『 苦しみを乗り越えるには「食」が大切。食事は人を変える大きな力を持っている。 』
佐藤初女(1921~2016 / 福祉活動家 森のイスキアを主催)
佐藤初女(さとう はつめ)は、自宅を開放し、人生に悩みを抱え助けを求めるすべての人を無条件に受け入れ、「おむすび」を中心とした素朴な食事をふるまい、彼らと生活をともにする奉仕活動「森のイスキア」を主催。「日本のマザー・テレサ」と呼ばれた福祉活動家。
1921(大正10)年10月3日、青森県生まれ。10代で結核を患った闘病体験から食の大切さを実感する。青森市の青森技芸学院(現・青森明の星高等学校)を卒業後、3年間小学校教員を勤め、1944(昭和19)年に勤務校の校長と結婚。教職を退き、弘前市に住んだ。
1964(昭和39)年、弘前学院短期大学で家庭科の非常勤講師を勤め、1979(昭和54)年に染め物教室「弘前染色工房」を開いた。その人柄と手料理を慕って自宅に人が集うようになり、自然に悩み相談を受けるようになったという。カトリック信者として神父の言葉「奉仕という犠牲の伴わない人生は意味がない」に影響を受ける。
1983(昭和58)年、老人ホームの後援会や弘前カトリック教会での奉仕活動を母体に自宅を開放して、悩みや問題を抱え込んだ人たちを受け入れ、痛みを分かち合う癒しの場「弘前イスキア」を開設。1992(平成4)年には青森県の岩木山山麓に「森のイスキア」を開いた。1995(平成7)年公開のドキュメンタリー映画「地球交響曲<ガイアシンフォニー>第二番(龍村仁監督)」で紹介されたのを契機に、その活動が世界から注目され、国内外でも精力的に講演活動を行った。長年にわたる地域密着の福祉活動により、アメリカ国際ソロプチミスト協会賞、国際ソロプチミスト女性ボランティア賞、第48回東奥賞受賞。
2011(平成23)年3月11日の東日本大震災では、青森県弘前市は震度4と沿岸の被災地に比べ大きな被害を免れたが、それでも20日間ほど停電と断水が続き、普段それと知らずに便利な水や電気を無駄にしている生活を改める契機となった、という。
2013(平成25)年の「世界の平和を祈る祭典 in 日本平」でキリスト教代表として登壇。チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王と初対面し、その際に「おむすび」をふるまう。
2016(平成28)年2月1日、弘前市内の病院で逝去。享年94。
著書に『おむすびの祈り』『いのちの森の台所』(集英社)、『愛蔵版 初女さんのお料理』(主婦の友社)、『「いのち」を養う食』(講談社)など。
佐藤初女さん、昭和58年頃
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