自宅の浸水対策をしたいけれど、自宅のどこから浸水しやすいのか?どれぐらいの対策をすればいいのか?具体的な方法がよく分かりませんよね。
そこで今回は、自宅の中で「浸水対策が必要な場所」と「女性でもできる浸水対策」を紹介します。
浸水対策に使えるグッズも合わせて紹介しているので、浸水対策を今すぐはじめたい方もご覧ください。
床下浸水と床上浸水の定義
国土交通省のwebサイトによると、浸水深が50cm未満の場合は床下浸水、50cm以上になると床上浸水と定義されています。
また、浸水深が成人男性で70cm以上、女性で50cm以上の場合に避難が困難になるそうです。
※参考サイト:浸水深と避難行動について – 国土交通省 川の防災情報
浸水被害にあった場合の被害額
自宅の浸水被害には「床下浸水」と「床上浸水」があります。
それぞれの被害あってしまった場合の被害額について、東北大学大学院「全国浸水被害額評価のための基礎調査」(平成11年(1999年))を参考にすると以下のようになります。
<床下浸水の被害額>
床下浸水があった場合の家屋の被害額は、1㎡あたり約16万円です。
仮に自宅の間取りが2LDK(約55㎡)だったと仮定すると、55㎡×16万= 約880万円 になります。
<床上浸水の被害額>
床上浸水があった場合の家財の被害額は、約1500万円です。
床上浸水の被害に遭うと家財(家電、家具、衣類など)が被害を受けるのはもちろん、車なども水没して使えなくなることから被害額が高額になると思われます。
※出典:東北大学大学院「全国浸水被害額評価のための基礎調査」(平成11年(1999年))
浸水対策をすると、どれぐらい効果が出るのか?
浸水対策をすれば本当に自宅への浸水が防げるのでしょうか?
浸水対策を「していた場合」と「していなかった場合」の動画を比較して、浸水対策の効果について検証しましょう。
まずは浸水対策をしていない場合です。
● 浸水対策をしていない場合
youtubeに掲載されている床下浸水の動画です(災害の情報が記載されていないので、地域などの詳細は不明)。
雨が降り出してから数分で道路が冠水し、次々と住宅の敷地内に浸水が始まっている様子が確認できます。
浸水経路は「降水(雨)」「道路からの流れ込み」の2つです。
住宅に面している道路の排水溝が処理能力を超えた段階で、敷地内への浸水量が増え、最終的には玄関が完全に水没している(おそらく床下全部が浸水)様子が確認できます。
● 浸水対策をした場合
次に簡易水防工法という浸水対策をしている場合の動画です。
浸水対策のために、使うものは以下の3つです。
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● ダンボール
● ポリ袋
● レジャーシート
浸水対策の手順は以下の5ステップです。
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1. ポリ袋に水を入れる
2. レジャーシートを敷く
3. レジャーシートの上にダンボールを並べる
4. ダンボールの中に水のうを入れる
5. レジャーシートでダンボールを包む
たったこれだけの対策なのですが、くるぶし程度の水位なら、しっかりと浸水を防いでいる事がわかります(3:15頃)。
● 浸水対策が必要な場所と対策方法(対策グッズ)
次に浸水対策が必要な場所と対策方法(対策グッズ)を紹介します。
<浸水対策一覧>
浸水対策が必要な場所 | 最適な対策方法 |
---|---|
玄関(塀の切れ目) | 土のう |
自宅の水回り(下水の逆流対策) | 水のう |
床下の通気口 | 浸水対策シート |
道路の排水溝 | 清掃 |
● 玄関(縁の切れ目)の対策
自宅の周辺に塀がある場合は縁の切れ目に。塀がない場合は、玄関に浸水対策をしましょう。
浸水対策として最も一般的なのは土のうを設置する方法です。
しかし、重量や保管スペースの問題などを考えると、現実的な方法ではありません。
以下で紹介する代用品を利用すれば、持ち運びや保管スペースなどの問題を解消することができます。
水のう
内蔵の吸水ポリマーが吸水するので、約2分で水のうとして使えます。
吸水前の重量は約420g。吸水後の重量は15~20 kg です。
<商品情報>
商品名 : 吸水土嚢(のう)
価格帯 : 9,979円/15個入り
ウォータープロテクトテープ
玄関のドアのすき間に貼り付けるだけで浸水を防ぐテープ。
テープが貼れる場所であれば、どこでも使用可能なようです。土のうみたいに重いものを持ち運ぶ必要がないので女性でも簡単に対策することができます。
※玄関の外側に貼り付けたほうが水圧がかかるので、浸水しにくくなります。
<商品情報>
商品名 : ウォータープロテクトテープ
価格帯 : 2,640円/2個入り
● 自宅の水回り(下水の逆流対策)
排水管がいっぱいになると下水が逆流してくる場合があります。
トイレや洗面台洗濯機の排水溝など、下水管と繋がっている所ならどこでも逆流する可能性があります。
対策方法は水のうでフタをするだけです。
簡単な方法なので必ず対策をしてください。
閲覧注意!!トイレの水が逆流する様子
● 床下の通気口
Credit : 日本最大のグレーチングメーカー (株)ダイクレ様
床下の通気口は地面から若干高さがあるので、水が引いても自動的に排水されません。床下の浸水を放置すると、湿気で建物の建材が腐食したり、悪臭の原因にもなります。床下の排水には高額な費用がかかるので、必ず対策したい場所です。
<床下浸水の清掃の様子>
浸水対策グッズに「床下換気口用止水シート」(株式会社ディーネット)という商品があります。マグネット式の防水シートを貼るだけで床下への浸水を防ぐことができます。
<床下換気口用止水シートの施工の様子>
<床下換気口用止水シートの耐水テスト>
床下浸水はかなり大掛かりな対応が必要になるので、しっかりと対策を行いましょう!
※床下換気口用止水シート 販売元:株式会社ディーネット公式ページ
● 自宅に面している道路の排水溝
雨水を少しでも排水するために、排水溝の清掃を実施しましょう!
また、カーステップが排水の妨げになる可能性もありますので、台風の前などには撤去するようにしてください。
浸水してしまった際の対策(グッズ紹介)
どんなに浸水対策をしても完全に浸水を防ぐことはできません。
仮に浸水してしまった場合でも、浸水した水を素早く排水することができれば、住宅へのダメージを最小限に留めることができるかもしれません。
こちらでは排水のための、水中ポンプをご紹介いたします。
<水中ポンプの動作画像>
水中ポンプはモーターの力で水を排水するグッズです。浸水対策と水中ポンプを合わせて使用すれば、かなりの雨量の集中豪雨でも敷地内への浸水を防ぐことができるでしょう。
<アマゾンで高評価の水中汚水ポンプ>
商品名 : RYOBI 水中汚水ポンプ 60Hz RMG-8000
価格帯 : 19,945円/台
まとめ
浸水被害にあってしまうと生活を再建するまでに、かなり高額な費用が必要になってしまいます。
自宅にあるもの、ネット通販で購入できるもので簡単に浸水対策をすることができます。浸水対策が必要な場所と、浸水対策に使えるグッズをもう一度紹介するので、台風の多い季節の浸水対策を忘れないでください。
<浸水対策が必要な場所 >
● 玄関(塀の切れ目)
● 自宅の水回り(下水の逆流対策)
● 床下の通気口
● 道路の排水溝
<浸水対策のグッズ>
● 水のう
● ウォータープロテクトテープ
● 床下換気口用止水シート
● 水中ポンプ