被害も大きくなります。
● マンションの場合
戸建てで床上浸水発生するぐらいの水位(成人の腰ぐらいまでの高さ)になるとマンションも1階であれば、床上浸水が始まる可能性があります。
被害は戸建ての場合と同じで、全ての家財が水没することになります。
※参考:家庭での被災想定 – 国土交通省
浸水した家の復旧作業のポイント
浸水被害に遭ってしまった場合。生活を再建させるために、どのようなことを、どのような手順で行えばいいのでしょうか。
以下のチェックリストを参考にしてみてください。
● 浸水被害にあったらやるべきのことチェックリスト
浸水被害に遭ってしまった場合のチェックリストを掲載します。
公的支援を受けるための申し込み手順も一緒に紹介しています。
参考にしてみてください。
1、仮住まいを決める
被災した場合の仮住まいは主に以下のようなものがあります。
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● 車中泊、テント泊
● 避難所
● 親類宅
● ホテル
それぞれのメリットデメリットを加味して、どこに避難するか判断しましょう。
2、被害状況を撮影!
被害状況の写真は、保険金の請求や罹災証明を取得するときの状況証拠として役立ちます。
・室内・外部を360度撮影し、どこまで浸水したのかメジャーなどを当てた写真があると ベストです。
高価な家財道具なども廃棄する前に撮影しておいてください。
3、被災の申請をする
火災保険や共済に加入している場合は被害状況を連絡。
その他に、市町村に罹災証明の申請を行ってください。
4、 電気ガスの安全確認
ブレーカーが落ちてるか、ガスの元栓が閉まってるかを確認してください。
安全が確認できるまで使用を控えてください。
5、家財の搬出
家屋の被害状況を確認するために、水没してしまった家財を自宅から搬出してください。
その際、ごみ捨てや分別については、自治体の情報を確認して廃棄してください。
6、建物の被害状況を確認
住宅の基礎の通気口や床下点検口を覗いて、床下の浸水状況を確認してください。
もし床下に水が溜まっていたら、ポンプで水を排出し、木の葉や泥などを取り除いてください。
7、復旧作業を業者に依頼
完全に浸水してしまった床下を素人が復旧させることは困難です。
業者に処理を依頼しましょう。
※参考:建物浸水被害復旧のポイント (公社)熊本県建築士会
● 公的支援を受けるための手順
公的支援を受けるためには以下の手順で申請を行ってください。
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1. 市役所町村役場に浸水被害を申し出を申し出る
2. 住家被害認定の調査を受ける
3. 調査内容に不服があれば再調査を依頼
4. 調査内容に不服がなければ罹災証明書の交付を受ける
5. 被害状況に応じて各種の支援を活用する
被害認定や住居の再建方法、収入などによって使える制度支援額は異なります。
詳しくは市役所の窓口で確認しましょう。
※参考:浸水被害からの生活再建の手引き 熊本県
水害後の片づけでも注意が必要!人間に襲い掛かる感染症の恐怖
浸水被害にあった自宅の復旧作業の際には、感染症に注意してください。
家屋内でも、家屋外でも、それぞれで感染症の危険があります。
それぞれの危険性を以下で詳しく紹介いたします。
● 浸水した家屋内の感染症
雨水が運んでくる泥は、バクテリアや微生物を含んでいます。
すぐに排出を行わないと悪臭や感染症の原因となります。
微生物が付着した埃が舞上がることによって、鼻、口、上気道、傷口等に定着、人体に侵入し病気を引き起こすこともあります。
※引用:〔病院情報〕感染の基礎知識と感染予防の実際
また作業時には必ずマスクを着用して、感染症を防いでください。
● 清掃作業での感染症
清掃作業中には、先ほど紹介したように生物が体内に侵入することで起こる感染症もありますが、傷口から病原菌が侵入して発症する感染症もあります。
例えば清掃作業中にクギなどを踏んで怪我をしてしまった場合、傷口から破傷風等の病原菌が侵入して感染症にかかる場合があります。
清掃作業中は丈夫な手袋や底の厚い靴などを着用し、長袖など肌の見えない服装で作業してください。
もしもケガをしたら傷口を流水で洗浄し、消毒をしてください。
傷口に泥がついてしまったなど衛生面に問題がある場合、医師に相談をしましょう。
※参考:被災した家屋での感染症対策│厚生労働省
浸水被害に合わない為には浸水対策が重要
自宅を浸水被害から守るためには最も効果的なことは浸水対策をすることです。
浸水対策には土のうが一般的ですが、今では土のうよりも効果が高く簡単に保管・設置できる浸水対策グッズが多く発売されています。
そういったグッズを活用して浸水被害から自宅を守ってください。
まとめ
ひとたび浸水被害に遭ってしまうと生活を再建させるためには多額の費用と時間と労力を要することになります。
普段から防災の意識を高め自宅を浸水被害から守るための備えをしておくことが重要。
また火災保険の契約内容を見直したり、公的な支援の申請に必要な書類を事前に調べておくことも重要です。