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利根川の洪水想定 首都圏で死者4,500〜6,300人

time 2010/03/05

利根川の洪水想定 首都圏で死者4,500〜6,300人
利根川の洪水想定 首都圏で死者4,500〜6,300人  [編集長コラム]

関連記事⇒ 災害対策が災害を呼ぶ 利根川改修工事に見る例(防災格言 編集長コラム 2010年2月26日より)

前回の「利根川改修工事の歴史」についてのコラムで「何か書き忘れているな」と思っていましたが、それを思い出したので追記します。

ちなみに、このブログのコラムは、下書きなど原稿を用意せずに、その場でつらつらと書いていますので、書いている途中で「何を書くんだっけ?」と良く忘れてしまうのです。

さて、書き忘れていたのは、

利根川氾濫で堤防決壊という災害が発生したときの国の被災想定

についての情報です。

政府の中央防災会議(大規模水害対策に関する専門調査会)は2007年〜2008年にかけ 利根川 が決壊した時、首都圏の死者は 4,500〜6,300人とする洪水による日本初の災害被害想定を発表しています。

その想定のもと、現在、有識者によるさまざまな対策(備えや避難指示・基本方針はどうしようかなど)が練られている段階です。

利根川の大規模洪水が発生した場合(マスコミ的な言い回しだと「数百年から千年に一度起こるという利根川の大洪水では」)、まず、1947年の利根川のカスリーン台風による洪水被害をもとにシミュレーションを行ったところ・・・。

カスリーン台風の洪水時よりも水量が20%多かった場合には、埼玉県、東京都東部を中心に、53,000ヘクタールが浸水し、氾濫の仕方によって群馬、栃木、茨城、千葉などにも被害が及ぶ可能性が見えてきました。

ちなみに、過去の水害時の最大水量から20%増水した場合の「20%」が、いかなるものか、前回のコラム「災害対策が災害を呼ぶ 利根川改修工事に見る例(防災格言 編集長コラム 2010年2月26日より)」を見ていただければ分かるでしょう。

話しを戻し、

この時、利根川の堤防が決壊すると、首都圏で最大で約90万世帯、240万人の住民が浸水被害を被ると想定されています。

得に、埼玉県大利根町の堤防が決壊した場合には、首都圏で4,500人の犠牲者がでる可能性があることが分かってまいりました。
また、茨城県古河市や坂東市付近で堤防が決壊した場合には、利根川北側地域を中心に死者数は 6,300人 にのぼる。

死者数が多いのは、この付近には避難できる高い建物が少ないことなどが理由と言います。

近年の水害による犠牲者は、「お年寄りの犠牲者」や「屋外で被災した」など過去に良く述べられていた犠牲者の統計とは異なり、年齢、性別に関係なく、屋内外でも被害が生じていることが知られています。

つまり水害は、誰でも被害を受ける危険性があるという特徴があります。

また、地震時の帰宅困難者と同じように、水害も昼間に発生すれば、たまたま外に出かけていた大量の人達が避難することになります。

水害は、地震災害の危険性に比べると、危機感やら関心が薄いこともあってか、事前の注意喚起といったことや、被害想定情報(ハザードマップ)など住民への浸透が不足がちであることが多いようです。

利根川に関係のない場所に住んでる人も、対岸の火事、と思わずに、自宅の場所(標高を調べると良い)やら身の回りの環境の土砂災害のハザードマップなどを見ておくと良いでしょう。自宅周辺の土砂災害ハザードマップというのは、一度見ておいただけでも、雨が降るとここが危険かも・・・と意識しながら生活できることになるので、雨の日や台風の時の行動に違いがでます。

特に利根川流域にお住まいの方々は、自宅の所在地や周囲の生活環境を踏まえ、洪水時の避難行動・避難場所などについて、あらかじめ家族で話し合うとよいでしょう。

ちなみに、もしもの場合の避難というのには、概ね、次の3つの選択肢があります。

(1)行政が用意している広域避難場所に避難する(避難誘導・指示に従う)
(2)友人・知人・親戚の家に避難する(自力避難)
(3)避難しない(自宅で過ごせる:ただし自分だけは大丈夫!という無意味な自信過剰は禁物)

自力で避難場所を確保できる(2)(3)に該当する人は、あらかじめ備蓄など準備をしておくことも必要でしょう。

※関連資料LINK http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/suigai/index.html
(内閣府「大規模水害対策に関する専門調査会」議事概要ページ)

■「集中豪雨・土砂災害」に関連する防災格言内の記事
 災害対策が災害を呼ぶ 利根川改修工事に見る例(2010.2.26 編集長コラム)
 利根川の洪水想定 首都圏で死者4,500〜6,300人(2010.3.5 編集長コラム)
 小田原評定(水俣土石流災害)(2006.1.29 編集長コラム)
 豪雨そして土砂災害。その犠牲者はいつも老人ホーム(2010.7.20 編集長コラム)
 松野友(岐阜県本巣郡穂積町町長 日本初の女性村長)(2015.03.02 防災格言)
 奥貫友山(利根川・荒川水害である寛保大水害時の慈善家)(2010.4.5 防災格言)
 川合茂(河川工学者 舞鶴工業高等専門学校名誉教授)(2011.08.15 防災格言)
 幸田文(随筆家・小説家 代表作『崩れ』『流れる』)(2015.05.11 防災格言)
 桑原幹根(愛知県知事)(2014.09.15 防災格言)
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 下田歌子 (歌人・実践女子学園創始者)(2009.12.14 防災格言)
 平生釟三郎 (川崎重工業社長)(2009.11.02 防災格言)
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 谷崎潤一郎 (作家)(2014.12.08 防災格言)

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