『 もろもろの物の中に捨てがたきはおのが身より過ぎたるはなし。 』
源為憲(生年不詳~1011 / 平安時代中期の文学者 正五位下・美濃守)
格言は仏教説話集『三宝絵詞(984年)』上・十一より。
《 賢(かさ)しき人は身を捨てて物の命をこそは救ふなれ 》と続く。
昔、天竺に3人の王子がおり、3人は竹林で7匹の子を産んだ痩せ細った母虎を見つける。2人の兄は自分の身を案じて虎を救うことができなかったが、釈迦の前世である末子の薩埵王子(さったおうじ)は、飢えた虎とその7匹の子のためにその身を投じて虎の命を救う。
源為憲(みなもと の ためのり)は、平安時代中期の文学者。字は澄(ちょう)。光孝天皇の第8皇子・源是恒(みなもと の これつね)の曾孫、筑前守・源忠幹の子。
三十六歌仙の一人である源順(みなもと の したごう / 911~983年)に師事し、文章生(もんじょうのしょう)から蔵人、遠江、美濃、加賀、伊賀の国守を歴任した。
詩や文章にすぐれ、冷泉天皇の第2皇女・尊子(そんし / 966~985年)のために永観2(984)年11月に仏教説話集『三宝絵詞(さんぼうえことば)』を編纂した。上巻には釈迦の前世物語(本生話=ほんじょうわ)の引用が描かれている。ほかに後の太政大臣・藤原為光の長子・誠信のために『口遊(くちずさみ)』、藤原道長の子・頼通のために『世俗諺文(げんもん)』などを書いている。
■「源為憲」に関連する防災格言内の記事
釈迦・仏教開祖(2011.12.19 防災格言)
鴨長明[1] (平安時代末期の歌人・随筆家)(2008.03.31 防災格言)
鴨長明[2] (平安時代末期の歌人・随筆家)(2012.05.28 防災格言)
藤原敦光 (平安時代の文章博士)(2011.09.05 防災格言)
平治物語(上巻)より(2009.05.25 防災格言)
人民の安からぬ事は時の災難なれば、神も力及ばせ給はぬにや(北畠親房著「神皇正統記」より)(2015.06.08 防災格言)
少しの事も心に許す所あれば、大きに誤る本となる(北畠親房著「神皇正統記」より)(2014.04.14 防災格言)
人間はこれ生死無常、芭蕉泡沫のさかひ(保元物語より)(2015.03.23 防災格言)
楠木正成(2014.03.31 防災格言)
平家物語 巻十二より(2014.02.10 防災格言)
慈円 (鎌倉時代の天台宗僧侶)(2014.03.17 防災格言)
無住(鎌倉時代の臨済宗僧侶)(2014.08.25 防災格言)
宇治拾遺物語より(2014.06.09 防災格言)
兼好法師[1](2010.01.04 防災格言)
兼好法師[2](2012.06.04 防災格言)
眠たいは大事のことぞ(平家物語)より(2013.01.16 店長コラム)
防災格言,格言集,名言集,格言,名言,諺,哲学,思想,人生,癒し,豆知識,防災,災害,火事,震災,地震,危機管理