『 誰も彼も、毎日、今日は死ぬかと待っているかの如く、家畜や土地の未来の成果や自分たちの過去の勤労の成果を考えたりしないで、ただ現在、蓄積してあるものを消費することにありったけの智慧を絞って遺憾なからんとするのみでありました。 』
ジョヴァンニ・ボッカチオ(1313〜1375 / 中世イタリアの詩人・散文作家)
フィレンツェの詩人ボッカチオ(Giovanni Boccaccio)が1353年に完成させた代表作『 デカメロン(Decameron) 』は、1348年からヨーロッパで大流行(パンデミック)した疫病・ペスト(黒死病)から逃れるために家に引き篭もった男女10人が、退屈を紛らわせる目的で、それぞれ10人が10話ずつ物語を語る(全100話)というお話し。
その内容は、恋愛や失敗談など面白おかしい艶笑譚なのだが、物語が始まる前に、好対照な疫病による陰惨な死の描写が描かれていることは余り知られていない。
この『デカメロン』は、後にイギリスの詩人ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』やマルグリット・ド・ナヴァルの『エプタメロン』などに影響を与えた。
格言は野上素一氏翻訳『デカメロン(岩波文庫)』より。
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